緊急事態宣言解除後の5月26日, 米国の中国批判とそれに対する中国の反応がテレビで話題になっていた. 新型コロナウイルスは,世界に衝撃的なダメージを与えているが, 最も大きな損害を被っているのは. ほかならぬ世界最強国の米国である(参考資料).
トランプ米大統領は5月6日, 新型コロナウイルスは「我々が経験した中で最悪の攻撃だ. パールハーバー(1941年, 旧日本海軍の真珠湾攻撃)や世界貿易センタービル(2001年, 米同時多発テロ事件)よりひどい」, 「これは決して起こるべきではなかった. 発生源の中国で止めることができたはずだ」と述べて. 中国責任論を展開した.
5月9日には, 感染者数は130万人を超え, 死亡者数は8万人に迫る勢いで, いずれも世界最大である, すでに, 朝鮮戦争で死亡, 行方不明になった約4.5万人, さらにベトナム戦争の死亡者数約6万人を超えており, トランプ大統領は「これは戦争だ」と表現した.
5月20日, トランプ大統領は, 感染拡大で多数の犠牲者が出ていることをめぐり, ツイッターで「世界規模の大量殺人を引き起こしたのは『中国の無能さ』以外の何物でもない」と主張し, 新型コロナをめぐる対中批判のトーンを一段と高めた.
5月25日, 中国の王毅外相は,新型コロナウイルスの感染拡大について, アメリカで中国批判が高まる現状を「『政治ウイルス』が拡散している」と表現し, 反発した. 米国大統領選挙が影響していると思うが, しばらくは両国の対応に目が離せない状況が続くものと思われる.
昨夜(25日)の安倍首相の緊急事態宣言解除の記者会見で, 「日本ならではのやり方で, わずか1カ月半で流行をほぼ収束させることができた. 日本モデルの力を示した」と述べた. それを受けて, 各国の報道機関やWHOの宣言解除に対する評価が報道されていることもあり, 改めて世界の感染者数を調べてみた. 正直言って国内の感染状況だけに気を取られていたこともあり, 米国の感染者数(5月25日時点)が日本の100倍であることにびっくりした. 以下に5月25日時点での外務省海外安全ホームページのデータ(上位10カ国)を引用表示した.11位以降は参考資料を見てほしい. なお, 1万人当たりの感染者数では米国は9位である.
日本は少ないと喜んでばかりはいられない. 感染爆発に至っていないのに, 医療は崩壊寸前, PCR検査能力不足, 病院のたらい回し, マスクやガウン不足, 医療の脆弱さが露呈してしまった. 二回目の流行は大丈夫と思ったら大間違いであり, 次回流行のための準備時間が与えられたとみなすべきである.