解説「君が代remixes」
「君が代remixes」という実験音楽集を制作しました。このページでは本作の制作方法を解説します。
(Ⅰ)概念
(Ⅰ)概念
この作品集には、日本の国歌「君が代」を元に制作した楽曲20曲が収録されています。これらはすべて、「君が代」のスペクトログラムにグラフィカルな操作を加えることで生成されました。 スペクトログラムとは、ある時間における音の高さと大きさを視覚的に表現したもので、いわば「音楽の地図」です。横軸は時間、縦軸は周波数で、各点の色がその時間・周波数における信号強度を表します(図1)。
この作品のコアのアイデアは、「君が代」のスペクトログラムを二次元の行列として取り扱い、様々なオペレーションを加えることで作曲を行うというものです(図2)。スペクトログラムを操作するオペレーションには、回転や平行移動などの幾何学的な操作に加え、2つの楽曲を合成する積・代入といった操作も用意しました(図3)。すべての楽曲は、これらのオペレーションにおける各パラメータの調整と、各オペレーションの組み合わせによって生み出されています。
図1 スペクトログラム
図2 オペレーションによるスペクトログラムの操作
図3-1 オペレーション:幾何学的操作
図3-2 オペレーション:合成
図3-3 オペレーション:その他
(Ⅱ)実践
(Ⅱ)実践
実際に制作した楽曲のスペクトログラムと、スペクトログラムの操作に用いたオペレーションを見ていきます。
(Lot番号からYouTubeに飛びます。)
Lot.003
以上です。この解説が、本作を理解する一助になれば幸いです。