2021年度

ハイブリッド形式

時間/Time: 13:30 -- 15:00

発表者/Speaker: 濱名 裕治 氏 (筑波大学) /Yuji Hamana (Tsukuba University)

題目/Title: Square-root boundaries for Bessel processes


ハイブリッド形式

時間/Time: 14:50 -- 16:20 (I)

発表者/Speaker: 大井 拓夢 氏 (京都大学数理解析研究所 博士課程) / Takumu Ooi (RIMS, Kyoto University)

題目/Title: Dirichlet形式を共分散とするガウス場のマルコフ性と強マルコフ性

要旨/Abstract: Dirichlet形式を共分散とするガウス場がマルコフ性を満たすこととDirichlet形式がlocalであることの同値性について述べる。 これはDirichlet形式がtransientの場合はRöckner(1985)が証明し、recurrentで(AC)条件と呼ばれる条件を満たす場合は福島,大島(2018)が証明した。 さらに福島,大島(2021)はrecurrentな場合にマルコフならばlocalであることも示した。本講演ではこの残りの部分の証明について説明した後に、強マルコフ性についても述べる。

時間/Time: 16:30 -- 18:00 (II)

発表者/Speaker: 北川 潤 氏 (ミシガン州立大学) / Jun KITAGAWA (Michigan State Univ.)

題目/Title: 最適輸送と放物線型モンジュ・アンペール方程式

要旨/Abstract: 最適輸送問題の解を求める手法として、ある放物線型方程式の定常解から導くというものがある。 本講演ではこの放物線型方程式の解の正則性、及び時間が無限に行く場合の漸近挙動について話す。一部 F.Abedin との共同研究に基づく。


zoom seminar

時間/Time: 15:00 -- 16:30

発表者/Speaker: 岡嵜 郁也 氏 (東北大学大学院理学研究科) / F. Okazaki (Tohoku University)

題目/Title: Fractional harmonic map に対応する部分多様体上のマルチンゲールについて

要旨/Abstract: リーマン多様体間の可微分調和写像は定義域のブラウン運動を値域の多様体上の連続マルチンゲールに写すことが知られている. 本研究では fractional harmonic map の確率論的な対応物を考える. Fractional harmonic map はDa Lio, Rivi`ere (2011) により導入された分数冪ラプラシアンに関する調和写像であり, これは部分多様体をターゲットとする非局所ディリクレ形式に関する調和写像の一例である. 本講演では部分多様体上の不連続なマルチンゲールを適当に定義すれば, 非局所の場合においても, 対応するマルコフ過程を通して調和写像を確率過程により考察できることを紹介する. またそのように定められたマルチンゲールの概収束に関する命題を示し, 調和写像への応用を述べる.


zoom seminar

時間/Time: 09:00 -- 10:00

発表者/Speaker: 小宮山 純平 氏 / Junpei KOMIYAMA (NYU Stern School of Business, US)

題目/Title:バンディット問題と最適腕識別問題

要旨/Abstract: 本講演では、多腕バンディット問題およびその亜種である最適腕識別問題についての主結果を紹介する。 多腕バンディット問題(バンディット問題、multi-armed bandit problem)は、 複数のアームと呼ばれる候補から最も良いものを逐次的に探す問題である。 アームという奇妙な単語はこの問題のもとになったスロットマシン(バンディットマシン)の比喩から来ている。 予測者はいくつかのスロットマシンを与えられ、それぞれのスロットマシンを引くと対応した(ランダム性のある)報酬が得られる。 予測者の目標は繰り返すアームの選択を通じて得られる報酬を最大化することである。 バンディット問題のテーマは探索と活用のトレードオフである。短期的には、 現時点での経験期待報酬が高いアームを引くのが良い(情報の活用)。しかし、 真の期待報酬が高いアームが、これまでたまたま運悪く少ない報酬しか得られていなかったということが低確率で発生する。 これを防ぐためには、すべてのアームを全体的に引く必要がある(情報の探索)。 予測者は、良いアルゴリズムに従って情報の活用と探索をバランスする必要がある。 また、バンディット問題の亜種で情報の探索の効率化のみに興味を絞った最適腕識別問題(best arm identification)についても紹介する。 バンディット問題に関する研究は、大きく分けてアルゴリズムに関する研究と、 どのような実問題をバンディット問題のモデル枠組に落とし込むかという研究に分かれる。 本講演では、前者のアルゴリズムの構成について大偏差原理との関係を解説する。slide


ハイブリッド形式 (Zoom; 関西大学第4学舎1号館 1301教室/Kansai University, 4th School Area, 1st Buld., R1301)

時間/Time: 15:00 -- 16:30

発表者/Speaker: 原 宇信 氏 (北海道大学) / Takanobu HARA (Hokkaido University)

題目/Title: Lp-Lqトレース不等式とその特異楕円型問題への応用

要旨/Abstract: Lp-Lqトレース不等式とよばれる埋め込み定理の q<p の場合を考察する. 特に Green 関数を用いて不等式成立の必要十分条件を与える. さらに結果を領域境界で発散する非線形項をもつ楕円型方程式の均質化問題へ応用する.


zoom seminar

時間/Time: 15:00 -- 16:00

発表者/Speaker: 上村 稔大 / Toshihiro Uemura (Kansai University)

題目/Title: Some estimates of symmetric stable-type processes with singular/degenerate Lévy densities

要旨/Abstract: 原点で発散する,または退化する密度を持つ対称 α-安定型過程を Dirichlet 形式を通じて考える. 対応するマルコフ過程について,いくつか分かったことを報告する.本講演は竹田 雅好氏との共同研究である.


zoom seminar

時間/Time: 09:00 -- 10:00

発表者/Speaker: 大和田 孝 氏 / Takashi Owada (Purdue University, US)

題目/Title: Limit theorems for topological invariants of extreme sample cloud.

