鑑賞を鑑賞する

Appreciate Appreciation


作者

仲沢実桜|Mio NAKAZAWA

楊 梓桑|Zisang YANG

堀部 咲歩|Sakiho HORIBE


本作品は、来場者が「東京大学制作展2022」の作品を鑑賞した経験を、描き手となる私との対話をとおして語り、その対話のプロセスをダイナミックなビジュアル(文字・形・色彩)によって描いたものである。

語られた鑑賞経験は、そのままでは目に見える形では残らないが、ビジュアルを見ながら対話することで、ビジュアルに触発された気づきが生まれうる。また、対話の後に残されたビジュアルを見ることによって、自身の鑑賞経験を振り返る契機にもなるだろう。

体験インスタレーションについて・参加方法


本作品で実施する体験インスタレーションは、

あなたが東京大学制作展2022で作品を観て回った経験を会場のその場で振り返るものです。

その際、作者が対話のプロセスをダイナミックなビジュアル(文字・形・色彩)によって描きます。

経験を振り返って語り合いながら、そのようなビジュアルによって触発される体験をお楽しみください。


※ 本体験の特性上、東京大学制作展2022の他の作品を鑑賞した後に参加することを推奨します。



参加方法

来場前の事前予約は、こちらのリンク先からご確認・お申し込みください。

https://iiiexhibition2022-appreciation.peatix.com/


すでに会場にお越しの方は、作品エリアにいるスタッフ(作者)に声をかけて、参加を希望する旨をお伝え願います。

作品ギャラリー

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【描き手】仲沢 実桜


【言及された作品】Oddly Satisfactory


【所感】

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【描き手】仲沢 実桜


【言及された作品】Growing_shadow


【所感】

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【描き手】楊梓桑


【言及された作品】Growing_shadow』『gear-with_out』『curtain ver.2』


【所感】去年制作展参加されたかたが今年来場者として楽しんでいただきました。色々感想を語り合っている中、『gear-with_out』で、歯車が離れたり近づいたりするところは人間関係のメタファーみたいで面白かったと共感を得ました。もし歯車同士が追いかけっこしたらもっと人間っぽい感じが出るかもしれません。

また、Extraの時から引き続き同じ場所に展示される『curtain』は、規模だけではわくコンセプトもさらに深まってて聖地巡礼的な安心感を得たようです。

最後に、今年の制作展は全体的に定番なMedia Artの枠を超えたとても新しく面白いアイデアが提示され、大変楽しかったという感動的なコメントをいただきました。

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【描き手】仲沢 実桜


【言及された作品】『Inclusive Quiet Room -共生社会を目指して-』


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【描き手】仲沢 実桜


【言及された作品】『Cathrophony』『curtain ver.2』


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【描き手】楊梓桑


【言及された作品】『curtain ver.2』『30 sec?』


【所感】中山未来までの道のり、銀杏の葉っぱが敷いた道で看板を探しながら会場まで辿り着くのが探索っぽくて楽しかったという感想をいただきました。また、雨の日だけど、世界と繋がるように感じられる晴れの日と違って、一人の時間をゆっくり楽しめるというところに共感を覚えました。

『30 sec?』について、江ノ島からいらしゃった方が60秒、東京在住の方が36秒という結果について色々語り合いました。東京に来てから時間感覚が結構変わったところに、留学生の私もすごく共感を覚えました。産業革命以前の人間は、お香を焚く時間、水を沸かす時間などでゆるやかで線形的なライフを過ごしてきたが、時計が使われて以来人間の生活は数字に細かく切り刻まれるようになったとも言えるのでしょう。

最後のお二人の似顔絵を描かせていただきました。遠いところからわざわざお越しいただきありがとうございました!

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【描き手】楊梓桑


【言及された作品】『30 sec?』『curtain ver.2』『ひかりあつめ』


【所感】感覚について二人の来場者さんと色々語り合いました。『30 sec?』で体感する時間のジグザグ;機械の大きい動きとカーテンの柔らかい動きのコントラストからもたらす不思議さ;人間から感じる猫の静かさと猫から見る都市のノイズ。

そこから発展し、美術館などを見た後、感想を文字ではなく絵に残すことで記憶が定着しやすいと一人の来場者の方と共感を覚えました。さらに、自然のもたらす感覚の記憶は潜在的にわたしたちを癒してくれることについても話し合いました。例えば葉っぱを踏む音、雨の匂い、お香を炊く時の雰囲気......

