マフグ

Takifugu porphyreus
(Temminck & Schlegel, 1850)

レア度:たまに見られる?

形態:その辺にいるフグ①。胸鰭の後ろと背鰭の付け根にある大きな黒斑がよく目立つ。腹側は白いが、ふつう背側と腹側の境目は黄色い線が走る。尻びれは淡い黄色。幼魚では背側に小石のような白斑が密に散らばる。その辺のフグ②ことクサフグ T. alboplunbeus は、背鰭の付け根の黒斑がないこと、尻びれは透明なこと、幼魚の背中の白斑はごま塩のように疎らに散在することで、両種を識別できる。個人的にはマフグの方が顔つきに愛嬌がある感じがする。

生息域:北海道以南の東アジア各地に分布し、水深200mまでの砂泥底に生息する。

生態:3~4月に島根県沖で産卵する群と、6~7月に道北の日本海側で産卵する群がある。

その他:トラフグなどに次いで水産的価値は高いが、悪名高いテトロドトキシン(TTX)が豊富であり、卵巣と肝臓は猛毒、皮膚と腸は強毒、筋肉と精巣は無毒である。TTXはヤムシ、ヒラムシ、ヒトデ、巻貝などからも見つかっており、フグが餌を介して経口摂取していると考えられている(長嶋ら, 2015)。また暴れると皮膚からTTXをまき散らすという噂もあり、他の生き物と同じバケツには入れないほうが賢明である。

2020年8月 山上一応2個体写っている

引用文献:

  1. 長島裕二・荒川修・佐藤繁, 2015. フグ毒. 松浦啓一・長島裕二(編著), 毒魚の自然史. 北海道大学出版会.