要旨/Abstract: The main objective of this work is to study topological crackle from the viewpoints of Topological Data Analysis (TDA) and Extreme Value Theory. TDA is a growing research area that broadly refers to the analysis of high-dimensional datasets, the main goal of which is to extract robust topological information from datasets. Topological crackle typically appears in the statistical manifold learning problem, referring to the layered structure of homological cycles generated by ``noisy" samples, where the underlying distribution has a heavy tail. We establish various limit theorems (e.g., central limit theorems, strong laws of large numbers) for topological objects, including Betti numbers -- a basic quantifier of homological cycles, and the Euler characteristics.


zoom seminar

時間/Time: 14:40 -- 16:10 (I)

発表者/Speaker: 濱口 雄史 氏 (大阪大学大学院 基礎工学研究科) / Yushi Hamaguchi (Osaka University)

題目/Title: 無限時間後退確率 Volterra 積分方程式と確率制御

要旨/Abstract: 本講演では、無限区間 $[0,\infty)$ 上で定義される後退確率 Volterra 積分方程式とその確率制御への応用について得られた結果を紹介する。 後退確率 Voltera 積分方程式 (backward stochastic Volterra integral equation; BSVIE) とは、後退確率微分方程式 (backward stochastic differential equation; BSDE)の Volterra 型の拡張である。Yong (PTRF, 2008) によってBSVIEが導入されて以降、 時間非整合性を考慮した確率制御問題や、(前進)確率 Volterra 積分方程式 (stochastic Volterra integral equation; SVIE) に関する確率制御問題への応用を念頭に、 BSVIEの諸性質が盛んに研究されてきた。しかし、既存の BSVIE に関する理論や確率制御への応用は、いずれも有限時間の設定に限定されている。
 本研究では、「無限時間 BSVIE」を導入し、有限時間 BSVIE についての既存の結果を、時間に関する重み付き$L^2$空間上に拡張・精密化した。 また、特異な係数を持つ SVIE に関する無限時間上で定義された確率制御問題の最適戦略を、上述の無限時間 BSVIE を用いて特徴付けた。 これらの結果の例として、先行研究では扱えなかった、非整数ブラウン運動を含む非整数階 SDE(Caputo fractional SDE) の制御問題や、非有界な遅れを持つ SDE(stochastic integro-differential equation) の制御問題において、最適戦略の特徴付けに成功した。
参考文献:


時間/Time: 16:30 -- 18:00 (II)発表者/Speaker: 森 隆大 氏 (京都大学 数理解析研究所) / Takahiro Mori (Kyoto University, RIMS)

題目/Title: L^p-Kato class measures and their relations with Sobolev embedding theorems for Dirichlet spaces

要旨/Abstract: 本講演では, Dirichlet 空間の Lebesgue 空間への連続埋め込みと, 付随するレゾルベント核の可積分性について議論する. これは加藤クラス測度に関する Stollmann-Voigt 不等式の L^p への拡張であり, 対応するクラスも加藤クラスの L^p 版となる. 逆に L^{2p'} への連続埋め込みから p<p'に対する L^p-加藤クラスが得られることも説明する. 次に, レゾルベントの減衰のオーダーの評価を持つ L^p-加藤クラスのサブクラスと, Gagliardo-Nirenberg 型の補間不等式との関係を述べる. 時間に余裕があれば Dirichlet 空間と L^2 空間の補間空間との関係も述べたい. 最後に応用として, L^p-加藤クラスと, 複数の独立な Markov 過程に関する交差測度の時間に関するH\"older連続性との関連を述べる. 本講演は [Mori (2021), doi.org/10.1016/j.jfa.2021.109034]に基づく.


zoom seminar

時間/Time: 18:00 -- 19:00

発表者/Speaker: 早川 知志 氏 / Satoshi Hayakawa (University of Oxford, UK)

題目/Title: Estimating the probability that a given vector is in the convex hull of a random sample

要旨/Abstract: 独立同分布な確率ベクトルをいくつか生成した際,その凸包に空間上の定点 θ が含まれる確率を考える. 本講演では,この確率に Tukey depth と呼ばれる量(θ を含む閉半空間の測度の下限)が密接に関わっていることを示し, 先行研究では得られていなかった向きの鋭い評価を与える.またその結果と Berry-Esseen 型の評価を合わせることで, 確率ベクトルのモーメントのみに基づいた一般的な評価も与える.時間が許せば、この問題の背景にある cubature とその確率的アルゴリズムによる構成についても触れる. 本講演は Terry Lyons,Harald Oberhauser 両氏(University of Oxford)との共同研究に基づく.