各位
ブラームスは明日G.P.で通します。今日は順不同でピックアップします。
逆にベートーヴェンは今のところの想定では、少なくとも反復の多い3楽章以外は今日概ね通して部分を返します。3楽章は明日の最初に通して他の楽章はピックアップする方向で考えています。
Beethoven 1.Satz. bar.234&235
楽譜には書いていませんが、この2小節はPPで!
人口格差問題
最新情報によると1st Vn. は8名でBrahms を演奏するそうです。
弦楽セクションは凄まじく下膨れです。
例えば写真の箇所など、ヴィオラ以下の皆さんは加減
をしてください。一方 2nd Vn.は1stのオクターヴ下を弾く際は張り切って大きめに弾いてみましょう!
Brahms 1st Vn.
シンコペーションでbar.327に突入したら全ての音を弾こうとしないで管楽器たちの各音の中からはみ出さないように! そして何が何でも(何かがあってもなかったふりをして!)[K]でアジャストし直してください。
Brahms
Cl. Fg. Vn.の皆さん。リピートしてここに戻った時は意識してPにしてヴィオラとフルートの歌い出しを聴きましょう! リピート後はいつも大きくなっているので。
Beethoven 4.Satz. 譜例は代表してbar.289-
1st Violin は最初の二分音符の頭を今よりももう少し歌わせて次の八分音符にむけて末尾をディミヌエンドして次の八分音符からピアノで弾いてください。
このパターンは以後も同様。
Beethoven 4.Satz. bar. 92 & 307. 特に後者。
矢印の箇所 「合わし直す」つもりで意識してください。
Beethoven 4.Satz. bar. 352 & 356(木管各位)
弦楽器の連携プレーをフレーズ末で締めるような位置付けですが、木管だけが強くなりすぎない程度に。音量よりも16分音符が揃っていることのほうが大事だと思います。
Beethoven 全員通知
2. Satz.
譜例は冒頭ですが、管楽器も含めて方々でこのモティーフが出てきますが、これがどうもイマイチ。
最初の四分音符にはテヌートと書かれています(後にないのは省略と見なします)がこのフレーズの中でこの最初の四分音符に一番ウェイトをかけ歌うべきですが、現状では四分音符はテヌートではなく少しキレ気味で、後のスラースタッカートのある二つの四分音符の方がむしろ強めに聴こえがちです。特に後で管打楽器が入ってくると余計にその傾向が強くなりがちです。後の二つが強調されると「別の印象の音楽」になってしまいます。どうかご留意ください。
すでにコンサートマスターの水戸さんにはお伝えしていますが、1st Vn.以外にも役立ちそうなプロのノウハウを一つお知らせしましょう。
以下は 私が今いる ドイツのシュトゥットガルトで日々ご一緒しているロータス・カルテットの1st Vn.でバーデン=ヴュルテンベルク州では有名なフリーコンサートマスターでもある小林幸子さんから教わった受け売りです。
写真の1st Vn.に非常に高い音高がdiv.でオクターブになっている箇所がありますね。
特に弾きだしの箇所は大きく響いてほしい箇所ですが、B-A-As......とても高いですよね。弦楽器は高音になるとなかなか音が抜けない、響かなくなりがちです。このオーケストラにしては異様に高い音程をオクターブ下と重ねる書法はそもそもハイドンの作品に度々出てくるらしく、彼女の考えではブラームスのこの書法にはハイドンからの影響があるのではないか?と。
で、演奏の現場ではどうするかというと、とにかく オクターブ下の奏者は大きく弾く、または人数比率をオクターブ下の方を増やして響きと妥当性の高いイントネーションを確保し、その上でオクターブ上の音程を下の響きに共鳴させるように弾くのだそうです。そうすれば高音に響きが加わるというわけです。
大きく弾くのはわかりますが場合によってはdiv.の人数配分を変えるという発想は面白いですね。(強音より響きの充実を目指す場合は特に有効と思われます)
Brahms. Finale
Fl. Cl. Fg.のみなさまへ。
写真の箇所 主にbar.424-425について。
クレッシェンド Oに向かって424後半からかけるように書いてありますが、私は実際的には424のアタマの和声がこの箇所の重要点だと感じます。
