電気電子情報工学科 情報エレクトロニクスコース 杉村博
家という身近なテーマなので、自分の住まいや身近な家電製品などに興味が湧いてきて、もっと知りたいという意欲が湧いてくるかもしれません。
電気やソフトウェアなど、目に見えないものが、実際の人間の生活に密着して活躍しているということに新しい視点で世の中を見るきっかけになるかもしれません。
出典:SDGsAction!:https://www.asahi.com/sdgs/article/14810147
まずは実際に販売されているIoT機器を調査したり触ってみましょう。
インターネットで調べるだけでなく、具体的に家電量販店に調査に行くのも良いです。予算に都合が着くのであれば簡単な機器を購入して実際に設置して利用してみるのも良いでしょう。工業高校などですでにプログラミングやマイコン設計などを学習済みであれば、マイコンを利用したIoT機器の開発まで挑戦してみましょう。
神奈川工科大学では、下記の無料ソフトウェアを提供しておりますので、こちらを利用していただいても良いと思います。
Windows, Mac, Linux用スマートホームコントローラー
https://plis.sugi-lab.net
本学で提供しているPLISという無料のスマートハウスコントローラソフトウェアを利用すると、住宅に設置した全てのIoT機器のデータをデータベースに集約して蓄積できます。これをデータ分析に活用することで、自分の生活リズムを分析したり、改善を考えたりといった発展ができます。より健康になるための分析を目指したり、勉強に集中するための生活リズムを作るにはどうするかを考えたりといった、探究者の目的に合わせてデータは活用できます。
また、ソフトウェア自体はフリーで提供しているので、探究学習が終わった後もそのまま利用できるので、生徒の将来的な発展についても期待できるかもしれません。
PLISに蓄積された生活データの例
まずは開発そのものについて探究させることができます。具体的な開発練習の後で、アイデアを出してオリジナルのIoT機器を作っても良いし、従来のIoT機器を利用してオリジナルな目的を達成するシナリオを考えても良いし、データ収集後に分析をしても良いです。いずれにせよ、自らがアイデアを考えて、実装するなかで困難を解決した道筋を考察できれば十分な内容と言えるでしょう。
下記はオリジナルIoT機器を開発するプロジェクトの場合です。
4月 IoTスマートハウスの概要を学ぶ、世の中の調査
5月 IoTスマートハウスの具体例を実習する
6月 グループワークまたは個人で開発するIoT機器のアイデアを作成し発表
7月 開発する内容の設計図やアルゴリズムについて調査・検討、書類作成
8月 プロトタイプ実装及び中間報告(方針、現在の状況、これまでに探究したこと、現在の課題)
9〜11月 実装の続き及び、完成した場合は発展
12月 実装した機器に関して、様々な場所で動作実験(自宅、学校、ほか)
1〜2月 年度のまとめと発表