参加者ガイドライン

今回のワークショップは「環境音を録音して公開する」というものです。

街の中に流れている音を録ることになるので、権利的なこと、プライバシーのことなど配慮する必要があるかもしれません。


そのためには、どんなことに留意する必要があるでしょうか?


ここでは、「こんなことについて考えておくと良いかもしれない」という例を挙げています。

これを参考にしつつ、みなさんの常識に照らしてワークショップに参加してみてください。


著作権など知的財産権のこと

「音楽」や、CMなどに使われている「サウンドロゴ(エステー社のCMで流れる「ピヨピヨ」など)」など、特定のクリエイターが作った「作品」であるような音は著作権などの知的財産権で保護されています。そういった音を他人が高品質に複製して別の用途に利用/公開することは「知的財産権の侵害」になる可能性があります。

ですが、屋外などの公共空間に流れているものを録音することは、どう考えるべきか微妙です。

屋外ライブの音楽を丸ごと一曲録音してネット公開できるようにアップロードすることは違法かもしれませんが、他の音を録る際にたまたま一緒に録れたような低音質のものを一部分だけ公開するような場合は、判断が分かれることになるでしょう。

ここでその詳細に踏み込むことはしませんが、さしあたり以下のことに留意しましょう。

  • ・屋内の録音は気をつけましょう

  • →例えば店内BGMなどは、そのお店の許可なく録ることは控えたほうが良いでしょう

  • ・「音楽」を丸ごと一曲録音するのはやめましょう。

  • →曲そのものを丸ごと高音質で録音して公開すれば、さすがに権利侵害とみなされる可能性が高くなるでしょう。

そのほか、著作権や商標権などの知的財産権は複雑に入り組んでいる上に時代に合わせて変化してゆきます。その全てを把握し、完全に法律に準拠するのはとても難しいことである一方、今回の試みのような市民の自主的な試みは前向きに進めるべきだとも考えられます。

一般的な視点として、「他人の権利を侵害しない」ということを意識する必要はありますが、まずは録音/公開してみて、仮に知的財産権所有者から指摘があった場合はその人の意見を聞き、その結果としてこちらが権利侵害をしていると考えられるような場合は、素直に公開してあるデータを削除しましょう。


プライバシーのこと

一般論として、人のプライバシーを侵害してはいけません。

当然のことながら「盗聴」などは絶対にやってはいけません。

そのほか、屋外であっても知らない人の会話を勝手に録音することはよくないでしょう。

常識に照らして、人のプライバシーを侵害するようなことをするのはやめましょう。


人の不愉快なことはしない/ひとことことわってみよう

録音そのものだけでなく、人は、「なんだかよくわからない機械(録音機)をかざしながら近所をうろうろしている人」が自宅の近所にいたら、嫌かもしれません。

一般論として、人に不安を与えるのはよくないでしょう。

一方で、ひとことことわりを入れてから録音すれば許してくれる人もいるかもしれません。

でもでも、その時の頼み方が失礼な言い方だったらやっぱり嫌な気持ちになる人もいるかも…

などなど、考えればキリがありません。

ご自分の感覚に照らして、「人の嫌がることはしない」という観点はいつも持つようにしましょう。


録音のために、法規を犯してはいけません

例えば、ある音を録音するために他人の私有地に勝手に立ち入ってはいけません。

録音や公開そのものだけでなく、その過程で法規を犯すような行動をしていないか?ということにも留意しましょう。


録音して良いか?公開して良いか?

ネットで公開して誰でも聞けるようにするのはダメでも、録音して個人で楽しむ分にはよいということはあるかもしれません。

録音するときに「録音して良いかな?」と考えるのと併せて、公開するときに「公開して良いかな?」も、考えるようにしましょう。


もしも判断に迷ったら

今回のワークショップでは、録音して良いか迷った時の相談窓口を開設しています。

参加者の方には、当日までにURLをお送りします。

ワークショップ参加中に心配になったら、こちらまでご連絡ください。


そうは言っても、楽しみましょう!

他人に迷惑をかけてはならないのは当たり前ではありますが、過剰に心配せずにまずは今回のワークショップを楽しみましょう!