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【描き手】楊梓桑


【言及された作品】『curtain ver.2』『100年前の東大生』『ひかりあつめ』『30 sec?』


【所感】3人家族の来場者さんは、各々自分の好きな作品について語ってくださいました。お子さんは『curtain ver.2』はとても楽しかったけど、なんで楽しかったのかよくわからないようです。お母さんは『100年前の東大生』から感じる孫とおじいさんの絆から歴史を感じたとおっしゃいました。お父さんは『ひかりあつめ』の影からできる虹が特に好きと教えてくださいました。

また、お子さんは特に漢字が好きらしく、自分の思っている一番難しい感じをサインに残してくださいました。

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【描き手】仲沢 実桜


【言及された作品】Listen to my cooing』『Mechanical Brain Hacking』『Sound Tattoo』『ema NEW FACE』


【所感】

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【描き手】仲沢 実桜


【言及された作品】『30 sec?』


【所感】

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【描き手】堀部咲歩


【言及された作品】『ひかりあつめ』『鑑賞を鑑賞する』


【所感】『ひかりあつめ』をみたときに制作者の方と話すことができて、自分では気付かないことを知ることができてよかったみたいです。氷の形や容器の大きさによって溶け方、光の集まり方が違うことを聞くことができたみたいです。昨日は青い色付きの氷だったとお話ししたところ、「みたかったな〜」とおっしゃってました。

同じ作品でも見る人によって感想が違うとお話をしたところ、「人によって経験が違うのでフィルターにかかって出てくる」とおっしゃっていました。

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【描き手】仲沢 実桜


【言及された作品】『ココロミタ』『マイ模様』『curtain ver.2』

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【描き手】堀部 咲歩


【言及された作品】『Plunk City -harmonized-』『30 sec?』


【所感】


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【描き手】堀部 咲歩


【言及された作品】『Plunk City -harmonized-』『30 sec?』『Mechanical Brain Hacking


【所感】『Plunk City -harmonized-』では、他の方が既に弦を張っていて、その上に自分が追加できることが、「未来と過去の共奏」だとおっしゃってました。

『30 sec?』を体験してみて、自分の時間感覚が間違っていることを気づいたみたいです。実際の生活では、時計の秒針を見て生活しているとおっしゃってました。

『Mechanical Brain Hacking』を体験して、自分の右手を動かしている時左手が動いていると、「トラッキングがずれているな…」と感じたらしいです。体験した後、右手が自分の右手じゃないような感覚になったらしいです。安心してください。それは、ガシャガシャ手をグーパーしていると、すぐ治るみたいです。手は増えた方がいいとおっしゃってました。

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【描き手】仲沢 実桜


【言及された作品】『Sound Tattoo』『line』『text-Walk』『curtain ver.2』

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【描き手】楊梓桑


【言及された作品】『30 sec?』『Cathrophony』『ひかりあつめ』


【所感】『30 sec?』でキラキラで明るい景色が作られたことがすごいという素直な感想を聞かせてくださった来場者さんでした。そこから、地元の富士山が見える富士見坂の景色と、アートフェスやっている夜の二条城の景色が好きと教えていただきました。

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【描き手】楊梓桑


【言及された作品】『Cathrophony』


【所感】映像の音響関係のお仕事をされている来場者さんは、『Cathrophony』で猫を立てる音を真似るのと、効果音で違う音で足音などを代用するのと共通性を見出したとおっしゃいました。そこから発展し、映像制作で効果音と音楽の違いについて話してくださいました。例えば、効果音は主に迫力とAuthenticityを出すのがメインの役割で、音楽の方がもっと感情を引き立てることや時代性の表現がしやすいらしいです。