クレッシェンドをするな!と言うのではありませんが、この箇所のクレッシェンドは少なくとも現代の楽器でこの上昇音型だけでクレッシェンド的効果は容易に出ます。むしろB管クラリネットの高いB、Des、Cは音質的に鋭い音に聴こえがちでしかも1st Clと1st Flは音列は違えども同音を吹いていて充分に鳴ります。(うまく合わないとイントネーションの差異が拡大して響きが汚れる恐れもあります)ですからファゴットはともかくほかのFl そして特にClは末尾に向かって押し出すよりもむしろ全体の響きの柔らかさを維持する方向にお願いします。
それよりも私は424最初の音にウエイトを置いて吹いていただきたいと考えます。Es-G-H-Dというes-mollの悲しくミステリアスな7の和音の突然の出現が示す色合いがOからのオーボエのモティーフ(パッサカリア主題を短調化したもの)の登場を暗示するのです。
Beethoven. 2.Satz 冒頭の不徹底→徹底へ
ヴィオラを中心に、チェロ コントラバスの皆さまへ
写真は2楽章冒頭ですが、最初の8小節に続く次の8小節のフレーズの位置付けをこの部分だけ曖昧なままにしていたかも知れません。後に同じこれらのフレーズを演奏してゆく楽器群には方向性を明示していたのに……二つ目のフレーズ すなわち9小節目頭からはそれまでよりもより明確に歌い増した上でbar.19からサッとピアニッシモに落とす、という表現にいたしましょう。
Brahms Var. Ⅶ
Very beginning & bar. 311
いままで他のことに気をとられていて、このことに神経が行き届いておりませんでした。(後半の複雑な書法の方に私の関心は占められてしまっていました)
上記二箇所のフルートとヴィオラ。ヴィオラだけがexpressivo なのです。そしてそれに呼応する(対話するチェロとコントラバス、それらの対話の背景に佇むCl, Fg, Vn.は全てdolce。
ヴィオラにはもう少し豊かに弾いていただくべきでしょうね。(もちろんPの範囲で)フルートの方々はヴィオラに付けるように吹いてみてください。
管打楽器の方々へ (特に金管打)
Beethoven 1.Satz. bar. 110=2bars after C
写真のスコアには赤でP と書き込んであります。
この箇所からは1st Vnが明確に聴こえないと聴き手は行方不明になります。
しかし、実際にはその直前の管打楽器のFFの残像により、1st Vnはかなり聞こえずらいです。
私は楽譜には敢えて書いていませんが、管打楽器の方々(特に金管打)はこのbar. 110は6/8拍子の3拍目に向けてスビトピアノにしてみてください。
お願いいたします。
Beethoven 1.Satz. bar. 325= 3 bars after K
について 管打楽器の方々へ。
これも同様です。 K の4小節目の1st Vnのフレーズの頭がその直前のTuttiのFFの残像音響で非常に聴取しづらくなります。これも管打楽器は実際のPの指示より一音前でスビトピアノにしてください。
Beethoven 1.Satz. bar. 34-40について
特に管打楽器の方々へ。
各音にスフォルツァンドがついていますが、弦楽セクションには二小節毎冒頭にいちいちFFが書き込まれていて、しかもヴァイオリンは重音です。
これは二小節ずつのフレーズとして、FFの意味を出したいからです。管打にはありませんが、だからといって管打楽器が各音を同じ強さで演奏するのではフレーズ感は退化します。
よって管打のみなさんもフレーズの頭 すなわち二小節ずつの最初の音に少しウエイトかけて演奏してください。
管楽器の倍管について
倍管箇所の設定には二種類の目的があります。
1. 重要パッセージの強調
2. オーケストラ全体の響き(厚み)の補給
2についてはいわば『隠し味』です。
弦楽セクションの最終的な人数並びにその音量に応じて調整されるべきですが、まだそれが未確定ですからまだあまりそれに充分な注意を払っていないきらいがあります。最後の2日間もこの『隠し味の濃淡』についていちいち演奏を止めてお話しする時間はなく、サインで通知するつもりですので、どうかアンテナを働かせるように願います。
尚、一部倍管ではない箇所、たとえば4楽章のコーダ前なども同様です。
皆様にお願い
最後の20日リハーサル 21日G.P.について
