ホソウミニナ

Batillaria attramentaria (Crosse, 1862)

レア度:いつでも見られる

形態:貝殻は厚く、最大2~3㎝程度。螺旋部分は真っすぐそびえたつ。表面に縦肋があらわれてゴツゴツした個体もいる。いくつかのカラーパターンがあり、その相対頻度は個体群によって異なる (Miura et al. 2007)。葛登支では全体が暗色の個体と、巻きに沿って白帯が現れる個体が混在してみられる。

生息域:日本各地に分布し、潮間帯の岩礁(砂溜まり)や干潟に生息する。北アメリカ西岸では外来種である。葛登支では護岸壁近くの砂底にみられる。

生態:付着珪藻を主に摂食する (Whitlatch & Obrebski 1980; 小池ほか 1989)。発生様式は直達発生 (足立・和田 1997)。砂干潟では2mm程度の稚貝が表面張力による水面フローティングを行い、着底後の分散がおこる (Adachi & Wada 1999)。水槽に入れておくと、水がきれいになるので、濾過食もしているのかもしれない。

その他:近縁種のウミニナ B. multiformis (Lischke, 1869) は浮遊幼生期をもつ。

2020年8月 山上
2020年8月 山上
2020年7月 大友
2015年5月 りった たくさんいる
2015年5月 りった 立派
2020年11月 青木5㎜ほどの子どもの顔 面長
2021年3月 大友
2021年3月 大友
2021年3月 大友
2021年3月 大友
2021年3月 大友
2021年3月 大友
2021年3月 大友
2021年3月 大友
2021年3月 大友
2021年3月 大友
干潮時にぎりぎり干からびる場所に群がる
2021年4月16日 りったイワフジツボと一緒

引用文献:

  1. Whitlatch, R. B. & Obrebski, S. 1980. Feeding selectivity and coexistence in two deposit-feeding gastropods. Marine Biology, 58: 219225.

  2. 小池裕子・中島徹・中井信之. 1989. 安定同位体と消化管珪藻分析による干潟植物網の解析について. 日本ベントス研究会誌, 37: 110.

  3. 足立尚子・和田恵次. 1997. ホソウミニナの卵と発生様式. ちりぼたん, 28: 3334.

  4. Adachi, N. & Wada, K. 1999. Distribution in relation to life history in the direct–developing gastropod Batillaria cumingi (Batillariidae) on two shores of contrasting substrata. Journal of Molluscan Studies, 65: 275288.

  5. Miura, O., Nishi, S. & Chiba, S. 2007. Temperature-related diversity of shell colour in the intertidal gastropod Batillaria. Journal of Molluscan Studies, 73: 235240.