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【描き手】堀部 咲歩


【言及された作品】『30 sec?』『gear_with-out』『Oddly Satisfactory』『line』『cubiSm』『マイ模様』


【所感】『30 sec?』では、時間感覚が正確だったので、嬉しかったです。浅瀬の海でクラゲが泳いでいて、綺麗でした。

『gear_with-out』ぐるぐる歯車が回っていて、人間のドラマに感じました。

『Oddly Satisfactory』イメージは金と細かい機械と青いにゅるにゅる。

『cubiSm』老朽化した人間。老朽化した人間はどんな顔をしていますか?とお聞きした所、威厳のある顔だとおっしゃっていました。

『マイ模様』で作成されたものを見せてもらいました。手裏剣のようなトゲトゲした形で、ご自身の好きな緑と紫でできた素敵な模様でした。かなりこだわって作ったようです。

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【描き手】堀部 咲歩


【言及された作品】『ひかりあつめ』『Cathrophony』『Mechanical Brain Hacking』『curtain ver.2』


【所感】水泳を昔やってて、『ひかりあつめ』を見た時にプールの底みたいで、懐かしいと感じました。

『Cathrophony』を見て、自由だなと感じました。それを聞いてた相手の方は、猫は本当に自由なのか?人間から見た猫に可能性を感じているのではないか?と問いかけていました。

『Mechanical Brain Hacking』を体験した時、自由だな!とか解放される!という印象を持ちました。体験する時にかなり痛かったみたいです。

私(堀部咲歩)が思う面白い作品は『curtain ver.2』です。カーテンがない時は、認識してなかった空間が、カーテンがある事によって「空間が有る」と認識できるようになる所が面白いです。鳥居と似てますね、と鑑賞者の方がおっしゃってました。キリスト教の教会は施設自体が神域ですが、神社は建物だけでなくて鳥居を入った所から、神域な所が面白いですね。日本人は「枠組み」の中でおもろい事をするのが好きなのかもしれません。(五七五など)

「枠組み」でおもろいことをする事と「自由」な場でおもろいことをする事の対比に気づきました。鑑賞者の方が「自分の中にネコを持て」とおっしゃっていました。自分という「枠組み」の中に「自由」の存在なネコを持つことにより、どんなおもろい事ができるのか?とても興味深いですし、私もその精神で生活してみたいです。

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【描き手】楊梓桑


【言及された作品】『curtain ver.2』『ひかりあつめ』


【所感】「ゆったりとした空間体験を得た」と自分の感覚をキーワードとして表現した来場者さんでした。第3会場は、全体的に暗く冷たい雰囲気があるけど、かえってぼーっとできるような安らげる空間になったという。それはおそらく座って体験できる作品群と、ぼんやりとしたイメージを作り出した『curtain ver.2』と『ひかりあつめ』のおかげだと思われたようです。

特に『curtain ver.2』について、室内にいるもののまるで室外にいる感覚を得たらしいです。それについて私も、マンションの屋上に布団を干した幼いごろの記憶が呼び起こされました。

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【描き手】仲沢 実桜


【言及された作品】『Inclusive Quiet room』


【所感】ひとつの作品についてじっくり考えるうちに、対話した来場者さん自身の気づきや問題意識にまで深まり、それを共に表現することができたと感じています。


●「自分が安心できるのは、緑や自然よりも、ピカピカした光や音なのかもしれない。」
健常者とそうでない人を対比した際に自分がどちらなのか、実感としては曖昧なのに、外的な基準で線引きされてしまうという気づきが生まれました。


●「リラックスの色は、暖かい色。これはきっと外が寒いから。」
また、上の話に続いて、自分の感覚が相対的・文脈的であることの自覚もされました。


最後に、来場者さんとの対話を経て、「健常者の感覚」と「障がい者の感覚」という言葉を対立させてくっきりとしたペンで書いたことに強烈な違和感を抱いた私は、それぞれの文字を上からこすってぼやかしました。

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【描き手】堀部 咲歩


【言及された作品】『gear_with-out』『Growing_shadow』『Inclusive Quiet room』『一葉』


【所感】『gear_with-out』が一番印象に残った作品でした。歯車はぴったり合う時と、合わない時があって、それが人との関係を表しているようでした。人も一緒で、人によって合う人と合わない人がいる。歯車を1周回すとまた同じところに戻ってくる様子を見た時、2017年の時の友達(今は会ってない)が、またいつかあっても自分は友達と思うだろうという考えと重ね合わせていました。

