オホーツクトゲモエビ

Spirontocaris ochotensis (Brandt, 1851)

レア度:いつでも見られる

形態:体長2㎝程度のモエビの仲間。体色は全体に赤っぽいものをよく見かける。頭胸甲と尾部は色づくが、腹部は基本的に透明で、頭胸甲と同じ色の色帯が2~3本横に入る。額角は縦に扁平で前方で下向きに広がる。額角上の棘は、平行四辺形のような形であることが特徴的。頭胸甲上に4歯があり、額角上縁に7~15歯、下縁に3~7歯を持つとされる。眼の上に飛び出る眼上棘は2本。後方の3胸脚(いわゆる歩脚)の先端(指節)は分岐して、2本の小さなツメがあるように見える。尾節(しっぽの中央のパーツ)の両側に小棘が5対あり、先端には同じく小棘が3つある。

生息域:葛登支では平磯の水路に普通。褐藻をガサガサしてもよくとれる。北方種で、東北以北~オホーツク海・ベーリング海に分布する。

生態:

その他:モエビの仲間は綺麗で個性的だが、同定するには小さな棘やツメを見なければならず、非常な苦しみを伴う。函館に産する種についてある程度の検討をつけるには、駒井(1994)が役立つかも。

2020年11月 大友
2020年11月 大友 額角の様子
2020年11月 大友 尾節の様子
2020年10月 大友
2020年10月 大友

引用文献:

  1. 駒井智幸, 1994. 日本海の陸棚性コエビ類(タラバエビ科・モエビ科・エビジャコ科)の分類学的概要. 水産庁 日本海区水産研究所 日本海ブロック試験研究集録 31: 81-107.