アイマノカタチ

日常で見かける「かたち」には、実用的なものや文化的なものなど、多様な存在意義があり、私たちの生活を豊かにしている。例えば、椅子やスプーンなどは、その形が機能的であるため古くから相似した形状を保ち、今日でも使われ続け、モノとして認識されている。「かたち」がモノとして認識される所以は、その形状の意図を人が読み取ったり、そのモノの様式や規則を知っているためだろう。

一方でモノとしては認識されない「かたち」は、一見すると私たちの生活には不要で無駄なものとして捉えられることがある。例えば、3Dプリンターのエラーによって排出された「かたち」は単なるゴミとして認識されるだろう。しかし「かたち」には合理や機能性のみでは語りきれない要素がある。彫刻が国境を越え人々に鑑賞されるように「かたち」には共通言語としての力があり、異なる文化や価値観を持つ人々を魅了することがある。きっと「かたち」を作り出す目的が実用性や有用性に収斂されることがなければ、世の中に存在する「かたち」はもっと多様であったはずだ。

この作品はあらゆるモノが規格化された現代において、潜在している「かたち」の可能性を探求した作品である。現代の我々の認識の境界に焦点を当て、潜在する「かたち」から曖昧な「かたち」を掘り出した。こうした曖昧で不確定的で多義的な「かたち」の存在が、人々に「かたち」そのものへの再考を促す契機となることを望んでいる。 

2023 - NeurIPS 2023 “Machine Learning for Creativity and Design" 採択

2023 - アジアデジタルアート大賞展 FUKUOKA 一般/静止画部門 優秀賞 受賞

2023 - 第二回AIアートグランプリ 優秀賞

RESULT