デジタルで仕組みを整え、人が温かく・自由につながる形へ
かつては当たり前だった回覧板や集会所での対面作業。地域を支えてきたこれらの仕組みが、今、大きな曲がり角を迎えています。
これまでの自治会は、戦後の人口増加と「専業主婦・定年退職者」という豊富な「人的資源」を前提に設計されていました。
「前例の踏襲」の継続
「全員強制参加」の空気感
「時間と労力の提供」が前提の運営
こうした奉仕活動を中心とする「昭和モデル」の自治会運営は、価値観が多様化した現代のライフスタイルとは かけ離れたものになっています。
古い仕組みのままであれば、住民の心は離れ、街の活力は失われてしまいます。
一方で、行政の支援(公助)だけでは解決できない「公助と自助の間」の課題は、むしろ広く、深く求められるようになりました。 この「共助」の領域こそが、自治会が果たすべき本来の役割です。
防災・減災の最終防衛ライン:
大規模災害が発生した際、最初に行動し、命を救えるのは行政ではなく、隣に住む住民同士です。いざという時に機能する「助け合いのネットワーク」は、平時からの繋がりがあってこそ成立します。
現代の孤立を防ぐ「緩やかな見守り」:
高齢者の独居や、子育て世帯の孤立。これらは行政のサービスだけでは完結できない、現代特有の課題です。日常の中でのちょっとした「声かけ」や「目配り」が、地域全体の安全網(セーフティネット)となります。
街の資産である「景色」と「環境」の維持 :
夜道を照らす街灯の維持、清潔なゴミ置き場の管理、そして私たちが愛する「岸谷の景色」を守る活動。これらはすべて、住民自らが主体となって合意を形成する「自治」の力があってこそ、美しく保たれるものです
これらの役割は、自治会というコミュニティなしでは決して成立しません。
私たち自治会は今、「古い殻」を脱ぎ捨て、あたらしい「仕組み」に入れ替える時期に来ています。
その一環として、岸谷第一自治会では自治会運営にDX(デジタルトランスフォーメーション)を取り入れています。
しかし私たちが進めるDXの目的は、単なるIT化・効率化ではありません。 形式的な作業を徹底して減らし、そこで生まれた時間と心のゆとりを、本来最も大切にすべき「人と人との対話」に充てることを重要視しています。
従来の「世間体や強制」による参加を排し、誰もが「利便性」を感じ、「納得感」を持って関われる コミュニティを再構築します。
役員の負担を耐え忍ぶ「奉仕」の時代を終わらせ、スキルを活かす「プロジェクト」に変化させます。
行政の末端組織(下請け) として動くのではなく、住民の皆さんのQOL(生活の質)を向上させるための「サービス」を提供します。
デジタルという手段を使い、アナログな温もりと「持続可能な自治会」を、この街に取り戻します。
ごあいさつ:
岸谷第一自治会 DX担当役員の山崎です。高知県出身である私は、この地に事業所を構えて以来、岸谷の豊かな景色と静かな住環境に深い親しみを感じてまいりました。2025年よりDX担当役員を拝命し、エンジニアとしての経験を、この街の未来のために役立てたいと考えています。よろしくお願いいたします。
山崎 晴可 (やまざき はるか)
経歴:
1968年生まれ ソフトバンクBB技術顧問を経て、現在 ダイアモンドアプリコット電話研究所・所長
著書 『インターネットツール構築論』(白夜書房・2001)
『もう一度プログラミングはじめてみませんか』(技術評論社・2025)