ドクターカーについて
Doctor Car
Doctor Car
ある年の暑い夏、私は一人の小学生を失いました。
水難事故で運ばれてきた心肺停止の少年を救えませんでした。絶え間ない胸骨圧迫も、ECMOも、効果はありませんでした。楽しい海水浴の思い出を、あの子とそのご両親から奪ってしまいました。
あの時何ができたのか、毎日自分に問いました。しかし、いつも何も浮かびません。難しいケースであったことは分かっています。
でも、考えたいのです。何もできなかった…少なくとも、病院のドアのこちら側では。
ドン・キホーテとして挑むなら、現場でしか救えるチャンスはないのでしょう。いつも懸命に命を紡いでくれる消防と協力して、一刻も早く医療チームが患者に触れることでしか、救えるチャンスはないのでしょう。
今も、あの子の顔が目に浮かびます。今もあの子のご両親の泣き声が聞こえます。
いつか現場で救える命を救って、あの子に報告したい。
ドクターカーは、その希望を運んでくれるはずだと信じています。
救急科科長 岡島正樹
ドクターカーの運用について
運行時間は24時間365日を目指します。
ドクターカーは平日医師・看護師・救急救命士の原則3名体制で運用します。
夜間や土日祝日に関しては、医師・救急救命士の2名で出動する
ラピットカーとして運用します。
まだまだ出動できる日は不定期ですが、少しずつ出動件数、3名体制で運用できるよう努めていきます。
ドクターカー出動について
ドクターカーは消防覚知時点、もしくは救急隊現場到着後に必要と判断した場合に即座に出動します。
要請内容として心肺停止、重症急性疾患・重症外傷など緊急性の高い症例を想定しています。