今の社会は、刺激を求めていますが、『Inclusive Quiet room』では、リラックスできる場所を提供していて、よかったです。中に柔らかいクッションがあって、それが誰かとハグしているようで、人とのつながりを感じました。

『一葉』はInteractive Artで、つながりを感じました。

他に面白かった作品は、『Growing_shadow』で、影が人や花になっていて面白かったです。

人とのつながりは、なんの色で表しますか?と鑑賞者の方にお聞きしたところ、明るい青とおっしゃっていました。理由は、好きな色が青だからです。それが印象的でした。

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【描き手】仲沢 実桜


【言及された作品】『Mechanical Brain Hacking』『iiiex2022 メインビジュアル』『Growing_shadow』『curtain ver.2』会場看板


【所感】この回は4人で鑑賞経験を振り返りました。

さまざまな作品を観た経験を共有していく中で、「境界がどう融合するか」というテーマが浮かび上がってきた際には「まさに今回の展示会テーマのEmulsionじゃないか!」と参加者の方と一緒に私もハッとしました。

体験者とそれを見ている人の境界については、『Mechanical Brain Hacking』を体験している人の没入感が、「おっ」の一声で、体験者を見ている人にも感じられたそうです。

他にも、概念を表すメインビジュアルに身体的に触れることや、物体の方から動いて鑑賞者に働きかけることも、境界に作用したのかもしれません。

「境界ってどう融合するのかな」「境界をどうしたいのかな」と、話を終えた後も想像がやみませんでした。

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【描き手】楊梓桑


【言及された作品】『curtain ver.2』』『ひかりあつめ』『text_walk』


【所感】曖昧でランダムだけど心地よいものがお好きな来場者だので、全体的な色使いもタッチも来場者さんのイメージから連想したものを使いました。

普段気付けないものを提起してくれるアートは素晴らしい存在だという共感を得ました。私たちの日常の中でどこもアートが潜んでいるのではないでしょうか。

来場者さんは1ヶ月に50軒以上ギャラリーを回ってきた方で、資生堂ギャラリーと庭園美術館の展示を進めてくださいました。

その後、来場者さんは自分のアートとテクノロジーの融合となる作品が好きと教えていただいて、メーカーフェスで出展した『文楽』という作品も説明してくださいました。

制作展は毎年必ず訪れる好きな展示らしいので、今年も楽しめていただいて嬉しいです!


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【描き手】楊梓桑


【言及された作品】『Inclusion Quiet Room』『立体浮世絵』


【所感】『Inclusion Quiet Room』では、HMDをかぶる時と外すときも同じような心地よい部屋の中にいられて、リアルとヴァーチャルの連続性がよかった。来場者方は登山の時の体験を提起し、山頂では一人だけど、自然と街と人間が全て繋ぐような感覚を思い出していらしゃったという。

その後、来場者さんは自分のアートとテクノロジーの融合となる作品が好きと教えていただいて、メーカーフェスで出展した『文楽』という作品も説明してくださいました。

制作展は毎年必ず訪れる好きな展示らしいので、今年も楽しめていただいて嬉しいです!


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【描き手】楊梓桑


【言及された作品】『立体浮世絵』『EMA』『text-walk』『マイ模様』


【所感】作品自体を見るより、作者と一緒に作品について語り合い、作品自体では見れない人間性を見出せます。

記念品となる『マイ模様』をいただいて、とても嬉しそうでよかったです。やっぱりマイナンバーみたいな数字より、このような特別なものの方がいいという共感を得ました。

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【描き手】仲沢 実桜


【言及された作品】情報学環オープンスタジオにある作品全体


【所感】作品全体に共通して、作者の知覚的関心が感じられたというお話を聞きました。

時間・空間・音という文字に表れたそれぞれ異なるニュアンスに対して、娘さんと「おおー!すごいね」「うん、すごい」と呼応されていたのがステキでした。

時間・空間・音に向かう関心をどのように描くかを一緒に探ったのも印象的でした。

最初は直線で引いてみたのを消して、揺れる電波のような線に書き直した時、「こういうかんじ!」と精緻な言葉にならないまましっくり来る感覚を共有できたように思います。

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今回は、「東京大学制作展2022」会期前のプレ実践として、森美術館で開催された展覧会『地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング 』の鑑賞経験について対話したものです。

