己の弱きところを自覚して、強きところを自覚せず。
足りぬことを知りて、満ちるところを知らず。
万能を求めて、助けを乞うことを怠る。
我が身を振り返り、嘆くことばかり。
差し伸べられる手に気づかず、さすらい続ける。
迷う羊は物を知り、歩んだ道を振り返る。
起点に立ちて見える景色は、全く同じもので、されど激変していた。
「其れは最初から此処にあったのです」
未(ひつじ)が晴れやかな顔で告げれば、指し示した先へ十二支たちは立ち向かう。
彼らの後ろ姿を見ながらもう恐れることはないのだと、弱い自分に囁いた。
足りぬところを補う仲間がいるのだと、助け合う友朋たちが集えば、恐るるものは何もないのだと。
そして、同胞たちの背中を守ることへの誇りを胸に、運命の扉を潜り抜けた。