ウシのように
反芻(はんすう)して消化する
反芻(はんすう)して消化する
反芻(はんすう)動物をご存知ですか。牛や羊は反芻動物です。彼らは、食物が(枯れ草でも)あったら、とにかく食べられるだけ飲み込んでしまいます。彼らにはたくさん胃袋があって、一度飲み込んだ食物を口に戻してゆっくり咀嚼(そしゃく=かむこと)し直し、次の胃袋に移していく。これを何度も繰り返すことで、人間には消化できないものまで栄養源に変えることができます。ヤギさんが手紙を食べてしまう歌がありますね。彼らの胃の中には人間にはない微生物がいて、食物をゆっくり発酵させ、麦わらの繊維まで消化する。おいしいミルクしてしまう。
数学の新しい概念を学ぶことは、食べ物の消化と似ています。ですから、数学の勉強について、ヤギさんウシさんから学ぶことは多いのです。
数学の理解は、こんな風にして進むものです。むずかしい概念もいつか、栄養たっぷりのミルクに変わります。難しい、解らないとあきらめてしまわず、とりあえず呑み込んでおいて、何回もかみ直し、ゆっくり時間をかけて消化する。これが数学の勉強です。
「わからないこと丸おぼえするのはイヤ」
それだけの理由で数学を苦手にしている人は結構多い。数学を得意とする人は、すぐわかるから得意なのではなく、わからなくてあもきらめずに呑み込んでしまうから得意科目にできるのです。