20220702-03
木曽駒ヶ岳
メンバー:中M(CL),藤M(SL),H田,I坂(食当),M末,T巣(装備),T形さん(客人)
写真:Amazon Photos
7/02(土)〜7/03(日)にかけて中央アルプスの木曽駒ヶ岳に行ってきました。山の怖さ、楽しさ、辛さをまざまざと思い知らされた山行の様子を記したいと思います。
行程
[Day1]
22:00 ルネ(集合)
2:30 菅の台バスセンター
8:04 北御所登山口(入山)
8:58 蛇腹沢登山口
10:13 うどんや峠
12:07 七合目
13:24 伊那前岳
14:00 宝剣山荘着
15:30 宝剣山荘発
15:50 駒ヶ岳頂上山荘(CS1)
[Day2]
3:00 起床
3:53 駒ヶ岳頂上山荘発
4:01 木曽駒ヶ岳
4:17 駒ヶ岳頂上山荘着
4:50 宝剣山荘
5:18 宝剣岳
6:09 島田娘
8:01 桧尾岳
10:45 赤沢の頭
12:13 桧尾登山口 (下山)
[Day1] 北御所登山口(入山)〜駒ヶ岳頂上山荘(CS1)
22:00 ルネ集合
21:00ごろにルネに行くと20:00集合のはずの沢メンがいた。沢メンの見送りをした後、BOXの扉の前で一人鍵が閉められずに慌てていたT祭さんを助け、共同装備の確認を行った。この週末は3つのパーティーが山行に行く予定だったので装備に関しては不安しかなかったのだが、なんとか耐えたようだった。22:10ごろには全員が集合し出発することができた。いかちいアルファードをレンタルしたので車内は快適だったが運転に不慣れなC Lにとっては大きな負担。道中、一宮ICのディズニーランド(大人の)に大盛り上がり。駒ヶ根に着くと24時間営業のスーパに寄った。藤Mは店内に携帯を忘れるし、H田は買い忘れで3回も買い直しをするし、T形さんは絶対に食べきれない量の行動食を買うし散々だった。
2:30 菅の台バスセンター
駐車場に着き、軽く仮眠をとった。車の横には暗闇の中赤いヘッドランプですき家の牛丼を食べる不審者がいた。車内は暑いし、扉を開けると虫が入るし、明るいしほとんど寝られなかった。辛すぎんでしょ。
不審者
菅の台バスセンター
この日のバスの始発は7:15分だったのだが5時ごろにバス停の方に行ってみるとすでに列ができていた。すぐさまみんなを起こし準備を済ませ列に並んだ。チケットは6:45からしか買えないので1時間以上立って待たされた。結局自分たちの後ろには100人以上が並んでいたので、もし並び損ねていたら入山が一時間くらい遅れていたかもしれない。ん〜、我ながらファインプレー。T形さんいわくザックの重さはなぜかCLが一番重かったらしい。テントのポールや食当のお肉を入れてたからかな。二日目はコッヘルも入ってたしCLの役職ってなんだったんだろう。CL/医療/記録/装補/食補?
8:04 北御所登山口(入山)
この日は雷の予報もあったのでペース早めに歩き始めた。最初からペースを上げたので多少H田が苦しそうだったがなんとか頑張ってもらった。この甲斐あってか、蛇腹沢登山口にはコースタイムから15分巻きの8:58分についた。ここからの道はただただ登るだけで一つも楽しくなかった。暑い、辛い、面白くないの三重苦。
9:17〜9:21 レスト
10:13 〜10:28うどんや峠
うどんや峠に着くとようやく稜線上に出て視界が開けた。入山からここまで大したレストは取っていなかったので長めにレストを取ることにした。流石にうどん屋さんは無かったみたい。
出発して間もなくガスってきた。せっかく稜線に出たのに景色を消され不快だった。ここからもひたすらに登り続けた。ここまで一回生のバテた様子はなく、バテているとすればH田ぐらいだった。H田にはそろそろ頑張って欲しいな(天気図含め)。ガスのおかげで太陽も遮られ、ひんやりとしていて歩きやすかった。
11:11〜11:19 レスト
段々とガスも取れてきて視界が晴れるようになった。小屋場に着いたが先を急ぎたかったので特に止まることもなく先に進んだ。小屋場自体は平らな地面が開けていてレストを取るにはいい場所だったと思う。七合目手前でH田が足をつってしまった。脚裏をしっかりとストレッチさせ、様子を見た。藤Mにレストが取れそうな場所で止まってもらいそこでレストを取ることにした。そこまでは僕とT形さんでH田のザックを運んだ。
