「Eucidation!」

秀才で偏屈な時計技師と自称助手が不可解な時間停止事件に挑む!

烏滸絵 

庵團歩麗楼の異常は時空にも現れる。それを視認し触れる事ができるのも僕たちだけだ。

さて…君の時はどうして止まってしまったのか。この問題は果たして僕の手を煩わせるのに相応しいのか…鑑定しよう。

随分考え事の持ち主だ。だが、僕らの苦労は一見したってわから無いものだよ。「くそったれ」が正解だ。

ぬかった!この僕が!ちくしょうめ!!

額を隠す理由

安眠のために

光も陽の目も明るい時だけ見つめていて欲しいのですわ。

影の美しさは私にはまだちょっぴり早いのですから。

庵歩時計技師(時間停止を解決出来る人間)である鬨守如据とは昔からの知人で、自身の体を戻すためにも毎日掛け合っているが生憎相手にされていない。今は勝手に彼の助手を名乗り、毎日遊びこと事件解決の手伝いをしにきている。…が、その実は雑用や掃除ばかりで良いように使われているばかりである。

趣味は読書にピアノに花占い…乙女よ乙女と言う事に重ねて令嬢ということもあり、大方の嗜みを楽しんでいる。但し料理と裁縫はイマイチで直感的な事が得意な様子。最近は鬨守の謎解きに追いつくためにも…と判じ絵や謎かけに時間を注いでいるらしい。

彼女の両親は西洋へ渡り、暫く帰って来ることは無い。二ヶ月に一度程度、手紙でこそ通じているが、その寂しさは使用人たちでも埋めることは難しい。

その感情を忘れるためにも、鬨守の所へ遊びに行っては邪魔をしているのかもしれない。我儘や高飛車な性格もそれ故で、根の優しさが証明している。

時間停止は時が経つほど元の歳に戻った時の誤差によって死亡リスクが高い。だが戻ってしまえば彼女は鬨守といる理由が無くなる。彼が訳無くして人と居る所を見たことが無い。

だからと言って問題を放置することは死を選ぶのと同然であった。

それでも秒針は進み、彼女の微睡みも終わりに迫っていく。

姫野瑠美の真実

姫野瑠美の時間停止理由は鬨守如据への恋心である。時を再び刻むことは出来たとして、彼女は彼の傍にいることが出来なくなる。命をとるか、幸せな時を取るか。彼女の選択する時間は長くない。