岡山県の歴史と自然環境を知る体験型ワクワクサイエンスイベント

「瀬戸内の豊かな自然はどのようにしてできたのだろうか?」

~瀬戸内の自然を科学する:前島の地層と磯に棲む生物の観察~

主催 岡山理科大学 理学部基礎理学科

自治体後援 瀬戸内市 

教育委員会後援 岡山県、岡山市、瀬戸内市、玉野市

申し込み方法:先着順20組40でのお申し込みとなります。右の申し込みボタンを押すと申し込み用のページが開きます。

5/18開催 岡山県の歴史と自然環境を知る体験型ワクワクサイエンスイベント

 日本列島は、地球の表面を覆う十数枚のプレートのうち、太平洋プレート、フィリピン海プレート、ユーラシアプレート、北米プレートの4枚がせめぎあう世界でもまれな地域に位置します。我が国では、これらプレートの動きを原因とした地震や火山など、さまざまな自然現象が繰り返すことによって形成されてきた地形や地質を身近にみることができます。そのような自然現象の中でも、今年の1月1日に発生した令和6年能登半島地震については、皆さんの記憶にも鮮明に残っていることと思います。

 中国地方では、約1万年前の氷期の終わりに、海面の大幅な上昇をきっかけとして内海が形成され、海水の浸食や波の作用が合わさることで、現在の美しい瀬戸内海の地形が形成されました。瀬戸内海は、このような長期間にわたる地球の営みによって形成されてきた複雑な地形、広大な干潟や島々に固有の植生と生態系を形成し、我々に豊かな恵みをもたらしています。一方で地球の営みには地震や火山の噴火など、現在発生すると大きな災害につながるような事象もあり、我々が地球環境から得る恵みと災害は表裏一体ともいえます。

 今回の体験イベントでは、岡山県瀬戸内市牛窓町の沿岸に浮かぶ前島を舞台としたフィールドワークを通して、瀬戸内海地域の過去から現在までの成り立ちを現役の地質学と生物学の専門家が解説します。さらに、地震・津波や洪水など自然災害から身を守るための防災・減災対策についても一緒に考えてみましょう。穏やかな春の一日に、瀬戸内海の歴史を地球科学的なダイナミックな視点で体験してみませんか?

日時2024年5月18日(土) (雨天時 2024年6月1日(土)に順延)

定員:20組(40名)

対象:中学生・高校生・大学生・社会人

   注1) 大学生・社会人のみの参加者については、中高生と学校関係者を優先するため、
   人数が上限に達した場合は、ご希望に添えない場合があります。あらかじめご了承ください。

   注2) 小学生以下の方のみの参加は、安全上の理由からご遠慮いただいております。
   必ず保護者の方の同伴をお願いします。

費用:参加者全員に団体保険にご加入いただきます。 往復のフェリー代と団体保険について
   1名あたり500円程度の実費をご準備ください。
   島内には商店などはございません。昼食については、各自でご準備願います。

集合場所牛窓港フェリー乗り場

予定: 9:40にフェリー乗り場に集合し受付。前島フェリー時刻表
    (10:10の便に乗船します。遅れないように早めに来てください。)
    午前は前島の地質と古環境に関するフィールドワークと防災に関するワークショップ、昼食を挟んで、
    午後は前島の磯生物と生態系に関するフィールドワークを実施します。
    16:00の便で牛窓港に帰港し解散。

地層や化石の観察を通して古環境を読み解こう

 鎌滝 孝信(かまたき たかのぶ)

 岡山理科大学理学部基礎理学科 教授 博士(理学)技術士(応用理学)

 前島は中生代白亜紀におこった火成活動によって形成された花崗岩が広く分布し、その一部に新生代古第三紀の地層(前島層)が分布しています。前島層が堆積した時代は日本列島がまだユーラシア大陸から分裂する前で、この地層はユーラシア大陸の東縁の浅い海に堆積した地層と考えられています。今回の体験イベントでは、地層やそこに含まれる貝類化石から、前島層が堆積した当時の古環境について考えてみましょう。また、1月に発生した令和6年能登半島地震を例に、岡山県に住む我々が今後考えていかなければならない地震・津波防災について、一緒に考えてみたいと思います。

磯採集を通して現在の瀬戸内海の水質・生物環境を推定してみよう


 齋藤 達昭 (さいとう たつあき)

 

岡山理科大学理学部基礎理学科 教授 学術博士

 

 前島は、牛窓沖の近くにある小島で、海岸部は岩礁地帯や砂浜が入り組んだ複雑な地形になっています。沖にはアマモ場が広がり、アマモ場を好む生物が多く見られます。特に5月から6月の大潮前後の日は、午後に長時間潮が引き、成長した海藻が見られ、これらの藻を摂食するために、多くの動物が磯に集まっているので、磯調査にとって一番良い季節になります。また、磯調査の楽しさや心構えについても学ぶことができます。瀬戸内海の環境指標生物リスト(瀬戸内海海岸生物調査マニュアル)を利用して、磯調査で確認された生物から現状の前島周辺の瀬戸内海の水質・生物環境を推定してみましょう。

本イベントに関する問い合わせ先

岡山理科大学理学部基礎理学科 広報委員 荒谷 督司  連絡はこちら

理学部基礎理学科のホームページは こちら

基礎理学科では、2024年8月4日に~教科書に書いてある式や法則、現象を実際に体験してみよう~という内容の数学と理科に関する体験イベントを実施します。詳細は右のリンクからご覧ください。