現在進めているプロジェクト

理研BDR 個体パターニング研究チーム (濱田博司チームリーダー) で、以下の研究を行っております。

マウス初期胚で右と左が決まる仕組みの解明

-「細胞から生えた毛」はどうやって細胞外の流れを感知しているのか-

これまでの多くの研究から、マウスにおいて心臓が左にあるといった体の左右非対称性は、受精後7.5日目に決まることが解ってきました。おヘソのあたりに、一過的な「ノード」と呼ばれるくぼみが形成されます。このノードには左向きの「ノード流」という流れが存在し、この流れを下流側の細胞が感知することにより、左右非対称な遺伝子発現が形成されるのです。とくに近年、細胞から伸びた「繊毛」という毛に存在するカチオンチャネルPkd2がその機構に必須であることが明らかになりました (篠原先生・濱田先生による総説)。

しかし、繊毛がどのようにこのノード流を感知しているかはいまだに議論が続いています。私たちは、この「繊毛」という毛が、ノード流による「力」を感知する「メカノセンサー」ではないかと考えています。私は、光ピンセットという光を使った顕微操作ツールを用いて「繊毛をつまむ」ことにより (論文プレスリリース)、この仮説を検証しています。現在、繊毛をつまんで「人為的に力を与え・変形を起こした」ときの、繊毛の応答 (繊毛内のカルシウム濃度変化など) の解析を行っています。

これまでの研究の紹介

Publicationsをご覧ください。