ミミズハゼ

Luciogobius guttatus Gill,1859

レア度:いつでも見られる

形態:体は細長く円筒状で、頭は縦扁して少し潰れ、尾柄は側扁する。うろこ、側線、第1背鰭はない。腹鰭は吸盤状。体色は生息場所に合わせて変化する。

生息域:葛登支の岩礁域のいたる所で見つかるが、細長く泳ぎも早いため認識しづらい。石をひっくり返すと、かなりの確率で飛び出してくる。少し泳いだ後にちょうどいいところで休むため、ゆっくりと近づけば逃げられずに観察できる。

生態:潮間帯や河口域の石の下や砂利の隙間に棲む。ゴカイやヨコエビを主に摂餌。初夏に底面が平たい石の裏に、多くの長ナス状の卵を一列に産み、孵化まで雄が卵保護を行う。仔魚は沿岸で浮遊生活をするが、着底後は親と同じような場所で見られる。

その他:本種は遺伝的に3系統に分かれる(向井・西田, 2004)。北海道にはそのうち2系統が生息し、祖先的な海水型と、汽水域にも進出したものに対応することが分かっている(Hashimoto et al., 2014)。ミミズハゼ属は7種が知られているが、分子系統解析では17系統に分かれ、脊椎骨数や吸盤の形に差が見られる。脊椎骨数が多いと体は長く柔軟に曲がるようになるため、吸盤とともに各地域での転石帯の環境に適応した形質であると考えられている(Yamamoto et al., 2009)。

2020年7月 大友
2020年10月 りった穴に入っている
2021年3月 大友
2021年3月 大友
2021年4月29日 りった
2021年9月6日 藤本
2023年3月20日 とみよし

引用文献: