Dose Management Working Group(以下:WG)は線量校正時に安心できるような情報を提供することを目的とし,放射線治療かたろう会より設立されました.
このホームページではWGの活動の一環として収集させていただいた,
PTW社 Type 30013,IBA PPC40の
水吸収線量校正定数(ND,w)
Ramtec Solo/Duo, Ramtec Smart, PTW Unidos weblineの
分離校正時のM rangeの電位計校正定数(kelec)
Varian社 TrueBeam, Varian社 C-Series, Elekta社リニアックの
装置ごとの線質情報(X線:TMR,TPR20,10,電子線:R50,PDD)
線量校正に関わる各種補正係数(kQ,kpol,ks)
に関するデータを公開しております.
また,各施設のデータから,標準計測法12を用いて,DMU=1.00としたときの,
A. 標準状態の指示値(Mraw×kTP)
B. ND,wと標準状態の指示値(Mraw×kTP)の関係性
も,提供しております.こちらは下記に詳細を記載しています.多施設の標準的な値として線量調整時の参考にお考えいただければと思います.
本事業に対して,測定データをご提供いただきましたご施設,ご担当者様に御礼申し上げます.
本データが,皆様の線量調整時の安心につながれば幸いです.
(注意)これらのデータは参照値としてご使用ください.本データを利用した線量調整において,その精度を保証するものではありません.
(定義)
小さい値から数えたときに,総数の1/4番目に当たる値が第1四分位数,真ん中に当たる値が中央値,3/4番目にあたる値が第3四分位数となります.第1四分位数から中央値,中央値から第3四分位数まではそれぞれ全体の25%データが入っています.
箱の大きさに当たる第1四分位数と第3四分位数の間の範囲を四分位範囲(=IQR)といい,IQRには全体の50%のデータが入っています.
第3四分位数からIQR×1.5倍より小さい値が最大値,第1四分位数からIQR×1.5倍より大きい値が最小値となります.
また,その範囲外にある値は外れ値になります.
以下の,標準計測法12におけるDMU算出式(①)について
線量調整の理想状態(DMU=1.00)を想定し,①式をMraw×kTPについて展開すると,標準状態の理想的な指示値(②)を得ることができます.
また,ND,w×Mraw×kTPについて展開すると, ND,wと標準状態の指示値は反比例の関係(③)であることがわかります.
各施設の係数から,式②より多施設における「A. 標準状態の指示値( Mraw×kTP )」の平均値とSDを算出しています.また,式③より各施設の比例定数(式③の右辺)の平均値とSDを算出し,多施設のおける「B. ND,wと標準状態の指示値の関係性」を図示しています.
Aについては,各施設のND,wによらないPTW30013やPPC40を用いたときに100MU照射時の標準状態の指示値の参考となる値を,Bについては,各施設のND,wを横軸に見たときに,100MU照射時の標準状態の指示値の参考となる値を提供しています.
水吸収線量校正定数:ND,w
電位計校正定数:kelec (M rangeのみ)
装置ごとの線質情報と各種補正係数
・Varian TrueBeam (TreuBeam,Edge,Vital Beam)
4 MV 6 MV 10 MV 6 MV FFF 10 MV FFF
・Varian C-series(iX,Trillogy,Brainlab NovalisTx,Clinac系)
4 MeV 6 MeV 9 MeV 12 MeV 15MeV
・Elekta(VersaHD,Infinity,Synergy)
4 MV 6 MV 10 MV 6 MV FFF 10 MV FFF
4 MeV 6 MeV 9 MeV 12 MeV 15 MeV
データに関するお問い合わせ先:kataroukai.office(at)gmail.com (at)を@に変更してください.