皆さんご存じのように、関西大学では少し前(11/1~11/4)に文化祭がありました。まあ、少し前といいますけれど、これを書いている私にとっては昨日の記憶なので、まだ思い出になるほど風化していません。その日の日記を紡ぐように、これを書いている次第であります。
それはそうとして、我らが文芸部は、伝え聞く限り 今まで文化祭に参加したことがなかったそうです。私は一年生ですので先輩から聞く限りですが、模擬店のような催し物をした記録は残ってないらしいと。
ですが、折角の文化祭です。青春です。青春です。青春です! 大事なことなので、三回も言いました。失敗してもいいので、何か青春の記憶になるようなものをしたい。そう思い立ちまして、この部誌で『僕らはそこに猫を見た』を書いている『伊崎亮』くんと何か出店しないかと話を立ち上げたのでした。
さて、模擬店で出す品目にまず考えたのは『カレーライス』でした。寸胴鍋を購入しまして、市販のカレールーをことこと煮まして、米と一緒に提供する。巷では令和の米騒動とかが話題になっておりますが、文化祭といえばカレーライスがなければいけません。他の団体様は食品ばっかり提供するようですが、飲み物を提供する団体様は少ないようでした。ならば、カレーライス。昔から『カレーは飲み物』という有難い諺がありますので。
しかし、その志は道半ばで途絶えてしまいました。
少し脱線しますが、文化祭で模擬店を出すには、『模擬局』という公式団体から許可を頂かなければなりません。つまり、模擬局が提示しているガイドラインに違反すれば、出店できないのです。
話は戻りまして、『カレーライス』の出店企画書を提出すると、かの模擬局から駄目だと突き返されまして。なんでも、『米』の使用がガイドラインで禁止されているらしいです。なるほど、当時の僕はガイドラインなんて一行も読んでいませんでした。深く読み込んでみると、注意事項と禁止されている食材が幾ばくか。念のため述べておくと、必要な部分をわかりやすく説明しているので、原文のままではありません。
◎注意事項
食品を扱う団体は、提供する直前まで加熱しなければならない。飲料を扱う団体は、調理をしてはならない。なお、コップに分けての販売や、混ぜての販売は可能とする。次に禁止されている食材(提供時)は以下のとおりである。生野菜、生卵、牛乳、生クリーム、生肉、フルーツ、米。
・生野菜
これはわかります。加熱されていない野菜を提供すれば食中毒を起こすかもしれませんからね。
・生卵
日本の卵は安全とは言いますが、それでも殻にはサルモネラなんたら菌が付着しています。食中毒の危険性を起こすかもしれませんから。
・牛乳
これもまだ。食中毒を※以下略
・生クリーム
食中毒※以下略。
・生肉
食※略。
・フルーツ
ここからよくわかりませんね。生野菜と同じ理由でしょうか。加熱すればいいのでしょうか。トマトとかは野菜枠なのかフルーツ枠なのか、解釈によって異なりそうですね。ここで補足になりますが、果汁100%のジュース(ただし濃縮還元含む)も使用してはいけないそうです。
・米
いやはや、もう全く理解できません。なぜ米が使用禁止に。上記の材料はまだわかりますが、米はどんな理由で。
とそんなわけで、『カレーライス』は却下され、他の案を考えることになった次第であります。ちなみに、文化祭後半でどこかの団体様が『フルーツクレープ』を出店していたのですが、『生クリーム』も『フルーツ』も禁止されている最中でどうやって許可を得たのでしょう。私、気になります。後悔です、試しに購入すればよかった。あ、ちなみに(二回目)ですが、『カレー』を出店している団体様もありました。名前に『ライス』がないので『米』は入ってないとは思いますが、ナンを提供しているようには見えなかったので、まさかカレールーだけを売っていたのでしょうか。飲み物ですからね。紙コップに入れて売ったり……
