教育開発センター 押鐘由理子
私たちにとって身近で必要不可欠な「水」。
水道水、ミネラルウォーター、井戸水など色々な種類がありますが、それらの「硬度」(水の硬さ。マグネシウムイオン、カルシウムイオンなど2価の陽イオンが含まれる度合い)を知る探究例です。
今回は、水の硬度測定法のうち、「セッケン法」を少し簡単にアレンジして、ご家庭や高校で気軽にできる方法を紹介します。
硬度が高い水のほうが、セッケンが泡立ちにくくなる現象を利用しています。
東京都町田市 芹ヶ谷公園の湧水
用意するものは、泡ハンドソープ、コップ(またはビーカー)、かき混ぜる棒(割り箸、ガラス棒)、何種類かの水です。調べたい水を、それぞれ別のコップに同量入れ、泡ハンドソープを1プッシュずつ(泡立ちの様子によって調節)加えてかき混ぜます。
水の種類によって、泡立ちの様子はどうなるでしょうか。
泡立ちの少ない水から多い水へと、コップを順に並べ替えてみてください。水の硬度ランキングの完成です。
なかには、硬度の値が近い水どうしでは、泡立ちの差が見分けづらい場合があります。その場合、実験の方法を少し修正してみてください。
水の量、加える泡ハンドソープの量、かき混ぜる時間、反応を待つ時間などを再検討し、比較したいものどうしで条件をそろえて行います。
コップの中の泡立ちの様子を写真にとっておくとよいでしょう。それぞれ、どのコップにどの水を入れたか必ず記録しておきましょう。
市販のミネラルウォーターには、硬度が記載されているものがあります。それらを基準にすると、その他の水のおおよその硬度(の範囲)が推定できるかもしれません。
また、持ち寄った水がどこの水なのか、採水地・居住地などと硬度を関連させて考えてみることで考察が発展します。
グループに分かれて、次のような流れで実践してみましょう。
① 水、セッケンについての事前学習を行う。
② 色々な種類の水を集める。例:各地の水道水、市販のミネラルウォーターなど
③ 上記の方法で実験を行う。
④ 必要に応じて、②、③を繰り返す。
⑤ 模造紙やパワーポイントなどで、実験結果をまとめる。
⑥ プレゼンテーション、ディスカッションを行う。