備える介護

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ライフサイクルと健康


人は、受精卵として始まり、発育して胎児、出産で赤ちゃんとなる。

そして、幼児期や児童期や思春期を経て、青壮年機、老年期、最後は死を迎える。

この生命環(ライフサイクル)連綿と繰り返すのは一握りの生殖細胞である。

それ以外の細胞は生命環の輪を外れると、老年期に入り健康レベルを低下させつつ終末期を迎える

老年期は個体としての死に向かう過程であるから、加齢とともに健康レベルが低下するのは避けられない。

だが、人生の集大成期であり、幸せたるべき老年期である。誰にも訪れる最期、その終末期から逆算した。

家族に囲まれ幸せな日常

多くの高齢者は自宅での最期を望む。
自宅の畳の上で老衰し穏やかに大往生する理想の姿を描いている。

寝たきりの負のスパイラル

しかし、介護はしばしば突然にやってくる。そして、寝たきりで臥位排泄を選択せざるを得ないシチュエーションにも遭遇する寝たきりの高齢者では、驚くほど短期間のうちに 廃用症候や認知機能障害の症状を呈することがある。

臥床とそれに伴う臥位排泄、廃用症候や認知は相互を増悪する負のスパイラルの関係にあって、廃用症候や認知は寝たきりの状況を更に悪化させ排泄自立度を下げる。

認知症の大半は老化に伴うアミロイド性蛋白の蓄積がベースにある。運動、食事、余暇活動、社会的参加、認知訓練、活発な 精神活動等はそれを修飾し、発症を抑制したり進行を遅延する効果を示す。しかし寝たきりとそれに伴う臥位排泄、特に悪い臥位排泄環境は真逆進行を速めてしまう。負のスパイラルに陥ると、在宅の介護は極めて困難になってしまう。こうした終末期の介護への不安から、何としても介護施設に入居したい、入居させたいと考える。

臥位排泄における便臭の課題

寝たきり時の排泄とそれに伴う便臭は在宅介護の最重要課題と言っても過言でない。

寝たきり排泄には、介護おむつ、差込便器、自動排泄処理機が利用される。介護おむつと差込便器は便臭の拡散を避けられない。

半世紀前、トイレは殆どが汲み取り式であり我々の周りに漂う便臭があった。今やトイレは快適で清潔な空間に変わり、日常から糞便臭が消えた。

生活空間に拡散する便臭は、在宅介護の主たる担い手である一般の家族や介護される方の双方に、肉体的労苦にも増して精神的ダメージを与える。気分の落ち込みは認知の発症や増悪と密接に関係する。

紙おむつはこの半世紀の間に改良され普及してきた。熟練したプロには作業性が良い点も好まれる。しかしながら、便臭の拡散は布おむつとあまり変わらない。差込便器もレトロなブリキ製の時代から変わっていないように見える。

この点で自動排泄処理機にメリットがある。自動排泄処理機は排泄を検知しタンクに洗い流して自動処理する。しかし、自動排泄処理機は100万円近くもする高額機器であり、介護保険を適用するにしても要介護度4以上に制限されている。負のスパイラルに陥らないためには、速やかに良好な排泄環境を整えたいが、介護認定の期間や介護機器発注から入手までの期間を考慮すると、突然の寝たきりや短期の利用には適用ずらい。例え、「金に糸目は..」という恵まれた環境にあったとしても、メーカー在庫の出庫であろうから、翌日から使用できるわけではない。日頃から自動排泄処理機を常備した環境にあれば即応できるが、普通はあり得ない。

なお、介護おむつと自動排泄処理機は、介護される方の排泄制御能力に依存しない。メリットであると同時に長く使用するとその能力損なうリスクでもある。廃用症候を避けるためには長期の使用を避けたい。

feeling happy

備える介護

敗戦後の食糧難時代に生まれた団塊の世代は、時々において、社会的なひずみに関係して言及される。すべてが後期高齢者になる再来年の「2025年問題」でも人口ピラミッドの塊の大きさが医療や介護などの需要急増と資源逼迫の要因として注目されている。

ここでは、私もその一員である団塊世代側の観点から、介護が必要になった時、しかも最も困難とされる寝たきりになった場合の介護を論じる。

介護が必要にならないためには予防が重要である論を待たない。しかしながら、終末期における介護は避けがたい。理想とする「大往生」であればほどにである。高齢者の寝たきりは、しばしば驚くほどの速さで廃用症候や認知症状を誘発する。寝たきりの排泄介護は介護する側、される側多大なストレスを与える。ハイリスクグループである高齢者については、介護の予防と同様に、寝たきり介護への備え、事前の備えが必要ではないかと思う。

寝たきりの介護における負のスパイラルが始まれば、自宅介護の難度は極限にまで押しあがり、しばしば限界を超える。そしてそこには排泄における便臭の課題がある。

社会的背景も考慮しなければならない。

そこで、

これらを満たす におわない介護 を模索している

序での一言

シャワートイレやウォシュレットに代表される細やかな工夫は、かつての暗く汚なかった "憚り" を 快適で清潔な空間に変えた。

介護を clean nursingとdirt nursing に分けると寝たきり排泄はdirt側の代表だろう。でも、この分野の研究開発は紙おむつに集中し、効果的に便臭対策できるのは自動排泄処理機だけという状況にある。

企業に もっと色んな方角から「介護の本丸」を攻略して欲しい。汚れ仕事に怯むだろうが、そこに切実な需要がある。

囚われのダルシネア姫 ...
急げ ドンキホーテ !!
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夢から覚めたら 哀しきピエロ

終末期の介護を、もっと"普通ごと"に近づけることができれば、余裕をもって施設介護か在宅介護を選択できる。
介護する方、介護される方の幸せ度を上げることが期待される
介護に関わる家計や国の負担を軽減できる。

排泄制御できる能力が残されているのに おむつを着用させる現状を変えたい
参入者間の競争原理が、"安い、速い、上手い"  排泄に繋がり、それが普及している社会
幸せであるべき人生の集大成期に快適を届けたい。