20221022-23_滝本本谷・北谷
メンバー:HM(CL)、T田(top)、KMT(sec)
10/22-23に滝本本谷・北谷に行ってきました。1年ぶりの滝本です。前回も菊花賞の週だったのでキッカリ1年です。CLが楽をしたいがために去年と同じになりました。人は楽な方に流れるものです。いいえ、お前だけです。
10/22 晴
10/21 2200 BOX集合
22時BOX集合、のはずがCLは車の鍵を忘れて取りに自宅へとんぼ返り。さらに残り2人の免許証もCLは自宅に忘れていたので、パッキングをしてから車で取りに寄り道する。隙を生じぬ二段構え。禁断の二度打ち。
道中ラムーでショッピングを楽しみ、長駆南紀へ。県道44号は悪路とは聞いていたものの、去年下村さんが余裕そうに運転していたのでCLは舐めていたが、実際悪路であった。幅3 mに満たない空間、岩壁と底なしの暗闇に挟まれ、視界は前照灯の照らすわずかな範囲のみ。緊張で喉が渇く。限界が来たので路肩に寄せて明るくなるまで仮眠をとった。0600頃、明るくなってきたので運転再開。
0630 入山地点着
やっとの思いで駐車地へ。CLにとってはここが一番の核心だった。
しかしこんな険道の先にも人が住んでいるのである。何が彼らをここに住まわせるのだろうか。先祖代々の土地を持たない自分には理解できなかった。だがこれは程度の問題で、都会の人間はより田舎の人間に対し多かれ少なかれこう思っているのかもしれない。
セーブ・ポイント
0657 入山
0706 入渓
荘厳に懸かる宝竜滝を眼前に眺めつつ入渓。
0710 宝竜一ノ滝下
0714-0830 宝竜一ノ滝ランビレ1ピッチ目
笛のシステムを確認しランビレ。少なくとも低い位置にはホールド・スタンスともに豊富で安全そうだったが、ランビレ練習であるから支点を取る。支点工作ではなくアリバイ工作といったところ。
0835-1036 ランビレ2ピッチ目
ここで重大な問題が発生する。
topで登ったT田から1時間以上経っても笛が来ない。まだかまだかと笛が聞こえるのを待つ。余りにも遠すぎて聞こえないのだろうか。残りのザイルもほとんど無い。こうなると笛のような音が頭の中で聞こえるようになってしまう。笛のような音を聞いたと思ったCLはビレイしているKMTにATCをつけたまま笛を吹かせ、それでザイルが長く引かれたらオートロックを作っていると判断しようと考えた。KMTが笛を吹くと、果たしてザイルが長く引かれた。その後上から今度は間違いなく笛が聞こえた。CLはこれでオートロックが完了した、と考え、中間として笛を吹き、プルージックで登り始めた。しかし登っている最中に上から笛が鳴ったのである。やらかしたか、と思いながらT田のところまで登り、そこで初めて事の全容を知った。起こっていたことは以下の通りである。
CLが笛の音を聞く→実際にはT田は笛を吹いておらず登っている途中
KMTがATCを付けたまま笛を吹き、ザイルが引かれる→T田は登るためにザイルを引いた
上から確かに笛が聞く、オートロック完了と判断→T田がセルフを取ったことによる笛
CLが中間として笛を吹く→T田はKMTのATC解除と考えた
CLが登っている途中の笛→オートロック完了の笛
つまりT田が登っている最中にATCによるビレイが緩められ、CLはセルフしかとっていないT田から出ているザイルにプルージックをして登っていたことになる。更にT田はザイルの長さが足りなかったため、上でインクではなく、スリングでセルフを取っていた。幸運にも誰もフォールしなかったため事故には至らなかったが、事故と紙一重の危険なランビレであった。反省し、再発防止策を講じる必要がある。
ところで2ピッチ終了地点からは支流の滝が見えた。とてもデカい。宝竜滝よりデカいんじゃないかというぐらい。
遠くに支流の滝が見える 目を凝らせ
宝竜二ノ滝
1105 宝竜二ノ滝巻き終わり
明瞭な巻き道あり。高度感はある。
1105-15 レスト
1133 8 m斜滝
水線左側を登る。
1145 5 m斜滝・コッペ滝6 m斜・取水堰
左岸からまとめて巻く。5 m斜の滝壺にはイワナかなにか分からないが大きい魚がいた。関西起点は、8 m斜から6 m斜をまとめてコッペ滝と呼ぶとしている。T田は高く巻きすぎていたように思う。なるべく低く巻くこと。
8 m斜
5 m斜
1205 巻き終わり・取水堰RF
KMTはどこだか分かっていなかった。取水口が分からなかったらしい。導水路は明らかにルンゼとは通る地形が違うので注意。
1214 藤綱の要害
平維盛が隠れ住んだと言うが本当だろうか。
1218 奥コッペ滝
右岸を小さく巻く。上はナメ。
1234 イオノ谷出合
FUJITSU NANO YOU GUY
奥コッペ滝
1300-15 燈明滝下・レスト
燈明滝は丸い岩が重なったような形をしており、まるで4色パンのよう。青い空と緑の森に白い飛沫と黒い岩が映える。幻の4人目のパーティメンバーが集合写真を撮ってくれた。
1315-1342 燈明滝左岸巻き
左岸のルンゼを上がり、適当なところで左の尾根に乗って巻く。赤テを追いかけて高く上がりすぎてしまったので、適当なところをクライムダウンすると、落ち口付近に下りることができた。
-1358 白滝巻き終わり
右岸巻き。燈明滝と似たような恰好をしている。
1410 嫌な岩
昨年この岩を越えるために死闘が繰り広げられたが、今年はあっさり乗り越えられて拍子抜け。
1426-1436 ナメラゴの滝
手前の岩間7 mから右岸巻き。ズルズルして悪いが、口の深谷よりはマシ。
白滝
テクニカル岩
ナメラゴの滝
1436 長いナメ
ナメラゴの滝を巻き終わるとそこは南紀の長いナメ。ナメラゴの滝とは即ちナメラ後の滝ということか。長いナメとは言ったものの、川床を構成する岩はところどころで切れて深くなり、砂の上に岩が転がっているだけの部分もあり、ナメではないようにも思える。どうなんだ。
1451 CS可通過
ナメ水浴を行う。ナメ水浴は絶対に流行らせろ。
ナメ(?)