いや、全く話が逸れまくりです。企画時まで時間を戻しまして、次案として出たのは飲み物を売ることでした。これにはいくつかの理由がありまして。例えば、文芸部はこれまでの出店がなくノウハウがないため、食べ物のような手間のかかるものができるかわからない。飲み物(カレー含む)を提供している団体様が少ない(カレー除く)ため、ライバルがいない。食べ物ではないから、規制が少し緩い。そんな理由で飲み物の提供を決めたのです。
それも、ただのペットボトル飲料ではありません。何らかの工夫を凝らした、女子高生や女子大学生が思わず自撮りをしたくなる『映えドリンク(仮)』でございます。ところで、皆さんは上下で色が違う飲み物を見たことがありますか。ええ、そのイメージで間違いありません。カクテルのブルーハワイみたいなものです。映え映えな雰囲気していますよね。流石に学祭でお酒を売るのは無理ですが、あんな感じのお洒落さを全開したドリンクで攻めようと。
あれが上下で色が違う理由を簡単に説明すると、上下の液体で自重と密度が違うからです。例えば、ガムシロップをコーヒーに入れると、スプーンで混ぜると思います。それは同じ液体ですが、簡単には混ざらないからです。詳しく説明すると、砂糖でできたガムシロップとコーヒーは自重や密度に差があるため、ガムシロップはコーヒーの底に溜まって、ゆっくりと表面から僅かずつ溶けるわけです。
ならば、その理屈を応用すればいい。二種類の飲料(ジュースAとジュースBとしましょう)を用意して、ジュースAに大量のガムシロップを混ぜる。その上からゆっくりとジュースBを注げば、あら不思議。上下で色が違うジュースができたではありませんか。
ただ、混ぜるガムシロップの量が凄く絶妙なバランスを要求されまして。少なすぎるとジュース同士が混ざってしまい、多すぎると甘くなりすぎてしまう。途中からジュースBを諦めて、甘くない無糖の炭酸水にしました。これはこれで映える。女子高生も思わずパシャパシャしたくなる。結局、ガムシロップに対して倍量のジュースAが丁度いいとわかりました。
よし、『映えドリンク(仮)(試作)』は成功だ。これで企画書を提出しよう。これなら原価はあんまり掛からないし、一杯あたり150円ぐらいで売れば利益になるだろう。
しかし、またもや問題が発生します。なんと出店するには『協賛金10,000円』が必要で、模擬局に払わなければいけないそうです。そんなの聞いていない。大問題です。150円で売っていると、利益が出ないどころか、圧倒的な赤字になってしまいます。少し高くなってしまいますが、苦肉の策として『250円』で売ることになったのです。
一難去ってまた一難。出店するにあたり、衛生管理をしなければならないらしく、アルコール消毒液やらテーブルクロスやらマスクやらといったものを購入しなければならなくなりました。しかも、模擬局を通しての『強制購入品』になるらしく、誤魔化すことができません。泣く泣くこれも必要経費の内と考えて、6,000円以上の出費になりました。ああもう、既に試作費・協賛金・強制購入品費を払っているので、当日はとことん売らなければいけません。が、それでも予想だと純利益が10,000円を超えることはないだろうなと考えていたため、最大目標としては『収支ゼロ』という低く見積もった、いわゆる『採算度外視』『赤字覚悟』での出店決定になりました。まあ、心優しくて天使な我が部が誇る女子部長の『三月さん』さんから『赤字だった場合は部費から払う』との言質を貰ったので、憂いもなく準備に取り掛かることができます。
それからもやることが沢山です。連絡会議や衛生講習会への参加、参加団体原簿や誓約書の作成、衛生管理としての検便の提出、クーラーボックスなどの必要物品の確保、店頭装飾品やポスターの製作、当日参加する部員を管理するシフト表の構成。無給でやっていると考えれば、虚しくなります。ですが、頑張って行いました。誉めてください、認めてください。ポスターは部員の先輩にイラストを提供してもらい、レイアウト調整とか頑張りました。一応、この時に商品名かつ店名である『フルーツ/サイダー』が決まっていたりします。