20日から公演会場でリハーサルが出来る利点を考えて、2日間は一体のリハーサルと捉え。21日はコンサート直前でしかも朝早くからのことなので、なるべく多くのことを20日に片付けて、21日は部分をピックアップして、体力的負担軽減したいと考えています。ただ、このオーケストラ、20日のリハーサルから初出席という方々もいらっしゃるため、その方々の参加によって「漸く出来ること」がどうしてもたくさん出てきます。オーケストラではそもそも弦楽器は大勢で一つのパートを弾き、管打楽器は一人か二人で一つのパートするという当然の事情の違いに対して、このオーケストラはお仕事や遠隔地にお住まいという事情もあるので、人数の多いパートほど演者が揃う確率は低くなるのは必然なので仕方がありません。しかも一つのパートを大勢で弾くにはある種の「統制作業」が欠かせません。
と、いうわけで、これまで出席を重ねていらっしゃった(特に管楽器の方々)これまでお願いした諸々の事項をどうか自主的に再検討していただくようにお願いします。敢えて今、こう書いているのは、それらの一部が崩れている、あるいは忘れ去られていることに前回のリハーサルで気づいていてもそちらへの対応に時間も手も回らないという現状があったからです。
全体として、少しでも気持ちの良い!演奏が実現されるためのお願いです。よろしくお願い申し上げます。
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20.21日のスケジュール発表に寄せて。
この『特殊なオーケストラ』のリハーサルプラン組むことは正直容易ではありません。何しろ私の初練習日のチェリストは一名のみで、この唯一のチェリストは今回の本番には出ないけど弾きに来たという驚愕の状況でスタートしたのですから……
今回は幸い前日リハーサルが本番会場で行われますので、ベートーヴェンの各楽章の通奏(特に1,4楽章)は前日リハーサルで行い、当日はむしろ部分確認主体にして体力の消耗の軽減を図れればと思っています。
また、3楽章のカーボンコピーの如しトリオの重複はなるべく避けようと思っています。 というわけで当日のG.P.でのベートーヴェンは90分もせずに、繰り上げてチャイコフスキーに移行していただくか、もしくは 全員合奏部分は先に済ませて一部管奏者には休んでいただき、最後の最後で出演者が漸く揃う弦を中心とした細部確認をすることに費やすかもしれません。
一方でブラームスは変奏間の段取りなどの最終確認もいるので、たぶんゲネプロではほぼ通奏することになるものと予定しています。
しかし、これらはどれもこれもその場の状況を予測し難い面があるので、あくまでも理想的にプランでしかないのですが。
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週末のリハーサルで告白した通り、私は『数を数えるのが下手』である。数とは専ら小節のことだが、思えば紙幣を数えるのも下手だ。
レコーディングでトークバックを通じてモニタールームからスタジオ内のアーティストとリテイクの打ち合わせをする際にも音楽的な課題に集中している際には突然数えられなくなり『小島さん、そこはGの11小節前です』などと横にいるエンジニアに助けられている。(私のエンジニアは幸いにもドイツの名門スタジオで7年ほど修業した逸材)
普段レコーディングの際はアーティスト達が使用する楽譜と同じ出版によるものを準備している。必要な部分だけを効率よくリテイクするためにそれは有効に作用する。
今回の衣笠交響楽団はベートーヴェンもブラームスもブライトコフフの旧版(絶版分)を使っており、私は同社の新版のフルスコアを使用しているのだが、ベートーヴェンの方は皆様ご存知の小節数の相違がある。
『数を数えるのが下手』なことを自認する私はフレーズを切る際に細かく小節数を入れておいてある。
こうしておけばある部分を修正するためだけに長いリプレイをしなくても済むと考え、レコーディングと同様の準備をしておいた。しかもベートーヴェンの3楽章はBuchstabe(アルファベット=練習記号)の数が少ない。で、私はあらかじめ書き込んでおいた小節数を言ってもみなさんの反応は何気に『冷たい(笑)』
まあ、確かにいちいち数えるのも面倒だからわからなくもない。私が最も早い時点で皆さんのパート譜に補助練習記号か追加小節数を皆さんに通知しておくべきだったのだと反省している。
残りは20日、21日。
