13:00 - 14:00 厚地 淳(慶應義塾大学)
複素多様体上の拡散過程と関数論
概要:リーマン面上の関数論をその上のブラウン運動の性質と絡めて考えることは、非常に古くからおこなわれている。角谷によるリーマン面の型問題とブラウン運動の大域的挙動についての関係に対する考察などは確率論と関数論の本質的関係を示すものといえるだろう。リーマン面の拡張としての高次元複素領域や複素多様体上で同様なことを考えることは自然な流れといえる。福島-岡田によるディリクレ形式を用いた正則拡散過程の構成とそれを用いた多重劣調和関数に関する研究、金子氏による正則拡散過程の再帰性を用いた多重劣調和関数のリュービル型定理の拡張やモンジュ-アンペール方程式の確率論的表現などが知られている。このような歴史を踏まえて本講演では、講演者による確率論的手法を用いた正則写像の値分布論について述べたい。主にケーラー多様体上でのブラウン運動の構成やそれもとにしたネヴァンリンナ理論に対する平易な確率解析を用いた手法について述べる予定である。
14:10 - 15:10 竹田 雅好(関西大学)
対称マルコフ過程における拡張された意味での保存性と消滅による爆発
概要:PDFファイル リンク
15:30 - 16:30 金子 宏(東京理科大学)
複素解析幾何と離散空間上の確率過程
概要:講演者が研究を始めた頃の複素構造と確率過程の連関のあり方を確認しつつ,厚地淳氏との共同研究におけるグラフ上のリーマン・ロッホの定理,グラフ上のネヴァンリンナ理論のために適用した伊藤の公式の活用のされ方等と,グラフ上の曲率を念頭におきつつ,大学院生とのコラボレーションの中で導いた,グラフ上のランダムウオークに関する伊藤の公式の適用等を概括する.複素解析幾何学的観点から,幾つかの研究での類似性や差異をどのように認識する必要があるか,今後に向けて概観する趣旨も含める予定とする.