第48回KG CAPS研究会 6/19 松林翔太 先生(名古屋大学)

講演者:松林翔太 先生


日時:2021619日(土)10:00-12:00

場所:Zoom開催


タイトル:想定外事象に対する認知プロセスと検証手法 ― 実験・シミュレーション・実践 ― 

発表概要:私たちの身の回りでは,思いもよらない想定外の事象が起こる。事故や災害などの頻度の少ないものから,サスペンス小説・映画の展開,コンピュータやシステムのエラーのような日常的なものまで,多様な想定外事象を私たちは経験する。スキーマから外れた想定外事象には特有の処理が行われるとされているが,想定された内容を課題遂行中に把握することの困難さ,自然な文脈で想定外事象を発生させる困難さなど,その検証には多くの制約がつきまとう。そのため発表者は,想定外事象に対する認知プロセスを明らかにするために,実験室実験・ACT-Rシミュレーション・モビリティを用いた実践的実験など,複数の手法を組み合わせて検証を行なってきた。本発表では,そこで明らかになった想定外事象に対して働く認知プロセスについて概説する。また,それぞれの検証手法の特徴にも触れながら,様々なアプローチを組み合わせる意義についても議論する。