今さら練習記号や小節数のことを何だかんだ通知したところで迷惑な煩雑さを強いることをしたいとは思わない。 あとは許された状況の中で音楽のために出来る最善を尽くすだけだと思っている。
Beethoven のチューニング
3楽章と4楽章の間でティンパニはチューニングをしますので今回は充分間をあけます。と、いうより3楽章と4楽章の間にはアタッカをする意味はないので。
この間に弦の皆さんは小さな音で4弦の開放弦の音程をチェックするなどしてください。そういう時間にしましょう。
Brahms. Theme
bar.14 の2拍目の四分音符が10小節目の末尾(コントラファゴットを除く)と同じように聴こえるのはよくないとと思います。一方 bar.18の末尾はブレスのために短くなっても最初のモティーフが再現される場面なので構わないと思います。bar.15への入りに多少間合いが生じても、ちょうどPPで歌いださねばならないのでよいと思います。
bar.14の四分音符は充分伸ばしてからブレスをしてみましょう。
Beethoven 4. Satz
赤鉛筆の入れ方が良くないがそれぞれピアノとフォルテの対比はつけながらも3つ目のフォルテがピークになる4小節フレーズに。
Beethoven 3.Satz
左の赤鉛筆はbar.33 & 49
右の赤鉛筆はbar. 293 & 309
その前のPとPPの落差を明確にしてください。
Brahms Ⅶ 譜例 3
これも部分コピーに加筆したものです。(私のスコアには書かれていませんが)
上から Fl,Ob.Cl,Fg.Hr. 弦五部。
赤枠はクレッシェンド&ディミヌエンドが書かれている(最後のホルン以外)通りこの部分を赤枠外よりも前に出して歌ってください。
黒枠の付点の下降音型の中途にはクレッシェンドの指示がありますが、これはこの音型ごとにそれをやると全体バランスが悪くなりすぎます(この部分の書法はシューマン的で皆が同じ大きさで弾くと混濁するのみとなるのでバランス整理が要ります=シューマンでは常にその作業の連続になります)クレッシェンドは音楽全体でそのイメージになればよいので、黒枠は最初付点リズムを明確に出したあと音型毎にディミヌエンドするようにしてください。
赤枠と黒枠以外は常に赤枠と黒枠が聴きながら最初から続く優雅な舞曲のリズム感を保ってください。
Brahms Var. Ⅶ について 譜例 2
私のスコアから部分コピーをしてそれに書き込んでみました。
→の箇所は拍の頭(6/8の4拍目)を意識して合わせてください。これより前の繰り返し現れる付点8分音符で始まる音型を歌い込むとこの4拍目のスタートが遅れがちの方を散見します。ここを遅れてしまうとその後も引きづり気味になりがちです。この箇所での管楽器の皆さんもヴァイオリンの8分音符を意識して吹いてください。
Brahms Var. Ⅶ について 譜例 1
まず、当然と思われる方も多いでしょうが念のため。
クラリネットとファゴットのアーティキュレーションは2小節目からはスラースタッカートは消えています二小節目以後も同様に吹いてください。
ヴァイオリンはその後も続いていますが、ヴァイオリンに対してはボウイングの指定という意味を含んでいるために続いているのであって、2ndヴァイオリンはヴィオラ以下と合流するvar.299からはなくなっています。しかしながら全ての楽器による四分音符➕八分音符の音型は全曲を通して同様のイメージで弾いてください。これはグラツィオーソ=優雅な舞曲です。
チェロとコントラバスの方々へ。
ブラームス Var.II
最終的にはパート内で方針を決めていただけたらと思うのですが、写真の箇所。どうしてもピッツィカートに間に合わずにかなりゴタていているので、例えば アウトだけがarcoで8分音符までフォルテで弾切って、ピッツィカートは次の小節から始める。インの方々は最初の四分音符のみ弾いて次の8分音符は弾かずにプッツィカートの最初の音をゲットする…というような連携ルールを何か決めてください。
Beethoven 3.Satz
今、あらためて主部のテンポをもう少し穏やかにして構成できないか?と仕事現場からの帰途に思い巡らしています。
今日の昼間、横浜での仕事で ピアニスト アンドレイ・ガヴリーロフがシューマン やムソルグスキーをあまりにも強引かつ過激に爆演‼️していたことから得た反動によるものでもあります。(苦笑)
と、いうわけで 次回のリハーサルでのアプローチはたぶんこれまでとは違ったものになるでしょう。
Beethoven 1mov.