殉教者
1515 ボタバ谷導水路・遡行終了・CS1
CS1のボタバ谷導水路が滝本本谷に注ぐ地点に到着しここで遡行終了。明日のルートを確かめるために偵察に向かう。無事正しいと思われるルートを発見したためCSに戻る。コルを階段に沿って降ると右の尾根に沿って道があった。
T田が天気図を書き、KMTとCLはテントを設営。テントには正露丸のような臭いが充満しており、嫌な気持ちになった。
焚火をしながら夕食の豚汁ご飯と、焼き芋などの秘密兵器を楽しんだ。食当のT田は液みそをボトルごと持ってきていた。これを見た下村さんやH本さんが何と言うかは想像に難くない。
1900頃 就寝
相変わらずよく眠れないCL。2時ごろにならないと眠れない。生活習慣が終わっている。
??「?????~?」
大殿篭る
10/23 晴
0430 起床
起床とは目を覚ますという意味で動き出すという意味ではないらしい。
0615 出発
はーどっこいしょ。昨日偵察した巡視路を進む。
0638 滝本北谷・下降開始
巡視路を進むと沢に下りることができたが、巡視路と導水路はまだ続いていたのでそちらを辿る。すると取水堰にたどり着いたのでそこから入渓。地形図では導水路はまっすぐ北谷から出ているが、実際には上流側に進んだところから取水している。
0700-0810 比丘尼滝 懸垂下降
クライムダウンも可能なように見えたが、よく分からんのでとりあえず左岸から懸垂。topが引き抜けなかった場合は笛を3回吹くと決めて懸垂。下からは3回笛が鳴った。上で少しザイルを動かすとすぐに解決した。実際に懸垂してみたところ、クライムダウンは無理そうでした。いかがでしたか?
0816 去年の下降開始地点のルンゼ
0835 デカい河原
下降開始地点からここらへんまではCS可が多い。
0903 ウォータースライダー
0923 亀壺の滝
右岸巻き。ご丁寧に鎖まであった。
0930 屛風滝
左岸巻き。左岸の岩壁の裏から回り込んで巻く。
壺
屏風
-1000 ケヤキ原滝巻き終わり
左岸巻き。赤テあり。
1000-10 レスト
魚に餌をやって遊ぶ。
1025 水線でRF
2人組の遡行者と出会う。
1027 謎の遺跡
水路関係の跡っぽいがよく分からない石かレンガ積みの遺跡。藤綱の要害より気になる。どうにも近代の遺跡は軽視されているように思う。たった数十年前とはいえ、由来の分からないものなどたくさんある。
1030 溜湾殿滝2段15 m
遺跡のすぐ下。下段はウォータースライダー。高さがあるのでスピードが出て楽しい。
1055-1140 部屋滝 懸垂下降
右岸テラスから懸垂。懸垂中に部屋滝見物をしようと考えていたが完全に忘れていた。淵に着水した。
1149 越前谷出合
RF。出合のすぐ上流に猿手滝15 mが懸かり美しい。
部屋滝
猿手滝
1220-1228 筆藪滝
右岸巻き。赤テあり。マイタケを見ながら巻いた。筆藪滝はドデカい淵を持っている。泳いだら気持ちよさそう。
1230-40 ワンゲル水泳大会
伝統の第1回ワンゲル水泳大会を開催。HM・T田・KMTの3選手が自由形・平泳ぎといった種目を実施。各選手の懸命の泳ぎに、全国から駆け付けた8万大観衆からは大地も割れんばかりの大歓声が上がる。会場の熱気は10月の滝本北谷をたちまち8月へと引き戻し、惜しまれながらも大会は閉幕した。
1245 林道に上がる
先ほどの大歓声により林道は崩壊していた。
1300 下山
もと来た険道44号を戻る。暗かった往路よりはマシだった。その後は渡瀬温泉で身体の外側から、台湾料理屋で内側からムキムキになり、22時ごろにBOXに帰投。解散。
ランビレ問題点解決策
ザイルが無くなったときの笛を決めること
topの動きが長時間ないときの笛を決めること
笛は大体はっきり聞こえるということ
現行のランビレのシステムは問題が起こることを想定していないのでは
同時に懸垂下降時の引き抜けない場合等の笛も定める必要があると考える。
役員会で話し合う必要がある。
2ピッチ目のランビレ以外は、天気にも恵まれ、特に問題なく快適な山行でした。今週も天気が良ければpart3の立間戸谷に行きます。金毘羅から4連闘となりますが早く終わるに越したことはありません。根性。