個人山行
白山 千蛇ヶ池

2021/06/17(日帰り)

メンバー:田形

写真:Amazon Photos

※この山行は京都大学ワンダーフォーゲル部の公式活動ではなく、あくまで個人的な山行の記録です。後世の活動に活かしてもらうためという名目で記載します。

前置き

どうも4回生の田形です。また田形です。何回登場すんねん。今回もブログ賑やかし要員として今年度の山行記録を放出しようと思います。まあ、今後の参考までにも。あ、卒業はできそうです。

時は6月まで遡る。順当な4回生として大学院入試を目前に控えていた私は毎日研究と院試勉強とワンゲルとの間で板挟みとなっていた。大文字すら噴火せんばかりのフラストレーションを抱え込んだ私に残された道は一つ、山への逃避行である。かくして、水曜の役員会が終わったその直後、いつもの如く青いウィッシュに乗り込み湖西道路を爆走して残雪残る憂愁の白山へと向かったのであった。

道中ラムーにでも寄ろうと思っていたがナビで向かった先にあったのは消灯された看板のみ。24時間営業でないラ・ムーに一体何の価値があろうか。仕方がないのでわけわからんスーパーに寄った。一人で運転していると時々現実に引っ張られる気持ちがしたので、Googleマップとカーナビを同時に起動して彼らの会話を楽しんでいた。

2:26別当出合着。

6月は別当出合までのマイカー規制が解除されており公共交通機関を使わなくても行くことができる。これも理由の一つとして白山を選んだわけである。あとは山頂の雪の中浮かぶ青い池とやらがきれいらしいので見てみたかったというのもある。入山口までは雪も特になく、擦り切れたノーマルタイヤでも問題なく走ることが出来た。

しばらく寝るつもりだったのだが、車中泊はあまり得意ではないので全く寝付くことが出来ず。しゃあないのでちょっと早めに登ることにした。3:30朝ごはん。

3:44リヒトをつけて入山。出発しようと準備をしていると他の人達も徐々に起き出したようで物音がした。雨か雪かは知らないが地面はグチョグチョ。あたりは真っ暗。写真にも映らない。コロナ的に体力の衰えを感じるこの頃、登り始めてからすぐに脇腹が痛くなった。つらい。砂防新道の入山口には長い吊橋があり緒方PT完成編でみんなでバスを追いかけて走ったなあと、とても懐かしい気持ちに鳴った。今更だけどあの山行は絶対に承認してはいけなかったと思う。ゆるゆる安全対策め。

4:04服脱ぎレスト。今回は珍しく一眼レフも持ってきていたが何も映らんのでしまった。

4:20中飯場。ようやく日が昇り始めた。やっぱり体力の衰えを感じるなあといった感想。周りに誰もいなかったので奇声を上げるなどして自分を鼓舞しながら登った。

この日は非常に天気がよく、朝焼けと雲がとてもきれいだった。このへんでリヒトをはずす。

20分ぐらいしたら完全に明るくなりスマホのカメラでも写真が映るようになったので意味もなくたくさん撮っておいた。ついでにグッモーニン!と外人ばりの陽気さで太陽に向かって叫んだりした。疲れていたんだよ。それにしても一人で山に登っていると考えなくてもいいことまで考えてしまうようで、なんだか将来について不安になり変な動機がドキドキしていた。コロナで体力が衰えたせいかもしれない。

禍々しい

きれい

標高1900頃から徐々に雪がでてきた。もちろんアイゼンを持ってきていたのだが、だいぶまばらだったのとグリップが普通にきいていたのとでそのまま進んだ。

5:22もう少し登ると道が完全に白くなった。なんも考えず上へ上へウェイウェイと進んでいたら道がなくなった。おかしいなと思いちょっと戻ると普通に道があった。一人登山はこういうところが怖いね。向上心が高すぎるのかもしれない。

