ナガトゲクモヒトデ

Ophiothrix (Ophiothrix) exigua Lyman, 1874

レア度:めったに見ない?

形態:盤の直径は1㎝程度。腕の長さは、盤の直径の5倍くらい。盤の反口側は、短めのトゲによって密に覆われる。腕の背面に並ぶパーツ(背腕板)はひし形で幅が広い。腕の両側面には、多くのガラス質の長いトゲ(腕針)が生える。これによって、本種は「もしゃもしゃ」見た目になっている。カラーバリエーションが非常に多いらしい。盤の反口側、腕の基部にある1対の「幅楯」という小さな板が、クモヒトデ類の重要な分類形質になる。…のだが、本種ではこれがトゲに覆われて見えないことが特徴。近縁なトゲクモヒトデ O. (O.) panchyendyta は幅楯が完全に裸出することで識別できる。

生息域:潮間帯など浅い場所の転石の下に棲む。インドから西太平洋に広く分布する種で、日本では千葉以西の太平洋側と、日本海、陸奥湾から知られる。葛登支では…どこにいたのだろうか。気づいたらバケツの中にいた。

生態:雌雄異体。スナクモヒトデと同様、発生過程でオフィオプルテウス幼生期を経る (Kitazawa et al. 2015)。

その他:

2021年2月 大友
021年2月 大友
盤の反口側
2021年2月 大友
腕の背側を拡大したところ
2021年2月 大友
盤と腕の付け根、口側
2021年4月16日 りった
2021年4月16日 りった

引用文献:

  1. Kitazawa, C., Akahoshi, S., Sohara, S., Noh, J. T., Tajika, A., Yamanaka, A. & Komatsu, M. 2015. Development of the brittle star Ophiothrix exigua Lyman, 1874 a species that bypasses early unique and typical planktotrophic ophiopluteus stages. Zoomorphology, 134: 93–105.