ニホンクモヒトデ

Ophioplocus japonicus H. L. Clark, 1911

レア度:たまに見られる

形態:直径2cmほどの盤部(真ん中の丸いところ)から5本の細長い腕が伸びる。盤部の表面は小さな鱗で覆われている。体色は濃緑灰色で、盤や腕に黒褐色の縞模様が入っている。裏返すと、脚の腹面は褐色。腕の一つ一つのパーツの両側に「腕針」という棘が3本ずつ生えることも特徴となる。盤の腹面(口側)が白っぽいことで簡易的に識別ができ、オレンジっぽいものはトウメクモヒトデ Ophiarachnella gorgonia の可能性があるとのこと。

生息域:日本海および銚子以南の太平洋岸に生息。ニホンクモヒトデという名前だが、韓国や中国南部にも分布している。葛登支では転石下でたまに見られる。

生態:富山湾における繁殖期は8月 (Komatsu & Shosaku 1993)。雌雄異体で体外受精を行う。スナクモヒトデは小型卵でオフィオプルテウス幼生期を経るのに対し (Yamashita 1985)、本種は大型卵でビテラリア幼生期を経る (Komatsu & Shosaku 1993)。

その他:移動するときは4本の腕を前方に伸ばし、後方に残した1本の腕で体を前に押し出すようにして素早く進む。

2020年10月 大友
2020年8月 山上
2019年8月 木戸
2021年5月 とみよし腹面
2021年6月27日 りった

引用文献:

  1. Yamashita, M. 1985. Embryonic development of the brittle-star Amphipholis kochii in laboratory culture. The Biological Bulletin, 169: 131–142.

  2. Komatsu, M. and Shosaku, T. 1993. Development of the Brittle Star, Ophioplocus japonicus H. L. Clark.Ⅰ. Zoological science, 10: 295–306.