行政書士法改正
江尻 一夫行政書士事務所
江尻 一夫行政書士事務所
令和7年5月29日、衆議院総務委員会で「行政書士法の一部を改正する法律案起草の件」が採決され全会一致で可決されました。
施行日は令和8年1月1日
主な改正点
1・行政書士の使命
行政書士法の第1条では(目的)となっていますが改正案では
(行政書士の使命)と改められます。
非常に重要です。弁護士法や税理士法、司法書士法等では(〇〇士の使命)と第1条で規定されていますが、それ
と同じになったということです。
(目的)から(使命)になったことは我々行政書士にとって大きな一歩です。
2・職責
❶行政書士は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正かつ誠実
にその業務を行わなければならない。
➋行政書士は、その業務を行うに当たつては、デジタル社会の進展に踏まえ、情報通信技
術の活用その他の取組を通じて、国民の利便の向上及び当該業務の改善進歩を図るように
務めなければならない。
官公署や民間法人などが構築する電子システムを活用することは行政書士の業務にとっては非常に重要になりま
す。
3.特定行政書士の業務拡大
第1条の4
二 前条の規定により行政書士が作成することができる官公署に提出する書類に係る
許認可等に関する審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に関する不服申
立ての手続について代理し、及びその手続について官公署に提出する書類を作成
すること。
改正案では行政書士が作成した許認可申請だけではなく、行政書士がまったく関与していない本人申請
での行政庁による違法又は不当な処分や、不作為に対しても不服申立てをすることができるようになり
ます。つまり、許認可等に関する不服申立てのみの依頼を業務として引き受けることができるというこ
とです。
第19条(業務の制限)
行政書士又は行政書士法人でない者は、他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず
報酬を得て、業として第1条の3に規定する業務を行うことができない。
現行法にはない「他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という文言が追加されています。
改正案では(業務の制限)、(名称の使用制限)、(帳簿の備付及び保存)、(調査記録簿の記載等)、(立入検査)
が両罰規定の対象となりました。(現行法では、調査記録簿の記載等のみ対象)