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【描き手】仲沢 実桜

【言及された作品】『ヘーゼルナッツの花粉』(ヴォルフガング・ライプ)、『夜の植物』(エレン・アルトフェスト)、『腐る南瓜』(エレン・アルトフェスト)、『自然の呼吸:アロカヤサラ』(モンティエン・ブンマー)

【所感】この展覧会は、昨今のパンデミックをはじめとする急速な変化がテーマだったが、むしろ「変化」とは対照的な「不変」を感じた、という呟きから始まった対話でした。

「生」きた素材から成る作品をきっかけとして、長い時を経て残るものや、その残り方について、考えを交えました。

画像下半分に描かれた地球のビジュアルは、グローバルに残ることを表したものでしたが、それを見て「宇宙から見ているみたい」という超俯瞰的な視点が生まれたことがおもしろかったです。

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今回は、「東京大学制作展2022」会期前のプレ実践として、森美術館で開催された展覧会『地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング 』の鑑賞経験について対話したものです。

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【描き手】楊 梓桑

【言及された作者】飯山由貴、小泉明郎、青野文昭

【所感】飯山由貴のドメスティック・バイオレンス(DV)をテーマにした作品群について、チームメンバーはアートというよりドミュメンタリー・社会活動だと感じた話があった。そこから、この作品はなぜ森美術館に展示されるのかについて議論したところ、「複合文化施設である六本木ヒルズに位置され、かつ22時まで開いている森美術館は、他の美術館よりも一般客層(ここでは美術館や展覧会などにあまり興味がない方を示す)にとってアクセスしやすい性質がある。そのため一般客に向けて発信するアクティビティとしてとしてこの作品が位置付けられても良い。」という意見が出た。実際、会場には多様な客層がいた。


しかしそれだと、会場構成的に飯山由貴の作品群から、小泉明郎の催眠術がかけられる暗い展示室、青野文昭の破壊された物体で作り上げられた八木山橋までの動線が、怖い雰囲気を醸していて果たして一般客向けなのかという冗談まじりの疑問もあった。催眠の部屋は言わずもがな、『八木山橋』も、暗い照明配置の上、ところどころ人型のアウトラインが事故現場を想起させる。「パパ、ここ怖いよ」と半分泣きながら通る子供に、「怖いね、よしよし大丈夫だから」と慰める父親もいた。実際会場構成の方に意図をインタビューしたい気持ちになった。


そう言いながらも、今回だけではなく森美術館の展示はキュレーションが親切だという意見に全員が共感を覚えている。他の現代アートを扱う美術館と比べ、作者の経歴紹介だけではなく各々の作品に対する作者の思いが読み取れるキュレーションになっていて、アートに関してあまり知見がない方も楽しめるような展示が多かった。これも森美術館のキュレーターが多様な来場者像に対応するための配慮だと思うと色々と納得いった。

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今回は、「東京大学制作展2022」会期前のプレ実践として、森美術館で開催された展覧会『地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング 』の鑑賞経験について対話したものです。

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【描き手】堀部 咲歩

【所感】芸術家は、何を思って作品を作り、鑑賞者は、作品をどう評価するのか?について話しました。

まず、作家について考えると、聖貧主義で有名なゴッホなどは、真の芸術をみたい、悟りを開くような芸術との関わり方でした。一方、ピカソは全く違う主義でした。

次に、鑑賞者について考えると、国によっても、評価される作品の特徴が違います。日本では、作品をどれだけ時間をかけて作ったか、ハイカロリーな作品が評価されやすいとお話しがありました。しかし、アメリカでは人との繋がりが評価されやすいとお話しがありました。

みなさんは、どんな作品が好きですか?

自分の国籍、経験、人生観によって作品の評価が変わることが面白いと思いました。作品は語らない。鑑賞者は語れる。色んな人と語って、この作品に関わる来場者の方と作品を作って、混ざっていきたいです。

リンク

『鑑賞を鑑賞する』

Instagram

https://www.instagram.com/iii2022_appreciations/

※投稿内容は本ウェブサイトと同一です。

東京大学制作展2022「Emulsion」

公式ウェブサイト