Hippoporella cf. parva
(Androsova, 1958)

レア度:よくわからない

形態:群体は基質にへばりつく被覆性で、形は円形などさまざまだが、真ん中の方が盛り上がる。群体の大きさは直径1~2㎝くらい。厚く、白い石灰質の殻を持つが、虫体色がなんとなく透けて、全体にはオレンジっぽく見える。個虫同士は互いによくくっついて、境目は不明瞭になり、背側と腹側の区別はつかない。虫室の開口部は円形で、ほとんどまっすぐ上を向く。虫室口の前縁には非常に長いトゲが4~5本生えるが、あまりに鋭く長いため、肉眼でも群体全体がとげとげしているのが分かるほど。触りたくはない。

生息域:parva は、北部日本海やサハリンに分布するとされる。葛登支ではフシスジモク?の表面に付着していた。

生態:

その他:厚岸湾のコケムシ相をまとめた論文が役に立つかも(Grischenko et al., 2007)。H. kurileniss という種が類似するが、本種のシノニムと考えられている。kurilensis は棘の本数(5~6本)と、生息域が千島列島を主とする点で異なる。北のコケムシの論文はロシア語文献が多く、つらい。

2020年12月 大友
2020年12月 大友虫体も元気
2020年12月 大友

引用文献:

  1. Grischenko, V. A., Dick, H. M. & Mawatari, F. S., 2007. Diverstiy and taxonomy of intertidal Bryozoa (Cheliostomata) at Akkeshi Bay, Hokkaido, Japan. Journal of Natural History 41 (17-20): 1047-1161.