縦走山域紹介

四国

四国は近畿から割と近く、手頃な縦走のできる山もいくつかあるため、我々は古くから登ってきた記録を持っています。四国の山並みは大きく分けて四国山地と讃岐山脈の2つ、四国山地の中にも石鎚山系・剣山系・赤石山系などがあります。それぞれ異なる特徴を持っており楽しい山が多いです。京大ワンゲルでよく行くのは石鎚山系と剣山系で、新歓PWや後期の予備合宿の舞台によく選ばれます。また、四国の沢登りも実は結構できるらしいです。

四国の山行記録(縦走・2016~2019)

主な山・見どころ

<石鎚山系>

石鎚山(天狗岳、1982m)

 西日本最高峰で百名山。昔から修行の山で、道中大きな鎖が何本も出てくる。すべて迂回可能である。一番ヤバいのは一番下の試鎖らしい。お試しでこれが行ければあとは大丈夫という意味での試鎖だが、入口で問題があってどうしようもなくなっては元も子もないのではとか思ってしまう。二ノ鎖・三ノ鎖の鎖が立派すぎて少々掴みづらいと思ったのは私だけだろうか。

 鎖の話だけで終わってしまうところだった。山頂部は複数のピークからなっている。弥山が一番整備された山頂で、頂上山荘と石鎚神社がある。ここから少し東に最高峰の天狗岳がある。天狗岳山頂は結構狭い。天狗岳より東にも尾根は続いているが、現在は南尖峰より先は通行止めということになっていたと思う。危ないので初心者を連れて入るのはやめておいた方が良い。

面河渓

 石鎚山の南に広がる渓谷。遡行対象で、当部で言えば予備合宿くらいのレベルだった気がする。上流に御来光の滝という滝があり、日本の滝100選に選ばれている。縦走メンも愛大石鎚小屋の辺りからアクセスするルートを使えば見に行けると思う。暇な人は行ってみて。

瓶ヶ森(1896.5m)

 石鎚山の東に位置する三百名山。どっしりとした印象。石鎚山と周回コースをとることができる。山頂にテン場があり山頂付近まで車で行けるため人気も高い。稜線沿いを通る車道は通称「UFOライン(雄峰ライン)」と呼ばれ,ドライブなどに良い道となっている。CMにも起用されたことがある。

伊予富士(1756.2m)

 瓶ヶ森のさらに東に位置する三百名山。

<赤石山系>

西赤石山(1625.8m)

 石鎚山系のさらに東に位置する三百名山にも選ばれていない山。しかし、GW頃になるとアケボノツツジが満開を迎えるため多くの登山客がやってくる。コースはよく整備されており初心者でも登りやすいようである。また、ここには別子銅山跡があり遺跡探索もできる。東平(とうなる)は「東洋のマチュピチュ」と呼ばれており、「日本のマチュピチュ」竹田城のさらに上を行っている。さらに遠登志(おとし)を下山口とした場合、マイントピア別子があり温泉もある。その上、四国山地の中でも瀬戸内海沿いにあるためアプローチも比較的しやすい。また、テントを無料で張らせてくれる銅山峰ヒュッテがある。2020春の幻の新歓PWの舞台として選ばれていた。

東赤石山(1706.0m)

 その名の通り西赤石山の東に位置する二百名山。西赤石山以東の赤石山系は岩陵帯であり、難易度が格段に上がる。この岩陵帯には道標も少なく自分で進むべきところを考える必要がある。そのため初心者が行くのは避けた方が良いが、コアなファンが多い山である。また、東赤石山からさらに東にも岩陵帯が伸びているが、そこは四国最難関とも言われている熟達者向けコースとなる。ここから石鎚山までは適度に小屋やテン場がありずっと縦走できる。

<剣山系>

剣山(1955.0m)

 四国に2つある百名山のうちの一つ。徳島県の最高峰。百名山の中でも極めて登りやすい山として知られており、さらにリフトもあるため観光客が多い。頂上付近は笹の保護のため木道が作られている。そのせいでワンゲラーには「山に来た!」という感覚があまりしないかもしれない。

次郎笈(1930.0m)

剣山の隣にある山。山を感じたい人は剣山ピークハントの人であっても次郎笈に行くべし。

三嶺(みうね/さんれい)(1893.6m)

剣山の西にある二百名山。高知県最高峰。最高の展望とミヤマクマザサとコメツツジの群生という貴重な植生を見ることができる中級者向けの山。四国で最も美しい山といえばここ。京大ワンゲルでは剣山系にくる時はもっぱら剣山から三嶺に縦走する。この縦走路はほぼ全行程が笹原となる。

余談だが三嶺の読み方は「さんれい」派と「みうね」派に分かれるが、一説には「さんれい」は高知県側の読み方、「みうね」は徳島県側の読み方らしい。徳島県側の登山道の開拓によって「みうね」という呼び名が全国的に広まったのだろう。