今までのリハーサルではほとんどしていませんでしたが、bar. 298は 楽譜には特に記載がありませんが次の小節 bar. 299のフェルマータに向けて、少しだけ Allargando (=だんだん遅く、だんだん強く=6/8=2/4の2拍目を分割して振ります。)して、bar.299のfermataのコードは従来より充実した響きと長さを保ちたいと思います。(今までは、ヴァイオリンの人数がそれをやるにはあまりに少なく過ぎたのでガマンしていたのですが)
そして、そのfermataのコードを私は左手で切り、その次の右手で木管のアウフタクトの16分音符とbar. 300冒頭の四分音符のコード(Tutti )を振ります。(弦のコードがピッチカートであることを木管の皆さんは少し意識しておいてください。彼らは指で弾いてコードを響かせるのに少し時間を要します)
そしてこのコードはfermataなのでこれも左手で切って、その次に右手でオーボエの導入にための予備運動を振ります。今まではこの左手と右手に合間がほとんどありませんでしたが、ここはなるべく、もう少し余裕を持って右手を始動させようと思います。
以上、よろしくお願い致します。
Beethoven 1st Vn.の皆さまへお願い。
写真は第2楽章末尾。
上はベーレンライター版
下は今回使っているブライトコップフ&ヘルテル社発行の新版です。(皆さんのパート譜はこの旧版)
arco の位置が違います。
この曲は自筆譜が残っていますが、この箇所は相当迷ったらしく書いては消し、書いては消した様子が残っており何が正解かよくわからないそうです。
クライバー親子は「疑わしきは採用せず」という方針でpizz.のままで最後まで演奏しています。
今回は折衷案的になりますが、最後から4小節前の2つの四分音符のうち、最初はのC は楽譜通りにピッチカート。E は p(ピアノ)のままで四分音符のスタッカートとして弓の根元で引っかけるようにV(アップ)で弾き、その次を明らかに差異のあるフォルテのスタッカーティッシモでダウンからの弓順で弾いて急速にディミヌエンドして見ていただけないでしょうか? コンサートマスターさんに事前相談もなしの、いきなり告知で恐縮ですが、次回のリハーサルで試してみたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
ヴァイオリンの皆さまにお願い!