5:30甚之助避難小屋。軽くレストを取る。別山がよく見えた(なお、別山も11月に行っていたので気が向けば近日公開予定)。

6:00水場があったが、ここは微妙に飲めない量の水だった。もうちょい進んだところに水量豊富な場所があったのでたくさんのんだ。こころなしか水素の音もした。

6:21延命水。大仰な名前までついているくせに一ミリも水がなかった。死ねってことかな?日差しがだいぶ強くなってきたので日焼け止めを塗りたくって帽子もかぶった。もうあんな思いしたくない。全然関係ないけど昔帽子をかぶった時みんなに「ミリオタみたい」と笑われたことを思い出した。全員いつか殺してやる。

振り返ってみればこれまで登ってきた階段達がずらずらと見え、マチュピチュってこんな感じかなと思った。日本のマチュピチュ3選に入るかも。暫く歩くと、弥陀ヶ原とかいう一面の雪原が出てきてテンションが上った。が、サングラスを持っていないので目が焼けるようだった。というか雪原を抜けて日陰に入ったら面前すべてが赤色になって大変だった。

眼球破壊タイム

7:00室堂着。日帰り装備のくせに足ガックガクになってしまった。寝不足のせいもあるかもしれない。長めにレストをとった。

ここからは御前峰をトラバースして池を見にエルヴァンディアゴーしようと思っていたのだが雪のせいか普通に道を間違えたので流れるままに山頂へ直登することに。前回来たときも標高と勾配の割に死ぬほど辛かった記憶があったが、案の定今回も死ぬほど辛かった。なんなんすかね。この山のコースタイムは絶対に嘘をついていると思う。

7:45御前峰着。YAMAPのCT30分は絶対ウソだと思う。トレランでもやっとんのかカス。

山頂では昼ごはんを食べながらのんびり写真を取った。

山頂には先客がおりこんにちはした。「これから大汝山に向かわれるんですか?」と聞かれ、何も考えてなかったけど「はいそうです」と答えてしまったので全く気乗りしないけど向かうことになった。

8:34千蛇ヶ池分岐。今回の山行の目的である青い池がある場所。青かった。飲んでみ用かなと思ったけど小松じゃないので流石にやめておいた。あと近づくと青さはどこへやらただの水たまりなのでやっぱりこういうのは遠目に見るのが良いのだろうなと思う。山と池と美人は遠目から見よとはよく言ったものだ。どうもフェミニストです。

大汝には山頂で言ってしまった以上登ろうとは思っていたのだが、目的を達成してやる気が無くなったのと疲れ切っていたのと12時までに下山しないと午後の授業(オンライン)が受けれなくなりそうだったのでやめておいた。山頂の人が先に登っているのを分岐から眺めてごめんなさいした。

なんかもう

いろいろすごい

あとは特筆することもなくずんずん降りる。雪がある中の下山はスルスルと降りれるので非常に楽でいい。そのままダストシュートは堪忍。消化試合的虚無感と戦っていた。おそらく5時頃から登り始めたであろう方々とたくさんすれ違う。道中の雪に苦戦しているようであった。乙。

9:54甚之助避難小屋に舞い戻る。10分ほどレスとして歯医者にキャンセルの連絡を入れる。

中飯場からはめちゃくちゃ長く感じてとても嫌だった。ずっと文句を言いながら歩いていた。

11:07下山。朝は全く見えなかった吊橋の全貌が初めて見えた。もうバスを追いかけてあれを走ることもないのかなあと非常にセンチメンタリズム。

下山後は前回行った白山温泉がコロナで受付していなかったので、書かれていたとおりに白峰温泉総湯へ向かう。良い温泉だったと思う。まちなみが古き良き日本といった感じで時間がある時に観光するのも面白いかも。まあ疲れ切っていたのですぐ帰ったけど。

駆け抜けた青春の橋

総統

というわけで、日帰りとはいえどもなかなかに苦しい登山でした。苦しいのが登山だと思い出すにはいい山行であると思います。てかあんなとこで日帰りなんかするもんじゃない。ワンゲル的には、アイゼンとグラサンさえ持っていれば割と余裕な山ではあるので6月にアイゼン講習がしたくなったらここでやるのもいいかも?

以上。

追伸:もうすぐ代替わりの時期が近づいていますね。早く引退したいとは言ってきたけど引退が近づくとなんだか腹が立つ気持ちがします。とはいえ老害になるのは後輩たちがあまりにもかわいそうなので、目下新しい寄生先を模索中です。みんなもBalletに入ろう!