12:03 〜12:13 七合目
ここまでですでに標高を1200mほど上げていたので長く休ませてあげたかったがそれはできなかった。もくもく。もくもく。あいつが遠くに迫ってきていた。
ダブルザック
フレッシュな一回生
もくもく
H田に足の具合を聞くと大丈夫そうだったのですぐに出発した。七合目を後にしてすぐ今度はM末がばててきた。休ませてあげたい気持ちもあったが急がざるを得ない状況だったので少しのレストでなんとかこらえてもらった。優しくしたいけど厳しくせざるを得ない親の気持ちってこんな感じなのかな。七合目、八合目と進むにつれあいつが近づいてきていてどっちが山頂に先に着くかのデットヒート。
13:24〜13:31 伊那前岳
なんとか頑張ってもらい伊那前岳に着いた。ここまでで休憩こみでコースタイムを30分巻いていたのでよく頑張っていたと思う。稜線の両側からガスが迫ってきて景色は特になかった。
そしてここでついにあいつに追いつかれた。一つ雷鳴が聞こえたのだ。震え上がり心臓がバクバクになった。怖い。怖い。怖すぎる。急いでメンバーを出発させようとするが、一回生の動きが鈍かった。あとで聞いてみたところ、やばいのはわかっていたが疲れていて動き出しにくかったようだった。なにはともあれダッシュで宝剣山荘の方向へと向かった。道中、反対方向に進んだり、悠長にゆっくりと写真を取っている人たちを見かけた。無知ほど恐ろしいものはないな。ダッシュの最中も怖すぎて気が気でなかった。千畳敷との分岐の広いところに出た途端雨が降り始め、急いでセパをきた。その最中、ピカ、ドッカ〜ンというけたたましい雷鳴がなった。光ってから一瞬の雷鳴で、地響きがした。あっ、終わったと思った。恐ろしすぎて一目散に山荘に向かった。ここまで生死を実感したの初めてだった。後ろはいいから前の奴らを山荘まで連れてってとT形さんが言ってくれたから先頭をダッシュで山荘まで連れて行ったものの、後になって考えるとCLである僕がみんなの後ろにいるべきであり、自分の命のことしか考えていなかったことを思うとC Lとしてふさわしくない行動だったと思う。あとでT形さんにどうしてそんなに冷静だったのか聞いてみると、半ば諦めた境地にいたらしい。今回の山行にT形さんがいてくれて本当に良かったと思った。ありがとうございます。
まだ恐怖を知らないH田
恐怖を知り逃げるH田
怖すぎる…
山荘内は逃げ込んできた人でいっぱいになっており、小さい女の子も泣いていてみんな不安そうだった。雨や雹が激しく降り、雷がずっと鳴り響いていた。とりあえず1時間半後の15:30まで様子を見ることにし山荘内にとどまった。みんな疲れていた上に伊那前岳から恐怖で力以上に足を走らせたので相当疲れている様子だった。ほとんどの人が落ちたように寝ており、T巣は立ちあがろうとした拍子に足をつってしまっていた。そんな中でも一人I坂だけが落ち着かない様子でいた。どうやら分岐のあたりから逃げ込んでくる拍子に携帯を落としてきてしまったらしい。でもこんな荒天の中取りに行くこともできないのでしばらく待つしかなかった。
15:10ごろ
雷鳴はまだ右の方でなっているが外の様子が穏やかになってきた。東の方から晴れ始め、綺麗な景色が広がっていた。山荘の人が登山者に向けて今のうちにロープウェイ駅に向かうよう促したため、一気に人が外に出始め、山荘内に人がほとんどいなくなった。このタイミングでT形さんがI坂とともに携帯を探しに行ったが見つからなかった。誰かがロープウェイ駅に届けてくれたことに期待して、下山後に連絡してみることに。
僕たちもこの隙に駒ヶ岳頂上山荘へと走った。雨は止み、自分たちの上は晴れてきてはいるものの後ろの方では雷が鳴り続けており恐怖しかなかった。ここでもみんな持っている力以上の力が出ていた。幸いにも東奥にいた不穏な入道雲はさらに東奥へと離れている様子。流石に駒ヶ岳ピストンは二日目にまわすことになった。
晴れてきた東側
不穏な西側
また不穏な東側奥
15:50 駒ヶ岳頂上山荘
