2017年度

場所: 第4学舎1号館1301室

時間: 15:00 〜 16:30

講演者: Arturo Kohatsu-Higa 氏 (立命館大学理工学研究科)

講演題目: Unbiased Monte Carlo Methods for diffusions and its functionals. The parametrix point of view

講演要旨: In the present talk we will present the basics of the proposed method together with some related topics. In particular, we will discuss first the Multi Level Monte Carlo method and the unbiased simulation method in one dimension. Then we will proceed to explain the basics of the parametrix method from the stochastic point of view. In particular, we will discuss the infinite variance problem for the first order method and then show how to solve this problem using a second order method.
The presentation will start from very basic principles and will be based on joint works with V. Bally, P. Andersson and T. Yuasa.


場所: 第4学舎1号館1301室

時間: 13:30 〜 15:00 (I)

講演者: 永沼 伸顕 氏 (大阪大学基礎工学研究科)

講演題目: Malliavin calculus for Dyson Brownian motions

要旨: 本講演では,Dyson Brown運動に対してMalliavin解析を適用した結果について報告する. Dyson Brown運動はドリフト係数に特異性を持つ確率微分方程式の解として定式化されるが,その様な解に, 通常用いられる非退化の判定条件を適用して分布密度の存在や連続性を考察することは難しい. そこで,Florit-Nualart (1995) の提唱した局所非退化と呼ばれる判定条件を用いることで, Dyson Brown運動の分布密度の存在や連続性を示す.本研究は,田口大氏(大阪大学)との共同研究に基づく.

時間: 15:30 〜 17:00 (II)

講演者: 竹田 雅好氏 (東北大学理学研究科)

講演題目: 緊密性をもつ対称マルコフ過程における準定常分布の存在と一意性

要旨: 必ず消滅するとしても, ある時間スケールでは平衡状態を保っているようにみえる現象がある. この様な現象を数学的にモデル化する方法として, 準定常分布をもつ生存時間有限なマルコフ過程がある. 数学的には準定常分布の存在と一意性, ヤグロム極限の存在が問題になる. 保存的でなく, ある種の緊密性を もつ対称マルコフ過程に対しては, 準定常分布の存在と一意性が示せ, さらに内在的超縮小性を仮定すると, ヤグロム極限になっていることを示す.


場所: 第4学舎1号館1301室

時間: 13:30 〜 14:30 (I)

講演者: 上原 啓輔 氏 (神奈川大学工学研究科)

講演題目: Zakai filter の有限次元射影空間における数値計算について

要旨: 時間とともに変化する物理現象を, 真の信号に雑音が加わった観測データをもとにして, 各時点ごとに順次推定する問題は, フィルターの問題と言われている. システム(信号過程)に線形性がない場合, 線形カルマンフィルターを適用しても, 良い結果は得られない. この改善策として, 非線形フィルターが必要である. しかし, 非線形システムに対するフィルタリング問題(Zakai filter) は, カルマンフィルターに比べ, 扱いが著しく難しい. よって, 非線形フィルターの実行にはコンピュータによる効率の良い数値計算手法の開発が不可欠である. Zakai filterを定義する Zakai 方程式は, 1969 年に発表されたが,当時の技術では実計算が不可能であった. ここでは, 現代の処理技術に基づいた, Zakai の方程式の数値計算法を提案する.

時間: 15:00 〜 16:30 (II)

講演者: 野場 啓 氏 (京都大学理学研究科)

講演題目: On optimal periodic dividend strategies for Lévy risk processes

要旨: We revisit the optimal periodic dividend problem where dividend payments can only be made at the jump times of an independent Poisson process. Recent results have shown, in the dual (spectrally positive) model, the optimality of a periodic barrier strategy where dividends are paid at dividend-decision times if and only if the surplus is above some level. In this paper, we show its optimality for a spectrally negative Lévy model with a completely monotone Lévy density. The optimal strategies and the value functions are concisely written in terms of the scale function. Numerical results are also given. (Joint work with J.L. Perez, K. Yamazaki and K. Yano)


場所: 第4学舎1号館 数学科実験実習室(大セミナー室)

時間: 15:00 〜 16:30

講演者: 赤堀 次郎 氏 (立命館大学)

講演題目: Supersymmetry in Wiener Space

要旨: ウィナーカオスがボゾン(ハイゼンベルグ代数)の表現を与えることはよく知られているが, フェルミオン(クリフォード代数)の表現も与えることができることはあまり注目されていない. この講演では後者を用いてフェルミオンのガウス積分(のようなもの)が確率面積を用いて 構成できるという結果(蓬原秀実氏による)を報告し,その応用として佐藤グラスマン多様体の 確率論的実現が得られることを報告する.また,まだ十分には解明されていないが そのほかの確率論的実現(R. Friedrich らによるレブナー方程式を用いたもの, 池田信行氏,谷口説男氏,小谷真一氏によるもの等)との関係を考察したい.その中で, 指数定理との関係にも言及する予定である.


場所: 第4学舎1号館1301室

時間: 15:00 〜 16:30

講演者: 畑 宏明 氏 (静岡大学)

講演題目: 一般的な非線形確率ファクターモデルを用いた保険会社の最適投資問題


場所: 関西大学 第 4 学舎 1 号館 1301 教室

時間: 15:00 〜 16:30

講演者: 塩沢 裕一 氏 (大阪大学)

講演題目: Spread rate of branching Brownian motions

要旨: 多次元分枝ブラウン運動に対して,遠方で十分小さい測度を分枝率に持つならば, 拡散度があるシュレディンガー型作用素の固有値から定まることを示す。 この結果は Erickson (1984) および Bocharov-Harris (2014) の拡張にあたる。