・言葉は音から
言葉には、恐らく何万年もの歴史があります。それに比べると文字の歴史はずっと浅い。文字が読める人の割合「識字率」が90%を超えるのは、先進国でも20世紀に入ってからです。19世紀のイギリスでは人口の40%が字を読めなかった。でも英語はあったし、文字なしでみな英語を身に付けていたのです。つまり、『言葉は、音声を通じて学ぶようにできている』。私たちもまた、日本語を文字なしで身に付けました。文法なんて全く知らなくても日本語が身に付きましたよね。
・文字と文法は、補助手段
ですから、英語を身に付けるには、英語が共通語である国でしばらく暮らせばよいのです。誰でも必ず身につきます。外国から来たお相撲さん、皆日本語上手です。特別に教えるわけではない、ただ日本語を強制するだけだそうです。それだけで日本語ペラペラになれる。しかし、英語を学ぶのに日本で普通に暮らしていては、そう言う体験はできない。その経験不足を補うための補助手段として、文字で英語を学び、文法を習うのです。あくまで、基本は音です。音と結びつかない言葉は身に付きなせん。英語を読むことが暗号解読になってしまいます。
こういうことをふまえて、英語学習の基本を並べてみます。
☆英語学習は声を出して
自宅で一人でやる以外殆ど方法がない。図書館や塾の自習室で大声出すわけにはいきません。
☆単語は発音とアクセントをまず覚える
新しい単語に出会ったら、まず発音とアクセントをしっかり身に付ける。電子辞書はには音声がついている。google に単語を放り込んで、発音のボタンを押すだけ。意味は、その次。綴りは最後でよい。
☆テキストを音読せよ
英語を身に付ける最良の方法は、毎日英語を母国語とする人と英語でコミュニケーションすることですが、それはできない。それに代わる方法としてあげられるのが、テキストの音読です。おおよその意味と発音が確認できたテキストを声をあげて何回も読む。これが一番オススメの英語勉強法。暗唱してしまうのが理想ですが、それはなかなかしんどい。目安は『滑らかに読めるようになるまで』です。テキストとしては、まず、教科書の本文、例文。更に問題集の、英作文や整序問題の解答。これらが滑らかに読めたら、基礎固めは十分。高校生が大学受験勉強として英文解釈の勉強をする時も、英文を滑らかに読めるようになるまで音読する。
☆音読は黙読、速読の基礎
小学校のはじめの頃、国語の音読が宿題になりませんでしたか。実はこれ大変大事な宿題で、音読をしっかり重ねた人は読書力がつく。速読できるようになる。音読は音と文字を結びつける訓練。音と結びついて初めて、文字が言葉になる。『夢』という文字を見るとまず「ユメ」という音が頭に浮かんで、それが意味を引き出す糸口になる。英語も同じ。『dream』を見て発音が浮かばなくては、黙読はできない。
☆リスニングは電子メディアの活用
電子メディアの発達で、語学学習の環境は大きく変わった。リスニングを鍛える手段は豊富にある。利用しない手はない。