アシヤガイ

Granata lyrata (Pilsbry, 1890)

レア度:たまに見られる

形態:上下につぶれた形をした小型の巻貝(1.5㎝前後)。急激に太くなるような巻き方をする。そのため開口部が非常に大きいが、蓋は不釣り合いに小さい。貝殻表面はざらざらしており、巻きに沿って黒斑が並ぶ。軟体部は一様に白い。

生息域:北海道南部以南に分布し、潮間帯から潮下帯の岩礁に生息する。葛登支では砂が堆積した礫地帯にみられる。

生態:還元的な環境にみられ、砂に深く埋もれた転石の下に複数個体でまとまっている。C/Nマップと全窒素同位体比を用いた栄養段階の推定によって、本種は大型藻類を起源とする食物連鎖のなかで他の肉食動物とともに高次の消費者として位置づけられている (Won et al. 2007)。

2018年8月 山上
2018年8月 山上
2018年8月 山上
2018年7月 山上こんな風に海底を這っていることはない(やらせ)

引用文献:

  1. Won, N. I., Kawamura, T., Onitsuka, T., Hayakawa, J., Watanabe, S., Horii, T., Takami, H & Watanabe, Y. 2007. Community and trophic structures of abalone Haliotis diversicolor habitat in Sagami Bay, Japan. Fisheries science, 73; 1123–1136.