頂上山荘ではテントをすでに立てている人も大勢いたが、いまだに雷が鳴り止まないことや、雨がポツポツ降り始めていることを考え、素泊まりを利用することにした。やっぱり素泊まり一泊一万円ってどうかしてる。すごく痛い出費だった。特に一回生が悲しい顔をしていてお金を徴収するのが心苦しかった。部屋は上回生は四人部屋に入り、一回生は僕たちと同様に急遽素泊まりを利用する夫婦との相部屋だった。
16時過ぎ
時間的にもすぐにご飯の準備に取り掛か狩ることにした。この日の夕飯は台湾ラーメン。いつも以上にトッピングも多く、おいしかった。でも流石に量が多すぎた。7人でラーメン10袋に粉末ポテト4袋ってなんだ。ひき肉や卵がついてるんだし、カロリー的にもおかしいでしょ。ラーメン一袋(350kcal)と卵一つ(150kcal)のカロリーを合わせれば米一合のカロリー(530kcal)とほぼ一緒なわけで残りのラーメン3袋と粉末ポテト4袋が余計すぎた。この過剰分は全て役員会で量が少ないとか言われて足した分。見かけで少ないとか言わずカロリー考えてって言いたい。案の定ラーメン3袋と粉末ポテト4袋が残った。ラーメン3袋はT巣とH田と藤Mがイヤイヤ処理したが、粉末ポテトは全て持ち帰ることになった。
明日は3時起床、4時出発に決め解散した。部屋に帰るとすぐに布団を敷き、僕は爆速で寝たので部屋でのことはほとんど記憶がない。
お金が消えて悲しい顔のH田とI坂
台湾ラーメン
3:00 起床
起きて外に出るとすでに一回生3人が朝食の準備をしていた。空は雲に覆われており、天気予報通りの空模様だった。朝食はいつも通りの食パンと粉末スープ。なかなか喉を通らず苦しそうだったがハラミじゃない本物のソーセージにT形さんは嬉しそうな様子。テントの撤収もないので一時間もたたないうちに出発できた。
3:55 出発
念の為ヘルメットを装着し、荷物は山荘の外に置いておき頂上を目指した。
4:03〜4:12 木曽駒ヶ岳
頂上に着いて集合写真を撮った。太陽がもうすぐで顔を出しそうであたりが明るくなりかけていた。もう少し山頂でゆっくりとしていたかったのだがポツポツと雨が降り始めてきたので急いで山荘へと引き返した。ついてないね。引き返す途中で雨がだいぶ強くなったのでVariation下山は厳しそうだった。でもVarirtion下山こそ今回の楽しみだったのでとりあえず宝剣山荘まで行き、そこでどうするか判断することにした。
4:17〜4:30 駒ヶ岳頂上山荘
途中の中岳の上りがやけにきつかった。昨日は雷から逃げるのに必死で特に感じなかったが実はきつかったらしい。登っていると太陽が地平線上から顔を出し始め、頂上についたと同時に綺麗な景色が広がっていて感動的だった。
4:50〜5:02 宝剣山荘
宝剣山荘に向かう途中で雨も止み天気もしばらくは持ちそうだったのでVariation下山することにした。ついているのやらいないのやら。山の天気は変わりやすいのって本当だったんだ。雨で宝剣岳の岩場が濡れている可能性はあったが、雨で滑りそうな岩ではなかったし実際に歩いてみても少しも滑ることはなかった。念の為、オーダーは上階生と一回生を交互に挟んだ藤M→I坂→T形さん→T巣→H田→M末→中Mで出発した。宝剣山荘から宝剣岳までの道は鎖場が続き楽しかった。鎖場では前の人がその鎖を離すまで鎖を握らないことや梯子で人の下に入らないことなど学んだことは多かったはず。いい練習になったんじゃないかな。一回生の岩場の登り方の様子に特に不安な点はなく概ねいい感じ。少し気になったことといえばH田がお尻をついて降りようとするところ。本人曰く、まだ岩場に怖さがあるらしい。これからどんどん慣れていこう。また岩登りPWでも計画してみようかな。合宿前に実施できるといいかもね。
5:18〜5:27 宝剣岳
ここから先は難易度が高いとされる宝剣岳南陵。実際に歩いてみると怖いところなんて一つもなく、むしろ楽しいところしかなかった。CL的にはもう少し難易度の高いところを想像していたのでちょっとがっかり。ある程度進んで岩場が終わったところで小雨が降ってきたがそれ以上強くなることはなかった。
イェーイ!!
