Tablet Manaita

包丁で食材を均等かつ素早く切ることは調理初心者には難しい.本研究では,タブレット端末およ び慣性センサを用いた包丁さばき学習支援システム「タブレットまな板」を提案する.タブレットまな板 では,調理初心者が食材を均等な幅かつ垂直に切ることを目標とした.タブレットまな板の機能として, 食材を切る際のガイド線の表示機能を持つ.また,タッチパネルのタッチ機能を応用して包丁の刃先がタ ブレットに接触した箇所を検出し,切った食材の幅が適切かどうかをリアルタイムに認識しフィードバッ クする機能を実装した.さらに,包丁に慣性センサを取り付け,加速度データから包丁の傾きを推定し, 適切な角度で切れているかどうかをフィードバックする機能を実装した.タブレットまな板のプロトタイ プシステムを実装し,食材を切った場合における食材の幅の認識精度や,傾き検出の認識精度を計測した. プロトタイプシステムは平均 0.5 mm の誤差で食材の幅を推定でき,平均 0.5 ◦ の誤差で包丁の傾きを推定 できることが明らかになった.さらに,包丁さばきの学習支援に関する有用性を検証するためにユーザス タディを実施した.プロトタイプシステムの主要な機能であるリアルタイムフィードバックを利用しない 群を比較対象とした.実験結果より,リアルタイムフィードバックを利用しなかった群よりもリアルタイ ムフィードバックを利用した群の方が食材の幅を指定された幅で切れており,リアルタイムフィードバッ ク機能の有用性が示唆された.