ちなみに(三回目)、試作段階ではジュースAにウェル〇の「ぶどう12房分の贅沢なおいし〇」を使っていたのですが、直前に果汁100%のジュース(ただし濃縮還元含む)の使用が禁止されていたのに気付きまして、使用するフレーバーは「なっちゃ〇(オレンジ)」と「なっちゃん・そのままりん〇(リンゴ)」と「純水ぶど〇(ブドウ)」の三種類になりました。また、本当はトッピングも考えていたのですが、生クリームの使用禁止と手間の量からして諦めました。無念。
さてさて、次に買い出しをしなければなりません。二日間で使用するだろう量を計算して、それぞれの材料を買います。フレーバー三種を1.5リットルを各四本、炭酸水1リットルを15本ケースで1箱、ガムシロップを400個ほど、大量のプラコップ。
もちろんプラコップにガムシロップをいちいち割って入れるのは手間なので、ジュースのペットボトルにそのまま入れて、振って混ぜることにしました。結局、1.5リットルのジュースに対してガムシロップが45個で丁度いい塩梅です。準備はこれで完了、後は本番です。
当日。テントを建ててから、『伊崎亮』くんの寮から購入した材料を運んで、飾り付けして検食を提出して、迎えた朝の十時。『フルーツ/サイダー』出店開始です。
最初の一時間。客足はよくありません。数人が見にくるぐらい。先輩の『漸化式の神』さんが本当に優しくて。 実行委員で東奔西走しているのに、業務の傍らで買ってくださいました。お客さんはそれだけでしたね。ただ、客足がよくなかったからといって、暇というわけではありません。ガムシロップをジュースAに混ぜる作業は事前にやっていなかったため(※装飾の用意で時間が足りなかった)、ガムシロップの容器を逐一割って、中身をペットボトルの中に混ぜるといった作業が行われていました。これが考えていたより、時間が掛かる。試作段階では素手でやっていたのですが、当日はビニル手袋の着用が義務付けられていたので、シロップ容器が開けにくいこと。何とか昼時の忙しくなる時間帯までには間に合わせました。
昼時。臨界点はどこだったのか。急に購入者が現れました。長い行列もできています。来場者も昼時には増えるわけですが、購入者の割合が先ほどまでよりも随分と高くなっています。たぶんですが、こんなところでしょう。最初は飲料を買うほど喉が渇いていませんでしたが、飲み食いして喉に渇きを感じて、「ああ、確か飲み物を売っている店とかあったな」とか「折角の文化祭でペットボトル飲料を買うのは少し違うな」みたいなことを考えて来たのでしょう。それからはもう、ああ大変。現れる客足を捌くのは難しく、なんたって『フルーツ/サイダー』を一杯作るのには少なくとも四十五秒は必要です。それに、調理者は私と『伊崎亮』くんしかおらず、他の人に手伝ってもらうことは禁止されているのですから。(※調理者は事前に検便を提出した者のみと限定されている)
そんな忙しい時に問題が発生しました。衛生管理の係員がやってきて、クーラーボックス内の温度を確認します。
「あら、16℃になっていますね。クーラーボックス内は原則10℃以下でなければいけません。また確認に来るまでに10℃以下でなければ、出店停止処置を取らせていただきます(意訳)」
「なっ、なんだって!(意訳)」
クーラーボックス内を調べてみると、用意していた保冷材は全て融けてしまって、生温い空気が漂っています。これはやばい、出店停止になってしまう。
その時にいた人員は、調理者が私と『伊崎亮』くん、受付対応者が別の二人『怪文書X』さんと匿名K(ペンネームがないので匿名、めちゃくちゃ美人な女子の先輩)だったわけで、それですら尻に火が付くほど忙しかったのに、温度問題を解決するため貴重な人材の派遣が決定されます。急遽、先輩に最寄りのコンビニへ氷を買ってきてもらいました。先輩をパシリに使う後輩。こんなことがなければできないので、遠慮なくパシらさせてもらいます、ぐへへっ。……さて、買ってきてもらった氷をクーラーボックスに投げ入れると、衛生管理の係員が来るまでには、10℃以下になりました。ああ、これで安心だ。