トンネル
これすごいよね。
5:57 極楽平
小雨が降ってきていたのでここでレストを取り、セパをきた。
6:09 島田娘
小雨に加えてある程度強い風が西側から吹き付けてきた。風自体は15分程度でおさまってくれたが天気が荒れると嫌なのでSLにスピードを上げて歩いてもらうことにした。縦走路自体はこれぞって感じの気持ちのいい縦走路だった。右を見れば飛騨山脈、左には南アルプス、遠くに富士山も見えていた。
6:47 〜6:53濁沢大峰
ここまでアップダウンもあったのでレストをどこで取ろうか考えていた。この先の檜尾岳かここかの二択で聞いてみたところ、T形さんが檜尾岳でポテチを食べることが生まれてからの夢だというので軽いレストにとどめて檜尾岳を目指した。初日からの疲れもあってかM末が遅れ始めていた。偽の山頂に何度も騙されつつもようやく檜尾岳についた。
8:01〜8:20 檜尾岳
山頂は寒かった。3時起床ということもあり、そろそろエネルギー切れが起こるタイミングだったのでしっかりとエネルギーを補給するよう指示をした。バテてきていたM末は固体が喉を通らないというので僕とT形さんが持っていたウィダーをあげた。T形さんは念願のポテチを食べ、I坂はカラムーチョを食べていた。山頂ではパンパンに膨らんで邪魔でしかないのによく持ってきたよね。汗が冷えて寒いので山頂を旅立った。
the・絶景
みんなのお墨付き
絵本の世界
ここから下山までの道がとてつもなく長かった。雨が本格的に降り始め、辛い、辛い。M末に加えH田も足に力が入っていなかった。濡れた木に足を取られ何度かヒヤッとした場面を見た。20時にレンタカーを返却するようにしていたので何とか間に合うよう急ぎたいがM末の足がなかなか動かず途中何度も足が止まるようになってしまった。
9:27 シャクナゲピーク
流石にM末の足が限界を超えており、このままだと下山にあと4・5時間かかりそうだったのでこM末の荷物を分配することにした。ザックの雨蓋部分は藤Mが持ち、シュラフをT形さんが、非常食とコッヘルを僕が持った。H田は大丈夫そうになっていた。
10:10頃
再び歩き始めたがM末は依然として辛そうだったのでここで奥の手を使うことにした。どこでこの奥の手を使おうか迷っていたがもうここしかないと思った。とにかく早く下山して温泉に入りたかった。M末のザックも僕が持つことにした。結局ここから2時間僕はダブルザックだった。
歩いても歩いても赤沢の頭につかず、2回も赤沢の頭まであと1kmの看板を見て発狂しそうだった。
10:45〜10:52 赤沢の頭
やっと赤沢の頭に着いた。しっかりとレストをとって休ませた後、再び出発した。ここでみんなにこのままだと温泉に入れなくなっちゃうよと伝えたことが功を奏したのかスピードが上がった。
12:13 桧尾登山口
雨も強くなり辛い状況だったが、終わってみれば赤沢の頭から桧尾登山口までかかった時間は1:20でコースタイムを20分も巻いていた。温泉があれば人間は限界を超えて歩けるらしい。二時間前は余裕があったのだが、流石に僕の足もガクガクだった。
バス停まで少し歩いて千畳敷のロープウェイ駅に携帯の落とし物が届いていないか電話してみると、I坂の携帯はホテル千畳敷に届いていたようだった。着払いで自宅まで送ってもらうことに。やっとI坂の顔に明るさが戻り元気になっていた。月曜日には返ってきたみたい。よかったね。これにてパート2が万事終わった。
下山後はこまくさの湯でゆっくりとした。雨の中だったが、この日はトレランの大会が行われていたので若い人が多かった。その後、駒ヶ根名物のソースカツ丼を食べて急いで帰った。
19時過ぎにはルネに着くことができ車も無事に20時までに返すことができた。
コメント
自分を含め、山の怖さを身をもって体験したと思います。結果何もなかったからいいんじゃないとは言わないけれど、いい経験になったはずです。この経験がこれからの天候判断、空の様子をもとにした行動の取り方に生かされることを期待しています。また、アップダウン1500m以上の厳しい二日間の工程とともに、宝剣岳の岩場を経験でき一段とパーティーとして強くなったと思います。特に岩場を怖がる様子もなかったので問題なくPart3に挑めると思います。
藤M:ペース配分は特に問題ないと思います。レストの後、出発と言ったら早くザックを背負ってください。
H田:もう少し体力をつけましょう。岩場の経験ももっと積んでいきましょう。天気図を早く描いてください。
I坂:携帯があってよかったね。もうなくしたらダメだよ。
T巣:楽しそうで何よりです。
M末:Part1よりは体力がついていたと思います。でもまだまだです。頑張りましょう。
T形さん:今回の山行はT形さん無しには成功しなかったと思います。ありがとうございました。Part3にも合宿にも来るんだし、もうパーティーメンバーになってください。