Brahms の Var. 1 の最初の旋律。2パートがオクターブのユニゾン音型ですが、何度繰り返しやっても音程が合いませんね。大勢の各人の音程感覚に若干の差異がありそうです。
そこで一度個々人で試していただきたいことがあります。
B-durの一度移動ドでこれを歌ってみていただきたいのです。
何かの楽器でBの音を鳴らすとこれがド。
(ド)ミ ファ ラ ド ミ ファ レ ド ミ ファ レ ド ミ ド ラ ソ シ (ド)
こうやって歌ってみると適正な音程が自ずと浮かび上がってくるはずです。
先日はベートーヴェンについての閑話休題的投稿をしたのみでその後に書くべき本題を投稿せぬまま、謎を残した形になってしまいましたが、
実はベートーヴェンについても個人練習用のテンポ設定のガイドラインを記しておこうかと考えた次第でした。(特に3、4楽章)
ただ、これはいささか悩ましい行為です。(ベートーヴェン本人の記述に謎がたたあるため)
尚、先のブラームスの場合も同様ですが、これはこのテンポで行うという「お約束」ではなくあくまでも基準にすぎません。
1. Satz 序奏部の♩= 69 についてはなるべく準拠したいと思います。
bar. 63 Vivace なのに 1 Dotted Quarter Note = 104 は現代の一般概念からすると遅いのですが、速くすると諸々無理が生じるので、これよりは少し早い程度(107ぐらい)で始めると思います。
4 bars before K からは少し アゴーギクをします。テンポに気をつけてください。若干加速して Kからの3小節で一つのクライマックスを作って bar.326で (Subito) Pにしてテンポ感も元に戻します。
1. Satz から 2.Satz はアタッカで入ります。
2. Satz (これも Allegretto と ♩=76 が感覚的に不一致ですね. 現代では Allegretto は 遅めでも96ぐらいまでです)
私の今の感覚的には♩= 80-83ぐらいでしょうか? (先日は人数も少なく、狭い部屋だったこともあってもう少し早く振っていましたが・・・・)
3. Satz
1 bar = 1 beat = 120 ぐらいでご準備願います。
Assai meno ・・・・ということは Much less ということなので、昔は無茶苦茶に遅い演奏が多かったですが、これには私は不自然さを感じていました。
ベートーヴェンが記している84は、もしこれを狙ってやると実際のコンサートではせわしなく感じらるかも? ただ、まあこのあたりで、自然に歌えるテンポで行いたいと思います。
4. Satz (私の楽譜の校訂報告では校訂者は2分音符で116と主張していますが、これはかなり早く謎)
ベートーヴェンの記した2分音符=72 は4分音符=144 割に妥当かあるいはいくらか弛緩した印象になる懸念はあります。(これも状況により) 144~148を標準テンポとしてご準備ください。
リハーサルでもうした通り、冒頭のG.P.の4小節とそのあとは少し雰囲気を区別して、5小節目から「新しい音楽」が始まるように捉えましょう。そして、リピート後もこのパターンが出てきたら同様です。
展開部主部 bar.126 からはアゴーギクをします。明らかに 2 beats / 1 bar で振ります。重大な発言のごとくテンポ感を重くするためです。(ドイツ人の好きそうな伝統的な手法を踏襲しようと思っています)ここはヴァイオリニストたちと VS ヴィオラ・チェロ・コントラバス軍団との 「お芝居」のようなものです。この両者の応酬はDの前まで続きます。
Dからはテンポを戻します(いいえ!完全に戻すつもりはありません・・・提示部より(こっそり)若干速くなれば大成功です。
この後は微妙なアゴーギク(加速・減速)が施されることになると思いますが、それは現場でのお楽しみということに !
(毎回が私と皆さんとの駆け引きになります)
注目点は K ! ここで遂にそれまであったこのパターンからG.P.は消滅して縮尺されています。ここからがラストスパートです。
追伸
それからその「お芝居」のところですが、先日の練習で(特にチェロ・バス)にはbar .129,130の音型の頭を強調してもらっていましたが、それは全員のアインザッツが明確であればそれ以上過剰なアクセントはいりません。あくまでもそのあとのスフォルツァンドに最もウェイトがかかります。
Brahms Var.VIII
1 bar = 1 beat = 71 を照準にしてご準備ください。
---------
Brahms. Var. Ⅴ
アプローチを全く変えてみました。
Vivaceという標語は次のⅥも同じくVivaceであることもまた悩ましい問題なのですが、ブラームスはどうやら適切なテンポは自然に歌う中で自ずと決まるというようなことも言っていたそうです。
そこで今まで私にあった固定観念を取り払って普通の6/8の曲としてうたってみました。実際にオーケストラで鳴らしてみた際、その機能上の事情からまた少し変わるかもしれませんし、杓子定規なものではありませんので、以下のテンポを基準テンポとしてご準備いただければと存じます。
1 付点四分音符= 112〜118
2 beats / 1 bar
予備拍は当面念のため 4
どうぞよろしくお願い致します。
ただし、長年にわたって身についてしまっているものを急に変えることはなかなか容易ではないです。
もし不意にフラッシュバックしてしまったらごめんなさい。
練習お疲れ様でした。
本日の合奏で連絡があった、ベー7の小節番号の件です。
各自パート譜の小節番号の修正をお願い致します。
