エボシガイ
Lepas anatifera Linnaeus, 1758
レア度:めったに見ない
形態:白い石灰質殻板に覆われた頭状部と、むき出しの柄部からなる。頭状部は2~3 cm、柄部は伸び縮みし、長さは個体ごとに異なるが長いものでは10 cm超えるという。殻板は峰板、左右の楯板と背板の計5枚からなる。柄部で様々な基質に付着する。殻のてっぺんあたりから蔓脚を出し入れする。
生息域:太平洋全域
葛登支では時折漂流物について流れてくる?
生態:流木や廃材など海中を漂う物に群生して付着し浮漂生活を送る。蔓脚を使って餌を漉し取る濾過食者である。本種以外のエボシガイにはクラゲに付着する種や、魚に寄生するカイアシに付着する種も存在する。
貝と名がついてるが軟体動物ではなく、エビやカニなど節足動物の仲間である。有柄目の近縁な種にはカメノテが存在する。完胸上目の中でも有柄目は古生代まで系統が遡れる古い生物で、エボシガイはその中でもさらに原始的。
その他:貝ではない。重要なことなので何度でも言うが、貝ではない。
2021年7月23日 りった流木についてやってきた。次の日流木ごとなくなっていた。
2021年7月23日 りったエボシガイがたくさんついた流木
2021年7月23日 藤本蔓脚パタパタ
引用文献:
『フジツボ類の最新学』 日本付着生物学会編 恒星社厚生閣
『図説無脊椎動物学』 本川達雄 朝倉書店