と安心は束の間でして、すぐに次なる問題の発生。炭酸水が圧倒的に足りません。一箱も買い込んだのに。先輩には本当に申し訳ありませんでしたが、とんぼ返りするようにコンビニで炭酸水を買い占めてきてもらいました。一店舗では足りなかったらしく、別のコンビニにも行ってくださったようです。本当に炭酸水が足りなくなるのは想定外でして、買い出しに行ってもらっている間は、仕方なく店の営業を一時停止しました。昼時の混雑時だったため、大幅なロスが発生しましたね。
他にもコップが足りない問題やら、フレーバー『なっちゃ〇(オレンジ)』の枯渇問題やら色々とあったわけで、それらに対処しながら一日目をなんとか乗り切りました。……いや、嘘です。用意していた材料が尽きて、買い出しでも賄いきれなくなってしまい、本来は午後四時までの出店予定だったところ、午後二時半ぐらいで出店を終了しました。そこから反省会と次なる買い出しです。初日で発覚した問題点としては、以下のようなものがありました。
・ジュースA、ガムシロップ、炭酸水、コップが圧倒的に足りない。
→本当はこれで二日間を乗り切るつもりでしたが、予想外に売れてしまった。より多くの原料を購入することで対処。
買い出しに行ったのは、風車小屋に突進しそうな騎士道物語の主人公みたいな名前の店『ドン・キホー〇』です。色々なものが取り揃えており、大量入荷による価格帯の安さが特徴です。特にジュースの値段が安く、文化祭で出店する学生の間では、原価を抑えられるとして人気なのです。
『伊崎亮』くん『怪文書X』先輩『夜桜椋』先輩と四人で、一日目で使った量よりも多い数を買い込み、運搬作業をします。ただ、二日目は模擬店を午後二時で閉めなければいけないので、それも視野に入れての買い込みです。ジュースAのフレーバーはそれぞれ容器1本ずつ追加の各5本、炭酸水のケースは倍量で2箱、ガムシロップは見積もりなおして計700個、そして倍量のプラコップ。余っても文芸部の財産にすればいいので。
・途中で保冷剤が融けて、クーラーボックス内の温度が基準値より上昇してしまった。
→保冷材は元のように冷凍庫で凍らしなおして、追加でブロック状の氷も保冷用に用意。
ちなみに(四回目)ですが、クーラーボックス内で何かを冷やすならば保冷剤よりも氷の使用がいいことが一日目に判明しています。理由は、氷は融ければ水としてすぐに捨てることができるので、冷気のロスが少ないからだと思います。知らないけれど。理系の方がいれば、実際のところを教えて欲しいです。
・出店開始からガムシロップをジュースAの容器に混ぜていたら、時間が足りなさすぎる。
→買い出しに行った帰りで、作業を進めることで対処。
同級生の『伊崎亮』が借りている寮にて『夜桜椋』先輩を加えた三人で、ガムシロップを混ぜていきます。ここで注釈を入れておくと、ガムシロップはコーヒーに入れるような一般的なもので、ぷちっと割るタイプの容器ですので、一個割ってジュースAに入れるとなると15秒も掛かりません。ええ、15秒も掛かりません。ですが、一個あたりに掛かる時間がいくら短ろうとも、数百個も混ぜなければいけないわけです。三人で手分けしても数時間は掛かります。今から考えてみると、この作業が一番面倒くさかったです。もう二日間で一生分のガムシロップを見た気がします。
ちなみに(五回目)念のために(二回目)述べておくと、ガムシロップをジュースAの容器にそのまま加えると、溢れてしまうのは自明ですよね。そのため、始めに加えるガムシロップ分だけジュースAをボトルから減らさなければなりません。が、とはいえ、ジュースA退避用の別容器なんてあるわけでもないため、私たちはコップに入れて飲むことで、自分たちで消費していました。地産地消ならぬ自産自消、美味しいです。
