ハナジロガジ
Opisthocentrus tenuis
(Bean and Bean, 1897)
レア度:いつでも見られる…はず
形態:藻場でふつうにみられるニョロニョロの1種。体長は20㎝程までなるが、多くは10㎝程度の小型個体。海藻の間に絡まって休んだり、ゆったり泳いだりする様子がよく観察される。頭の先端に、淡く不明瞭な褐色の斑紋を持つ。また、背鰭に黄色く縁どられる黒色斑が6~7個並ぶことが特徴。近縁種とは背鰭の斑点の数が異なり、オキカズナギ O. zonope は4個、ガジ O. ocellatus は5個であるので、簡単に見分けられる。冬(1月頃?)の繁殖期には、オスはやや黒ずんだ婚姻色を呈する。
生息域:新潟、宮城以北に分布する北方種。
生態:繁殖期には転石などの下で、メスが自分の体を卵塊に巻き付け、抱きかかえるようにして卵保護を行う。ヨコエビやワレカラが主な食物で、藻場でニョロニョロとホバリングしながらついばむ(塩垣, 1981)。
その他:割と最近までガジのシノニムとされていたが、分類学的再検討の結果、有効種として再記載された(Shiogaki, 1984)。
2014年7月@臼尻 大友ガラモ(タマハハキモク?)の下に集まる
引用文献:
塩垣優, 1981. ハナジロガジ(新称)の生活史. 魚類学雑誌 28(3): 319-328.
Shiogaki, M., 1984. A review of the genera Pholidapus and Opisthocentrus (Stichaeidae). 魚類学雑誌 31(3): 213-224.