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指揮者のスコアは「2カッコ」の小節をカウントしていません。
1・2楽章はパート譜と、一致していますが、3・4楽章は下記に修正願います。
【3楽章】
パート譜153→スコア149
練習番号B→スコア285
C→349
D→585
最終小節→653
【4楽章】
パート譜14→スコア13
パート譜23→スコア21
A→36
B→74
C→104
パート譜133→スコア126
D→146
パート譜163→スコア154b
パート譜172→162
E→198
F→220
パート譜243→232
G→273
H→319
I→349
K→405
L→435
最終小節465
Brahms : Variations, Var. Ⅷ(8)について
これも下記の通りにできれば小節線に縦線または斜線を書き込んでください。
・between bar. 326 & 327
・【K】
・between bar.336 & 337
・between bar.341 & 342
・between bar. 345 & 346
・between bar. 349 & 350
・between bar. 353 & 354
・between bar. 357 & 358
これで下記のようになります。
5 bars/5 bars/5 bars/5 bars/4 bars/4 bars/ 4bars/4bars/3bars+Fermata/
そもそも最初の主題が5小節単位なので自ずとこの作品全体に5小節単位が多いです。
Brahms : Variations Var. Ⅴ
今回の最難関と言っても過言ではないかもしれません。特に練習の際に人員が欠ける可能性の高いアマチュアオーケストラが少ない練習時間で演奏するのには崩壊のリスクが最も高い箇所だと思います。
これがベストの対処法かどうかは断言できませんが、おそらく「喪失・脱落の危機」をまぬがれやすい方法を以下ご提案します。
どうかパート譜に以下の書き込みを入れてみてください。
・冒頭から5小節が経過した後、つまりbar.210とbar.211の間の小節線上に縦線(斜線でも構いません)
・【G】に縦線
・【H】に縦線
・bar 229と230の間に縦線
・bar.233と234の間に縦線
・bar.236と237の間に縦線
・bar.240と241の間に縦線
・【I】に縦線
・bar.248と249の間に縦線
・bar.252と253の間に縦線
・bar.256と257の間に縦線
・bar.260と261の間に縦線 以上です。
すると冒頭から以下の フレーズ割りになります。
5 bars/5 bars/6 bars/4 bars/4 bars/4 bars/3 bars/4 bars/4 bars/4 bars/
4 bars/4 bars/4 bars/ 3bars+fermata
指揮はこの第5変奏(Vivace)は6/8 =1小節=1拍を基本運動とするしか振りようがありませんから上記の小節割はガイドになるだろうと思います。
関係各位
Re. Beethoven Symphony No.7 管楽セクション(Wood Winds & Horn)倍加の件
標記の件、当面以下の通りでお願い致します。以後状況を鑑みて変更の可能性はありますのでその点はあらかじめご了承願います。
以下は各パート全員で吹いていただければと思う部分です。
1. mov.
bar 89-bar.100
[C] =bar 109 - 2nd note of bar 110
[E]-bar 152-bar 155 & bar 158-161
bar 164–174 *Regarding After Repeat = until bar 178.
bar 205-206
bar 211-212
2nd note of bar 217(「G])-bar 219
H(bar 254)-bar 267
bar 278([I])- the first note of bar 299(with fermata)
K(bar 3239 -bar 325
bar 364-367 & 370-373
M=bar376 -bar 386
bar 423-426
bar 432-End
2.mov.
G(bar214)-bar 221
3.mov.
bar 91-98
bar 125-148( in the first repeat) *Regarding after repeat, until bar 148
bar 207-the first note of bar 221
bar 385-404
bar 587-594
The 3rd beat of bar 636 to the first beat of bar 641
Presto to End
4.mov.
Very beginning to bar 3
bar 24-27
bar 32-1st note of bar 36
C(bar104)-bar 124 *After repeat as the same
the 2nd beat of bar 216 to bar 247
bar 258-bar 273
***bar 325-348 (I)
*Oboe, Clarintet & Fagott is playing by all players after bar 397
K (bar 405)-bar 416 (by all winds)
bar 427-434
bar 442—End
小島 裕