唐津・糸島の自然豊かな山に

巨大風車、必要ですか?

唐津・糸島の山の未来を市民で決めていくために、

ダイワハウスグループが進める風力発電事業の是非を問います。

何が起こってるの?

ダイワエネルギー株式会社(本社・大阪)が進める風力発電事業「(仮称)DREAM Wind 佐賀唐津風力発電事業」によって

唐津と糸島の境にある脊振山系の稜線に約160メートルの巨大風車が8~10基建設されようとしています。

事業の対象区域は唐津市側ですが、糸島市にも隣接していて、景観や環境への影響は両県に及びます。

唐津だけ、糸島だけの問題ではありません

人の生活は県境や市の境で分けられません。

山の環境を変えることは、近隣の住民の生活だけではなく、

地域の林業、農業、漁業、観光事業、そして、そこに住む生き物全てに影響を及ぼします。

どこに建つの?

事業実施区域:

佐賀県唐津市七山白木、七山藤川、七山荒川を含む、脊振山系の女岳を中心とした稜線

(353ha=福岡ドーム42個分、田んぼ3530反)

予定地は全域、佐賀県立脊振北山自然公園の中に位置していて、糸島市にある福岡県の脊振雷山県立自然公園に隣接している。

※「(仮称)DREAM Wind 佐賀唐津風力発電事業環境評価方法書」大和エネルギー株式会社に基づく

(端末によってはGoogle Earth appが必要になります)


どんなものが建つの?

風力発電機:全長159m、出力3200~4200kw、8~10基

※「(仮称)DREAM Wind 佐賀唐津風力発電事業環境評価方法書」大和エネルギー株式会社に基づく

159mとは、鏡山(標高284m)の半分より高く、唐津城の5倍以上、福岡ドーム隣のシーホークホテルより10m以上高く、博多の駅ビルの2.6倍の高さです。


どんな影響があるの?

建設による環境破壊・災害のリスク

この巨大風車建設のために353ha(福岡ドーム42個分)に及ぶエリアが事業実施区域になっています。

その中心には土砂災害などを防止するために守られてきた保安林(土砂流出防備保安林)があります。

女岳付近は歴史的に見ても土砂災害の多いエリアで、これらを伐採することで、土砂災害のリスクを高める可能性があります。

更に約60mのブレード(新幹線2両分)を運ぶために、道路の拡張工事も行われます。

工事予定期間は2年間で、1日あたりにミキサー車の最高走行台数320台程度、1200t(軽トラ約1200台分)規格のクレーン車の導入が予定されています。

これらの大規模工事は、川や井戸水の水質へ影響する可能性もあり、工事期間の騒音、震動被害も懸念されます。

※1「(仮称)Dream Wind 佐賀唐津風力発電事業環境評価方法書」大和エネルギー株式会社に基づく


事故が起きたら?

世界や日本各地の風力発電機で落雷や暴風、経年劣化などによる火災、倒壊の事故が発生しています。

※12017年、唐津市の串崎風力発電所での火災事故は鎮火に16時間かかりました。

糸島市、唐津市には高さ35mのハシゴ車が1台ずつしかありません。

もし火災が発生した場合、山奥にある100m以上の建造物の消火活動は不可能に近く、ただ自然鎮火を待つことしかできません。

近年、台風や(雷を伴う)集中豪雨などによる自然災害は増えています。

※1佐賀新聞の2017/8/22の記事へのリンク


騒音・低周波のリスク

巨大な風車からは風切り音や、機械音などの、騒音、低周波音・超低周波音が発生します。

低周波音・超低周波音とは耳には聞こえないが遠くまで届く振動のような音のことです。

世界、日本各地の風力発電所近くで、これらの音が原因とみられる、頭痛、不眠、しびれ、倦怠感などの健康被害が※1多数報告されていますが、直接的な因果関係に関しては科学的な研究が確立されてない状態です。

音や振動の感じ方には個人差があるということもあり、多くの被害がその人固有の症状とされてしまいます。

現在、日本の環境省が定める※2騒音や低周波音に関する基準は、音の大きさ(dbデシベル)に関するものが中心で、

音の性質(どんな音か)や、暴露時間(音を浴びている時間)が人間に与える影響を包括的にみた基準は存在しません。

(同じ音の大きさでも、川のせせらぎを24時間聞くのと、蚊の羽音を24時間聞き続けるのでは、心理的影響は違います)

