こどもの 便秘

便秘・便秘症とは?

便が滞った、出にくい状態を便秘といいますが、一般的には週に2回以下の排便で、排便時の腹痛や肛門痛、直腸に大きな便塊の貯留、腹部不快感や便失禁などの症状を伴うものを便秘症といい、治療が必要な状態です。

慢性機能性便秘症は、上記の症状が1か月以上続くものをいいます。

離乳期、トイレットトレーニングの時期、入園入学の時期に起こりやすいとされます。


診断は?

症状・病歴、身体所見、画像診断を総合して診断されます。

上記フローチャートのように、まず大事なことは、直腸に便が貯まった状態かどうかを把握することです。

そのために、直腸診、腹部単純X線撮影、腹部エコーなどを行う場合があります。

まれに、手術が必要な便秘(代表はヒルシュスプルング病)があり、疑われた場合は小児外科のある専門病院への照会が必要です。まれな疾患のため、経験のある医師の診察が必要です。

治療は?

初期治療で最も重要なのは、便塞栓(便で直腸が詰まっている状態)を早期に解除(便塊除去)することです。

一般的には、浣腸や坐薬を中心に、補助的に内服薬を使用します。出ない場合は、貯まった便を指でかきだすこともあります。

その後維持療法として、下剤、漢方薬を中心に、補助的に浣腸や坐薬を使用します。維持療法の選択は個々の状態で異なり、ガイドラインどおり1つに決められないため経験が重要になるのです。

食事や生活習慣の改善も重要です。水分摂取は脱水にならなければ、過剰に摂取する必要はありません。食物繊維は水溶性、不溶性ともに効果があり、アメリカでは年齢+5g/日が推奨されています。

無理なトイレットトレーニングは便秘を悪化させることが分かっており、適切な治療により排便習慣が確立してから開始します。

治療のゴールは?

幼児では、排便が自立するまで継続する必要があります。

治療薬の減量・中止が早いと再発しやすく、通常6か月~2年の治療期間が必要です。

当院では、よく飛行機の離発着に例えます。離陸と着陸は一番難しく、安全に行うために何度もやり直したり調整することがあります。一度飛び立てば、あとは微調整で飛行が続けられますが、なるべく安定飛行の期間を長くとります。着陸のタイミングや着陸もガイドラインに記載がなく、個々の状態で決めていきます。

遠方からも通えますか?

現在、愛知県外から通院中の方もいらっしゃいます。県内では尾張、知多半島全域、三河などから通院いただいております。状態が安定したらお近くの医院にご紹介もできます。

一般的には、初診時に宿便を確認し、初期治療内容を決定します。約2週間後に再診していただきます。その後は月に1回の通院が基本です。

経過中のご不明な点は、LINE相談可能です。(LINEで処方や診断はできません)

便秘治療でもっとも大事なことは?

便秘の治療には、長い時間と根気が必要です。しかし、適切に治療を行えばほとんどの方が改善しています。大事なことは、よき伴走者となることです。

お子様の伴走者はもちろん親御さんです。

親御さんの伴走者として私たちがいます。

一人で悩まずに、お気軽にご相談ください。

最初、おLINEからお問い合わせいただいても結構です。