本セッションは、日本ロボット学会(RSJ)と人工知能学会(JSAI)の合同企画として、両学会の研究コミュニティを軸に、今後のロボット研究とAI研究の連動・協働のあり方、ならびに学術分野・研究基盤の発展の方向性について、学際的な観点から議論することを目的としています。
企画詳細
本企画セッションは、人工知能研究の中核的課題である「知覚・学習・推論・意思決定」を、実世界での相互作用を伴うロボットという研究対象を通じて再定義し、AI研究とロボット研究の相互補完的な関係を明確化することを目的としている。ロボットは、センサ入力から行動生成までを一体として扱う知能システムであり、AI研究における理論・モデル・アルゴリズムを実環境で検証・拡張するための重要な実験基盤を提供する。
近年、基盤モデル、マルチモーダルAIなどの発展により、人工知能研究は大きな進展を遂げている。特に、視覚・言語・行動を統合的に扱う LVA(Language–Vision–Action)系モデルや実世界志向の基盤モデルは、ロボット分野においても注目されており、シミュレーション中心で発展してきたAIモデルを、物理世界に接続する試みが
進みつつある。一方で、実環境で動作するロボットシステムにおいては、身体性、環境との相互作用、安全性、不確実性、評価方法といったPhysical AI での課題が顕在
化しており、おり、これらは Physical AI に限らず、人工知能研究全体にとっても本質的な未解決課題である。
本セッションでは、Physical AI を重要な論点の一つとして位置付けつつも、マルチモーダル知覚、実世界理解、Human-Robot Interaction、学習・推論の評価、社会実
装や倫理といった、AI研究とロボット研究が連携可能な多様な接点を取り上げる。特に、AI研究者の視点から見たロボットを、単なる応用先ではなく、理論検証・モデル
拡張・新規研究課題創出のための研究対象・研究基盤として捉え直すことを重視する。
さらに、本企画セッションでは、学会運営・研究基盤・人材育成の観点から、シニア研究者と若手研究者の双方の視点を取り入れることで、将来の人工知能研究を支える
学術的・組織的基盤のあり方について具体的な提言を行う。以上の点から、本企画セッションは人工知能研究と密接に関連する企画である。
日本ロボット学会 (RSJ)
横井 一仁 氏(RSJ副会長/NEDO)
日永田 智絵 氏(奈良先端科学技術大学院大学)
人工知能学会 (JSAI)
本村 陽一 氏(JSAI副会長/産業技術総合研究所)
井上 昂治 氏(京都大学)
モデレーター: 稲邑 哲也(玉川大学)、中臺 一博(東京科学大学)、有木 由香(SONY Group)
当日の進行(90分想定)
前半(約40分):論点提示・提言 モデレーターによる論点提示の後、各パネラーが「AIとロボットの融合」に関する意見・提言を行います。
後半(約50分):パネルディスカッション 学会間連携の課題や将来像、Physical AIの可能性、若手研究者の育成などについて議論を深めます。会場からの質疑応答も予定しています。