ツメナリミヤコドリ

Phenacolepas unguiformis (Gould, 1859)

レア度:たまにみられる

形態:1㎝弱の笠型の殻をもった巻貝。カサガイのようだが、カサガイの仲間ではない。貝殻表面には顆粒状の彫刻があり、頂部は著しく後方に寄っている。ヘモグロビン色素をもち、軟体部は鮮やかに赤い。

生息域:外洋に面した内湾域や湾口部の伏流水の影響のある潮間帯中部付近から潮下帯から下部のやや深く埋もれた石の下に生息する (木村ら 2016)。これまで三陸海岸が北限の産地として知られているが、津軽海峡にも生息することがわかった。馬渡ら (1985) が木古内から報告した"ユキスズメガイ科 Phenacolepas sp." は本種だと思われる。

2019年6月 山上
2018年8月 山上
2018年8月 山上真っ赤!

引用文献:

  1. 馬渡峻輔・小西光一・干川裕・石丸信一・桑原康裕・佐藤友美. 1985. 木古内臨海実験所付近の海産無脊椎動物相. 2. ヒドロ虫綱(腔腸動物)、コケムシ綱(触手動物)、ウミグモ綱、十脚目(節足動物)および腹足綱、二枚貝綱(軟体動物). 生物教材, 20: 1–10.

  2. 木村昭一・早瀬善正・河辺訓受・湊宏. 2016. 東日本大震災の津波により波伝谷地先に打ち上げられた貝類. ちりぼたん, 46: 84–90.