数学は道具
習うより慣れろ
スマホを使うように
習うより慣れろ
スマホを使うように
数学は、数、量を処理する道具です。羊の頭数を数えたり、収穫物の重さをはかったり、お金の計算をしたり・・・。文明の発達と共に、数学も発達してきました。(この歴史を調べるのも興味深いことなのですが)自然科学が発達すると、その道具として数学は飛躍的に進歩します。近代数学は、物理学を記述するための道具として、物理学と共に発達しました。17世紀から19世紀までの著名な数学者は同時に物理学者でした。数学が独立した学問と見なされるようになったのは、ごく最近のことなのです。数学はあくまで「道具」なのです。
道具を上手に使えるようになるには、どうしたらよいでしょうか。使ってみることです。『習うより慣れろ』と昔から言われてきました。
スマホを手に入れたとします。(この文章を読んでいる中高生は大抵スマホで見ているはず。)先に取り扱い説明書を全部読みますか。いや、まず電源入れて使ってみるでしょう。最初は、うまく動かない、どうして良いか見当がつかない、予想外の動き方をする。わからなくなったら取説を読む、その方が説明書もわかりやすい。読むのがめんどうなら友人に聞いてみる。使っているうちに機能が少しずつわかってきて、スムーズに使えるようになる。なぜ、このような機能がついているのか、その理由もわかってくる。使っているうち、だんだん高度な使い方がしたくなる。そうすると詳しく調べてスマホの知識が豊富になる。
数学の世界も同じです。よくわからなくても、まずやってみる。問題を解いているうちに、付き合い方がわかってくる。わからなかったら、友人にコツを聞いてみるのも良い方法ですね。わからなくなってから教科書や参考書を読み返すと、より深く理解できます。「理解してから問題を解く」と順番を決めるのは間違いです。理解することと、問題を解くことは、同時並行なのです
スマホの例に帰ります。アプリを自分で開発しようとしたらどうでしょう。こうなると、取扱説明書以上の深い知識が必要になります。(凄い機能が詰まっているのですよ。中に入っているコンピューターは40年前の世界最高をしのぐ性能。その上、GPS、磁気、加速度・・様々なセンサー。)ただ使っているだけでは、アプリを自作できるようにはなれません。
数学も、ただ問題を解いているだけではより高度な応用に進むことはできません。じっくり教科書や参考書を読み込まなくてはなりません。
慣れ親しむには、まず使ってみるに限る。これはおぼえて下さい。但し、数学はスマホほど使いやすくない。それでガイドとしての先生がいる、この教室がある。