データマイニング・機械学習の研究において広告は中心的な分野です。
多くの主要国際会議では広告技術のセッションがあり、高い注目を集めています。
しかし国内の会議では広告がセッションとして扱われることは稀であり、十分な議論を行えていない現状があります。
今回本オーガナイズドセッションを実施することを契機として、
日本における広告技術の研究開発のコミュニティが生まれ、議論が活性化することで、
多くの研究が生まれていくことを期待しています。
北田 俊輔 (法政大学)
藤田 光明 (サイバーエージェント)
広告クリエイティブは主に画像やテキストなどから構成され、デジタル広告において購買対象となる顧客に対し、効果的に製品の情報を届ける重要な役割を担っている。こうしたクリエイティブは主に人手により、大量に作成および運用されている。しかし効果の高いクリエイティブを作るのは非常にコストがかかる。そのため、配信効果の高いクリエイティブの作成や運用のために、機械学習技術を用いた研究開発が世界中で盛んに行われている。特に広告クリエイティブを構成する素材の分析や、広告クリエイティブの配信効果を事前に予測するCTR予測・CVR予測、配信効果の高い広告クリエイティブの自動生成といったタスクが注目されている。本講演では、データマイニング分野で最難関国際会議であるKDD2019において発表した広告クリエイティブのCVR予測を元にした評価について紹介する。また最新の広告技術に関連する研究成果の紹介を行い、これまでの広告クリエイティブと機械学習技術における研究によって達成されている現状と今後の展望について議論する。
Web Conference, 通称WWWと呼ばれる国際会議は, Webに関連する研究が数多く集まるトップ会議です. Web関連の研究のテーマは多岐に渡ります. その中でも, ネット広告は非常に大きな研究分野の1つです. 利益の多くはネット広告から得られているからです. 例えば, アメリカでは2016年, 830億ドルの売り上げが出ていると言われており, 毎年, その売り上げを伸ばしています. そのため, Web Conferenceでは非常に多くのネット広告に関する研究が発表されています. 本発表では, WWWで発表された研究について, いくつか紹介します.
株式会社Gunosy共同創業者
GunosyTechLab R&D チーム 上席研究員
東京大学大学院工学系研究科
博士後期課程修了
推薦システム、ユーザ行動分析が専門
2017年度言語処理学会論文賞
KDD2019, Recsys2019などに論文採択
株式会社サイバーエージェント AILab 経済学チームリーダー
Norwegian School of Economics MSc
Counterfactual ML, 経済学と計算機科学の融合が専門
AAAI, ICML, WWW等に論文採択
主著:『効果検証入門』(技術評論社、2020年)
福田 宏幸
(株式会社電通)株式会社電通 データ・テクノロジーセンター
AIソリューション部長
東京大学大学院 新領域創成科学研究科
博士後期課程修了
専門はバイオインフォマティクス
ロッテ「Fit’s」等の広告制作
AIコピーライター「AICO」等のAI開発