三部会連携「応用数理セミナー」

日本応用数理学会の「科学技術計算と数値解析」,「行列・固有値問題の解法とその応用」,「計算の品質」の三部会が連携し,学部生・大学院生,企業の研究者・技術者を対象にした,「応用数理セミナー」を実施します.初心者向きの内容を意識しております.分野外の方も気軽にご参加ください.

日時:2018年12月26日(水) 10:00-17:30

場所:東京大学 大学院数理科学研究科 大講義室

プログラム (2018.10.17版)

9:30 受付開始

10:00-12:00 行列・固有値の解法とその応用研究部会

友枝明保(武蔵野大学)『数理が創り出す錯視作品たち』

12:00-13:15 休憩

13:15-15:15 計算の品質研究部会

柏木雅英 (早稲田大学) 『常微分方程式の精度保証付き数値解法』

劉雪峰(新潟大学)『偏微分方程式の精度保証付き数値計算法(I) : 境界値問題と固有値問題』

関根晃太(東洋大学)『偏微分方程式の精度保証付き数値計算法(II): 半線形線形楕円型境界値問題』

15:15-15:30 休憩

15:30-17:30 科学技術計算と数値解析研究部会

齊藤宣一(東京大学),柏原崇人(東京大学),周冠宇(東京理科大学)『数学教授にでも使えるFreefem++』

講義の詳細:


  • 友枝明保(武蔵野大学)『数理が創り出す錯視作品たち』

網膜に映る画像は2次元なので奥行き情報が無く,3次元の立体へ誤って復元した結果として立体に関する錯視が生じると考えられている.本講演では,「不可能立体」として総称される作品群を次々と発表されている杉原厚吉先生の著書や論文の紹介を交えつつ,数理的に創り出される錯視作品をその背景にある計算とともに紹介する


  • 柏木雅英 (早稲田大学) 『常微分方程式の精度保証付き数値解法』

精度保証付き数値計算の基礎(コロナ社)の第7章に従って、常微分方程式の精度保証付き数値解法について解説する。基本的原理から始めて、簡単な数値例を用いて分かりやすく解説する。また、実装の例や実際の問題の計算例も紹介する。

  • 劉雪峰(新潟大学)『偏微分方程式の精度保証付き数値計算法(I) : 境界値問題と固有値問題』

精度保証付き数値計算の基礎(コロナ社)の第8章に従う。計算品質の確保と計算機援用証明などの場面では、偏微分方程式の数値解に関する定性的な誤差評価(収束オーダーの検討など)により、具体的な誤差をはかる定量誤差評価が重要な役割を果たしている。講演では、偏微分方程式の境界値問題と微分作用素の固有値問題に対して、有限要素法を用いる精度保証付き数値計算法を解説する。

  • 関根晃太(東洋大学)『偏微分方程式の精度保証付き数値計算法(II): 半線形線形楕円型境界値問題』

半線形楕円型境界値問題の解に対する精度保証付き数値計算法は中尾法、Plum法、Newton-Kantorovichの定理を用いる方法など様々な方法がある。それぞれの手法の共通点や違い、歴史などの導入部分を交えながら半線形楕円型境界値問題の解に対する精度保証付き数値計算法の基礎の解説を行う。講演は劉氏が紹介した内容とつながっている。


  • 齊藤宣一(東京大学),柏原崇人(東京大学),周冠宇(東京理科大学)『数学教授にでも使えるFreefem++』

Freefem++は偏微分方程式(PDE)を数値的に解くためのソフトウエアであり、主に、Sorbonne大学(Paris第6大学)のJ.L.Lions数値解析研究所のメンバーが開発に関わった(日本からは大塚厚二・広島国際学院大学教授が参画した)。Freefem++を使うと、空間2次元・3次元、時間定常・非定常、線形・非線形のPDEを比較的簡単に数値計算し、解を可視化することができる。したがって、PDEの解析理論に興味がある場合に、実験的な考察により有益な情報が得られる可能性が高い。しかしながら、(特に日本では)PDEの研究者が活発に利用しているとは、残念ながら言えないようである。この講義では、Freefem++の基本的な使い方の説明と様々な活用例の紹介を行いたい。具体的には次の項目を準備している(空間次元はすべて2とする):

    1. Poisson方程式
    2. 半線形楕円型方程式
    3. 線形・半線形熱方程式
    4. 線形・半線形Schr{\" o}dinger方程式
    5. Stokes方程式
    6. 非定常Navier-Stokes方程式と移動境界問題(計算の例示のみ)

受講者に期待する前提知識は以下の通りである.

    • Poisson方程式の弱形式が理解できる。そうでなくても、Poisson方程式の解が、エネルギー汎関数の停留点として特徴付けられることを知っている。停留条件(Euler-Lagrange方程式)を導ける。
    • テキストエディタが利用でき、簡単なプログラミング(LaTeXを用いた文書整形でも良い)ができる。

講義のレベルは、数値計算の経験のほとんどない人を想定して設定する。特に「数学科教授」にでもわかってもらえるように心がける。偏微分方程式やその数値計算に興味のある、学生、院生、研究者の参加を歓迎する。受講の際には、http://www.freefem.org/から、ご自分の環境に合ったFreefem++の最新バージョンをインストールしておくことを勧める

注意:

  1. 参加登録は不要です.ご興味のある方すべての参加を歓迎いたします.
  2. 資料を印刷して配布することはいたしません.講義資料は,講義日当日に会場にて,電子版へのアクセスの仕方をおしらせします.資料を見るための道具は各自でご用意ください.
  3. 会場ではeduroamとUTokyo-WiFiが利用できます.その他に参加者向けのWifi設備の提供は致しません.

問い合わせ先:齊藤宣一(東大数理)

更新履歴:

2018.10.17 暫定プログラム公開

2018.05.17 本ページ公開

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