……役得といえばそれまでなんですが、フレーバーは三種類ある、つまり、三種類のジュースAを飲まなければならないのです。さらに、それぞれのジュースにそれぞれコップを用意するなんて無駄なことはできないので、一つのコップにジュースを十把一絡げに入れます。オレンジ・リンゴ・ブドウ、全部混ぜれば『大阪生まれのフリフリみっくちゅじゅーち〇』だ! ……だったらよかったのですが、ファミレスのドリンクサーバーで混ぜたことがある人はわかると思いますが、凄く混沌とした味の飲み物ができまして。捨てるわけにもいかないので、我慢して吐き気を堪えながら飲み干しました。うぷっ。
さてさて、二日目の準備が終わったところで、今日の利益計算をしましょうか。売った数に金額を掛けまして資本金に加えると、現在の金額と合致するはずです。ペイペイは別枠なので除いて電卓を叩いて計算します。ぴぽぱぽっと……あれっ、計算が合いません。もう一度ぽぽぱぽっと、合いません。合致しない金額は『3,090円』です。どういうことでしょうか。後に『3,090円問題』と呼ばれる、世にも奇妙な事件が始まったのです。
合致しないのは3,090円。減っているのなら誰かがちょろまかしているわけですが、問題なのは(どちらにせよ問題ですが)、帳簿よりも実際の金額が3,090円も増えているわけです。増えているのならわざわざ問題にする必要もありませんが、どこか気が済みませんね。思い出してほしいのは、『フルーツ/サイダー』は一杯あたり『250円』で売っています。ですので、3,000円は250円で割れても、90円はどうしても余ってしまうのです。気持ち悪い数字が出てきました。こうなる原因として考えられるのは、誰かが90円余分に払ったとか、支払い時に誰かが100円硬貨や50円硬貨などを受け渡し間違えたとかがありますが、どちらにせよ気持ち悪いです。それに、何倍売れたかを帳簿上では厳密に管理していたため、3,000円分(つまり12杯分)も数え間違えていたとも考えられません。ああ、気持ち悪い。
とにかく、減ったわけではなく増えていたので深くは考えず、気持ち悪い気分を抱えたまま、次の日になりました。
二日目。正念場です。
知らない人のために述べておくと、文化祭は11/1~11/4開催であり、模擬店は前半(11/1,11/2)と後半(11/3,11/4)に分かれています。そして私たち文芸部文学パートによる『フルーツ/サイダー』は後半での開催でした。
さてさて、二日目11/4は最も忙しくなる日になるはずでした。理由としては、文化祭の前半は天運に恵まれず雨が降ったため後半へ来場者が流れたり、最終日は祝日で予定が開いている人が多かったり、後夜祭などのイベントも盛りだくさんだったためですね。そんなわけで来場者は凄まじい数になりました。
だがしかし! 我らが文芸部は負けなかった。完璧な準備に加えて、前日の蓄積されたノウハウを持つ私たちにとって、確かに昼時の長蛇の列は忙しかったですが、余裕を持って捌くことができたのです。二日目も予想外に炭酸水やコップが足りなくなったりと問題はありましたけれど、足りなくなる事前に買い出しへ行ってもらい、前日のような失敗は犯さずに学祭終了まで耐えたのです。まあ、買い出しでコップを買い過ぎて余りましたが、それは部活の財産として。本当に二日目は何か特筆すべき問題もなく、平穏に過ぎ去ったのです。
とまあ、そんなわけで。
待ちに待った最終利益計算のお時間です。
先述した3090円問題のように金額が合わなかったりしますが、売り上げは帳簿にある分で『約45,000円』です。結構な金額ですね。ですが、ここから『協賛金10,000円』『強制購入品費約6,000円』『装飾などの準備費3,000円』『材料費約21,000』を引かなければなりません。えーと、ぴぽぱぽっと。残ったのは5,000円ですね。……あっれれー、計算間違いでしょうか。ぴぽぱぽ(再計算中)っと、5,000円ですね……。間違っていないようです。えっ、本当にこれだけなんですか!? 少なすぎませんか!? 私の間違いじゃないですよね!?
