代表:石川城太(学習院大学国際社会科学部)
概要
グローバル・バリュー・チェーン(GVC)は、1990年代以降に情報通信技術の飛躍的な発達によって通信費用や貿易費用の大幅な低下がもたらされたことで構築され、世界経済の統合と成長に大いに寄与してきました。しかし現在、GVC は、(Ⅰ)地政学的緊張、(Ⅱ)経済社会の急速なデジタル化、(Ⅲ)気候変動という舵取りの極めて難しい経済的・社会的課題に直面し、その変容を迫られています。世界経済の更なる成長のためには、これらの課題に適応したGVCの変容が不可欠です。本研究では、早急な対応を要する上記3つの課題、及びそれらに対する経済政策や経済的対応策がGVC に及ぼす直接的・間接的影響を現地調査・理論分析・実証分析を通じて明らかにします。そして、そこで得られた経済学的知見に基づいてGVC を通じたグローバリゼーションのあり方を再検討し、新国際経済秩序の確立を探究します。
3つの研究課題
課題Ⅰ:地政学的緊張下のGVCの実証的把握と国際貿易秩序の検討
課題Ⅱ:デジタルエコノミー下におけるGVCの変容と新たなルール構築
課題Ⅲ:GVCの展開に伴う温室ガスの排出責任制度の検証
お知らせ
Hitotsubashi-Gakushuin Conference on International Trade and FDI 2025
Date: Dec. 13-14
Venue: TBA
7th H2K Workshop on International Economics
Date: Aug.29-30
Venue: Saunders Hall 515D, Department of Economics, University of Hawaiʻi at Mānoa