風車が稼働すると、その音は24時間365日、近隣住民全てに影響を与え続けます。

たとえ少数であっても、音に敏感な方や子供達の健康・生活に被害が及ぶことは許されません。

既存の基準にとらわれない、被害をゼロにするための研究・調査が望まれます。

※1朝日新聞デジタル「風力発電、近所で頭痛・不眠、環境省、風車の騒音調査」2009/1/18の記事へのリンク

※2環境省ホームページ、「騒音対策」についてへのリンク


バードストライク・動植物への影響

世界、日本各地で巨大風車への鳥や猛禽類の衝突事故(バードストライク)が※1報告されています

脊振山系は準絶滅危惧種であるハチクマなどの渡り鳥の渡りルートになっていて、建設後の衝突事故が懸念されます。

また鳥や猛禽類に限らず、建設工事によって多種多様な生物の生息地が奪われることになります。

※1日本野鳥の会、論説「風力発電が鳥類に与える影響の国内事例」へのリンク

観光・ビジネス・地域への影響

近年、糸島市はその自然の豊かさを生かし、観光業などを中心に地域経済を発展させてきました。

唐津市もまた人口減少、経済縮小を打破するために、豊かな自然を生かした観光事業に力を入れていて、近年、その努力が実を結ぼうとしています。

万が一、風力発電による自然破壊や健康被害、事故が報告された場合、

両市のブランドイメージは傷つき、基幹産業である観光業に大きなダメージを与えます。

また都会から豊かな自然を求めてくる移住者促進への弊害となり、周辺地域の過疎化を助長することになります。

唐津市景観計画には以下のように記されています。


「脊振山系の山林や斜面などの地形と緑は本市の骨格として、街の美しさや魅力を形成する基本的な要素である。

また、これらはそこにくらす人々にうるおいや、安らぎを与え、全ての生命の営みを支えてきた貴重な資源である」


唐津市がここまで守り抜いてきた自然を破壊してしまっていいのでしょうか?

耐用年数は20年、それって持続可能?

建設される風車の※1耐用年数は20年とされています。

2018年、※2淡路島で経年劣化による故障から放置されていた風車が台風により倒壊しました。

残骸は二年経った今も放置されています。

巨大なブレードは解体やリサイクルが難しく、海外では※3埋め立てなどの手段で処理されることもあります。

脊振山系に建てられた風車は20年後どうなるのか?

再び大規模な解体工事が行われたとして、その後には何が残るのでしょうか?

何千年、何万年という時間を経て紡がれた豊かな自然を、たった20年の発電のために犠牲する。

これは持続可能と呼べるのでしょうか?

20年後じゃない、50年後、100年後まで、ここに住み続けるのは私たちとその子供達です。

※1「(仮称)DREAM Wind 佐賀唐津風力発電事業環境評価方法書」大和エネルギー株式会社に基づく

※2神戸新聞NEXTの記事へのリンク

※3Bloomberg Greenの記事

再生可能エネルギーは大切です。

でも豊かな自然や生活を壊す価値はありますか?

それを決めるのは誰ですか?

地球温暖化が懸念される中、再生可能エネルギーを促進することは大切です。

しかし、そのためなら全てが許されるということではありません。

本当に他の方法はないのでしょうか?

何千年にも渡って守られてきた豊かな自然や、そこで暮らす人の生活への影響を考え、

それらを天秤にかけた時、それでも再生可能エネルギーを選ぶというのなら、

その決断は、そこに暮らす人たちによってのみ行われるべきではないでしょうか?

行動を起こす

Take Action

「環境評価方法書」に対する意見書の提出

2020年1月14日よりこの事業に関する「環境影響評価方法書」の縦覧が始まりました。糸島市役所生活環境課、一貴山・深江・福吉の各コミュニティセンター、唐津市七山市民センター、唐津市役所生活環境対策課などで縦覧できるほか、大和エネルギー社ホームページでも公開中です。

https://www.daiwa-energy.com/news/20210215/index.html

この方法書に意見書を提出することは、環境評価法で定められた市民の声を企業・行政に届ける手段です。

【縦覧期間:令和3 年4 月15 日( ) まで】意見書の募集は令和3 年430 日( )締め切りです。

住民説明会への参加

ダイワエネルギーによる説明会が実施されます。是非、参加して、何が起こっているか知ってください。。

(4月5日更新)

<唐津市>

令和3年4月9日(金)18:30~21:00

場所:七山公民館

佐賀県唐津市七山滝川1252


<糸島市>

令和3年4月10日(土)

9:00~11:30

場所:伊都文化会館

福岡県糸島市前原東2丁目2-7


<佐賀市>

令和3年4月10日(土)15:00~17:30

場所:富士公民館(フォレスタふじ)

佐賀県佐賀市富士町大字古湯 2624





情報を拡散する

唐津・糸島市民の間でも、まだまだこの事業を知らない人が大勢います。より議論を活発にして、声を大きくしていくために、SNSなどを使って情報発信をお願いします。

市町村・企業への問い合わせ

この事業に関して、質問・意見・懸念などがある方は、唐津・糸島・佐賀の各市町村に問い合わせたり、企業に直接問い合わせてみてください。声が多く届くことで、市民がこの問題に関心を持っていることを知らせることができます。

「唐津^糸島の山の未来を考える会」のfacebookグループに参加して、意見や情報を交換することができます。

協賛のお願い

「唐津^糸島の山の未来を考える会」の会では、今後、様々な活動を通して、「Dream wind佐賀唐津風力発電事業」に関する議論を活発にしていきたいと考えています。声を大きくしていくために、賛同していただける企業を募集しています。詳しくはfacebookグループより問い合わせください。