誠に残念なお知らせですが、事実みたいです。まあ、ペイペイで支払われた分は別計算で、また模擬局から手数料が引かれて返還されるみたいですが、それでも少ないですね。もし人件費を支払わねばいけないとすれば、だいたい三人体制で延べ10時間で時給1,000円で働いたとすると、人件費は30,000円になります。いやー、人件費とか考えなくていい学祭で本当に良かったです。無給労働万歳、ブラック文芸部万歳です。先輩方を無給で手伝わせるって本当に楽しいですね! まあ、私も無給なのですが。
ってなわけで、想定以上の売り上げにも関わらず、利益が少なすぎた学祭はこれにて閉幕です。もし次年度も模擬店をやるなら、ノウハウがある『フルーツ/サイダー』での再挑戦かつ単価を高く設定するか、最初から単価が高い食品を売るかの二択ですね。機会があれば、是非とも次年度も宜しくお願いします。
ちなみに(最後)、打ち上げと称しまして、同胞の『伊崎亮』くんと二人で諸々の後片付けを終えた後にカラオケへ行きました。もちろん自費です。夕方六時頃に入店しまして、二人で歌い続けて、早朝の五時に退店しました。凄いですね、11時間も歌い続けていたわけですよ。私は途中で喉が痛くて痛くて(店の呼び込みもしていたから)我慢して歌っていたわけですが、『伊崎亮』くんは最後まで普通に歌い切りました。本人によると、歌いたい曲が半分も終わっておらず、あと一日は歌い続けられるらしいです。化け物かよ。ついでに述べておくと、カラオケにはドリンクサーバーがありますが、私も『伊崎亮』くんも『美味しいお水』を飲んでいました。この二日間でジュースは飽きましたからね。久しぶりに純粋なウォーターを飲んでみると、ないはずの味を感じて。すっきりとした味わいにミネラルの旨味。ただの水がこんなに美味いなんて!
ということで、最後になりましたがお礼を。一緒に買い出しへ行ってくれた方、ポスターのイラストを描いてくださった先輩、当日に手伝ってくれた方、本当にありがとうございました。皆様がいなければ、文芸部初めての模擬店は成功しませんでした。色々と問題点もありましたが、何とか無事に学祭を終えることができました。ああ、一応、模擬局もアリガトウゴザイマシタ(棒読み)。次回は協賛金とか強制購入費とか安くしてくれたら嬉しいです。そして、買いに来てくださった方もありがとうございました! 美味しかったですか? 感想をお待ちしております。連絡は文芸部文芸パート代表の『三月さん』まで。応募者の中から三名様に『図書カード3,000円分』をプレゼント。嘘ですけど。
では、締めに一句を。
文化祭
初といえども
勝利かな
利益度外視
むべなるかなよ(主に模擬局のせいで)
P.S.
追記です。
学祭の前半に漫画同好会さんが主催していた『秋のパネル展示会』に行ってきました。知人が描いたイラストがあったのですが、それはもう言葉を失うほど素敵でして。惚れ直しましたね。なんか、ビーグルの販売とオリジナルポスターの配布もしていたみたいですが、時間がなかったため、両方とも手に入れることができず。無念です。来年は頑張りましょう。