久が原の三等三角点について
久が原の三等三角点について
何度か山に登ったことのある人なら山の頂上や見晴らしのよいピークに三角点を見たことがあると思います。この三角点が、我々が住んでいる久が原にもあるのはご存じでしょうか。それも100年以上も前から。
三角点とは、精密な地図を作るために必要な三角測量の基準点を言い、日本全国で六万箇所以上、一等から四等まで四種類あり重要さや基本的性質から区別されています。
大田区の中にも複数の三角点が存在しています。そのすべてが三等三角点です。以前、貴重な一等三角点が上沼部の宝莱山古墳上にありましたが、昭和六十二年に世田谷区の玉川浄水場敷地内に移転してしまいました。
久が原にある三角点は、西部八幡神社の境内にあり、大田区の中で唯一誰でも見ることができるものです。明治三十五年に設置され、標高は18.95m、明治三十九年発行の地図にもはっきり三角点のマークが記されています。現在ではGPSなどの技術が進歩し、三角測量は殆どおこなうことなくなっています。しかし、久が原の三角点は貴重な歴史的財産といえます。いつまでも大切に残していきたいものです。
【参考:地域情報紙「くがはら」第60号(平成17年4月発行)】