シュレディンガーの探偵
とある一人の探偵の話
彼は確かに存在しているが、確かに存在していない。
彼はかつてとあるデスゲームに参加していた。だが、参加していない。
彼は様々な世界線で生きている。
ただ、共通している事は、自ら犯罪を作り上げて自分の手柄にするマッチポンプ方式で探偵業を営む最低な男である。そして趣味をエアードロップ痴漢とし、そこに深い意味は持っていない。
彼の幼少期は厳しい両親の勉学への強迫観念中育ち、遊ぶことを知らぬまま育った。しかし独立した彼には何も残されていない。只管に自分は間違っていないのだと、結果を証明するために手を染めるのである。
デスゲームに参加した世界線の彼はその最後を自らの推理で終えることとなる。「犯人は…私だ」そう告げて引き金を引いた。