「漫画家になりたい!」そう夢見る人は減っているのかもしれない。出版社の方々からも、新人賞への応募が以前より少なくなっていると聞きます。一方で、電子コミック市場は絶好調なのに、制作現場ではアシスタント不足が深刻で、漫画家さんの負担は増すばかり。残念ながら、過酷な労働環境が原因で、志半ばで筆を折ってしまう漫画家さんも少なくありません。
私たち日本の漫画は、世界に誇る文化です。でも、このままではその輝きが失われてしまうかもしれない――。そんな危機感から、私たちはKAKITEプロジェクトを立ち上げました。
ご存知の通り、漫画家さんは一人で作品を生み出すために、膨大な時間、体力、そして精神力を費やしています。ヒット作を生み出すためには、たくさんの作品を世に出す「多作」も重要。でも、その一つ一つにすべてを注ぎ込むとなると、どんなに才能があっても限界があります。
私自身、プロの漫画家として10年以上活動してきました。これまでたくさんの作品を手がけてきましたが、あまりに仕事の比重が大きく、せっかく舞い込んだお話を泣く泣くお断りすることも何度もありました。「書き手がいなければ、作品は世に出ない」。そして、作品が世に出なければ、漫画業界全体が縮んでしまう。この「負の連鎖」を、何とかして断ち切りたいと強く願っています。
そこで私たちが目をつけたのが、近年急速に市場を拡大している**Webtoon(ウェブトゥーン)**の制作体制です。Webtoonでは、一つの作品を複数のクリエイターで分業して制作するのが一般的。この効率的なやり方を、日本の漫画制作に「逆輸入」できないだろうか? そう考えたのが、KAKITEプロジェクトの始まりです。
このプロジェクトでは、一つの作品を複数の才能あるクリエイターが協力して作り上げます。それにより、
漫画家さんの負担を軽減し、より多くの作品を世に送り出す。
新しい漫画家志望者が、より早くプロとして活躍できる場を提供する。
才能ある書き手が活躍できる機会を増やし、漫画業界全体の活性化に貢献する。
KAKITEプロジェクトは、日本の漫画業界が抱える課題を解決し、世界に通用する素晴らしい作品をこれからも生み出し続けるための、新しい挑戦です。この取り組みが、未来の漫画文化をより豊かにしていくことを目指しています。
2025年からKAKITE作画チームプロジェクトの活動を開始!
作画家の一人がKAKITEプロジェクトに参加して作画力を上げ、この度漫画賞を受賞!新たな新人漫画家人生をスタート。
今後もこういった漫画家志望者たちの技術力を高め業界に放出していきたい次第です。